塩沢由典先生のコメントです:『リカード貿易問題の最終解決』で目指したのは、政策と切り離して、どういう状況のもとに貿易の利益が得られるのか、どういう状況では逆に不利益が生ずるのか、きちんと議論・分析する枠組みを作り上げることでした。たとえば、完全雇用が成立するなら、貿易は貿易をしない場合より、ひとびと(この場合、労働者)に利益があるが、ただ自由化するだけで総需要が増えないと失業が生まれることが証明できます。こうしたことは、リカード貿易理論の枠組みの中できちんと言えることです。
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