NPO法人のPARC(アジア太平洋資料センター)が制作した新作DVD「海と森と里と -つながりの中に生きる-」を紹介いたします。NPO法人のPARCは、南北問題、環境問題に関してこれまでも優れたビデオやDVDを制作しております。前作の「食卓と海 -水産資源を活かし、守る-」は、本年度のアースビジョン地球環境映画祭の「アースビジョン賞」を受賞したそうです。制作にかけるスタッフの方々の熱意は、本当にすばらしいです。
今作の「海と森と里と」では、私も制作にあたって、ほんの若干ですがアドバイスさせていただき、制作協力者に名を連ねております。そうした関係で、本ブログで宣伝させていただきます。
教育関係の現場におられる方にとっては、学習教材として使える内容ではないかと思います。小学生から大学生、社会人まで幅広く学習用に視聴できる内容になっております。小学生にはちょっと難しい部分もあるかも知れませんが、元素の循環など一部の話題を除けば小学生でも十分に理解できると思います。
森と川と田と海は、水と生物と栄養分による循環系を形成し、それぞれが相互に結びついて、相互に生かされています。しかし、ダムや堰や干潟の埋め立てなどが、その循環系を乱し、破壊してきました。そうした事柄が、岩手・岩泉、一ノ関・室根、四国・吉野川流域、宮城・気仙沼、千葉・三番瀬など各地の事例を通して分かりやすく解説されます。
作中では、「森は海の恋人。川は仲人」というステキなキャッチフレーズの生みの親である畠山重篤さんを始め、漁師、農家、山持ちの方々が複数登場し、自然のつながりのすばらしさ、それを寸断するダム建設の弊害などを訴えます。撮影は、奥山の広葉樹林、放置人工林、川、水田、干潟、海・・・・と、まさに流域の上から下までに及んでおります。
余談ですが、かつて橋本龍太郎元首相が首相に在任中、川を管轄する河川局を建設省から切り離し、農林水産省に統合しようとしたことがありました。しかし、その際は、河川局の官僚の皆さまの抵抗によって葬られたのでした。
このDVDを見ると、川こそが森と田と海を媒介する仲人であり、仲人である河川の行政が農林水産業から切り離され、国交省の別の論理で動いていることの悲劇が分かっていただけるのではないかと思います。
ぜひ皆さまお買い求めください。カラー35分。価格は8000円(+税)です。
注文はPARCの下記のページからできます。
http://www.parc-jp.org/video/sakuhin/ryuiki.html
****<以下、作品の解説文より引用>************
すべての生き物の命は、自然の巧みな循環に支えられています。人が手を加えなくても更新を繰り返す森、森の落ち葉を分解する微生物、分解によって発生する栄養分を運ぶ川、その水が育む稲や汽水域のプランクトン、プランクトンを食物連鎖の底辺として命をつなぐ魚や貝――。川を上る鮭は、海に溢れすぎれば害になる栄養分を陸に返しています。
しかし、この循環は断ち切られてきました。干潟を埋め立てた土地に立ち並ぶ工場、川や海を固めるコンクリート、流れをせき止めるダムや堰――。時代はそれを「開発」と呼びました。木材の生産地に変えられた山は、外材の輸入によって荒廃に追い込まれ、田畑には農薬や化学肥料が撒かれました。海にも、山にも、里にも、生産性と効率の論理が持ち込まれたのです。
****<引用終わり>************
今作の「海と森と里と」では、私も制作にあたって、ほんの若干ですがアドバイスさせていただき、制作協力者に名を連ねております。そうした関係で、本ブログで宣伝させていただきます。
教育関係の現場におられる方にとっては、学習教材として使える内容ではないかと思います。小学生から大学生、社会人まで幅広く学習用に視聴できる内容になっております。小学生にはちょっと難しい部分もあるかも知れませんが、元素の循環など一部の話題を除けば小学生でも十分に理解できると思います。
森と川と田と海は、水と生物と栄養分による循環系を形成し、それぞれが相互に結びついて、相互に生かされています。しかし、ダムや堰や干潟の埋め立てなどが、その循環系を乱し、破壊してきました。そうした事柄が、岩手・岩泉、一ノ関・室根、四国・吉野川流域、宮城・気仙沼、千葉・三番瀬など各地の事例を通して分かりやすく解説されます。
作中では、「森は海の恋人。川は仲人」というステキなキャッチフレーズの生みの親である畠山重篤さんを始め、漁師、農家、山持ちの方々が複数登場し、自然のつながりのすばらしさ、それを寸断するダム建設の弊害などを訴えます。撮影は、奥山の広葉樹林、放置人工林、川、水田、干潟、海・・・・と、まさに流域の上から下までに及んでおります。
余談ですが、かつて橋本龍太郎元首相が首相に在任中、川を管轄する河川局を建設省から切り離し、農林水産省に統合しようとしたことがありました。しかし、その際は、河川局の官僚の皆さまの抵抗によって葬られたのでした。
このDVDを見ると、川こそが森と田と海を媒介する仲人であり、仲人である河川の行政が農林水産業から切り離され、国交省の別の論理で動いていることの悲劇が分かっていただけるのではないかと思います。
ぜひ皆さまお買い求めください。カラー35分。価格は8000円(+税)です。
注文はPARCの下記のページからできます。
http://www.parc-jp.org/video/sakuhin/ryuiki.html
****<以下、作品の解説文より引用>************
すべての生き物の命は、自然の巧みな循環に支えられています。人が手を加えなくても更新を繰り返す森、森の落ち葉を分解する微生物、分解によって発生する栄養分を運ぶ川、その水が育む稲や汽水域のプランクトン、プランクトンを食物連鎖の底辺として命をつなぐ魚や貝――。川を上る鮭は、海に溢れすぎれば害になる栄養分を陸に返しています。
しかし、この循環は断ち切られてきました。干潟を埋め立てた土地に立ち並ぶ工場、川や海を固めるコンクリート、流れをせき止めるダムや堰――。時代はそれを「開発」と呼びました。木材の生産地に変えられた山は、外材の輸入によって荒廃に追い込まれ、田畑には農薬や化学肥料が撒かれました。海にも、山にも、里にも、生産性と効率の論理が持ち込まれたのです。
****<引用終わり>************