岩井克人氏の社会的共通資本批判は以下の二つの点で間違いである。
※ 社会的共通資本は「ストックとしての公共財」などと言い換えることは不可能な概念である。社会的共通資本は、公共財の概念とは全く違う次元の概念である。宇沢先生による社会的共通資本の提唱の背後には、ポール・サミュエルソンが提示した「公共財」概念への批判がある。「公共財」という概念は、分析装置として全く間違っているから、社会的共通資本の概念を新たに提示する必要があったのである。
※ 社会的共通資本は社会主義に陥らないための概念である。社会的共通資本は国有化ではない。社会のさまざまなステイクホルダーの関与によって運営されていくものであり、社会主義とも市場原理主義の双方のシステムの批判の上に構築されたものである。 . . . 本文を読む