台風19号で被災された皆さまにお見舞い申し上げます。かくいう私の居住地にも避難指示が出て、近くの小学校の避難所に逃げておりました。
さて現時点での集計で、全国で21河川の24カ所で堤防の決壊が生じ、越水に至っては全国142河川で発生とのことです。「氾濫」という言葉で、決壊と越水を区別せずに報道していたテレビが多かったですが、「決壊」と「越水」を区別して報道すべきでしょう。「越水」は自然災害ですが、「決壊」は人災である可能性があるのです。
決壊した千曲川や那珂川などでは甚大な被害が生じていましたが、越水で済んだ河川は被害は決壊に比べれば不幸中の幸いというべきでしょう。治水の最重要課題は、越水はやむを得ないものとして受け入れ、決壊・破堤を防ぐことです。越水ですめば、被害は最小限で済みます。
なぜ日本の堤防はかくも簡単に決壊するのでしょうか? なぜ泥饅頭のような脆弱な構造のまま放置されているのでしょうか? 土の塊であれば堤内に水が浸入すれば簡単に破堤します。堤防が、土の塊でよいと考えている行政に問題があるのです。
当ブログでたびたび書いてきましたが、日本における喫緊の課題は、越流しても簡単に決壊することはない耐越水堤防を整備することです。それさえ整備されれば、安全度は格段に増します。今回の台風であっても、これほど多くの決壊被害は出ないのです。
さて、水害が起こるたびに、「スーパー堤防を仕分けた蓮舫が悪い!」といったデマが自民党のサポーターたちから髣髴と沸きおこり、ネットを騒がせます。
スーパー堤防は完成までに400年を要する事業です。蓮舫さんの事業仕分けから10年しか経過していません。また自民党政権になってスーパー堤防は復活しています。しかし完成には途方もない年月を要します。
事業仕分けがあろうがなかろうが、現時点でスーパー堤防など完成しているはずがありません。それに、千曲川や那珂川、阿武隈川以下、決壊した多くの河川にはスーパー堤防の計画すらないのです。今回の24カ所の決壊には、スーパー堤防の事業仕分けなどとは全く無関係です。デマを流すのはいい加減にしてください。
そこで、蓮舫叩きに熱心な皆さまに、本当にバッシングすべき対象を教えてあげたいと存じます。
じつは国交省は、平成10年度の重点施策として越流しても破堤しない耐越水堤防の推進を掲げておりました。
堤体全体を遮水してアスファルトなどで覆ってしまう「アーマーレビー工法」などがそれです。耐越水堤防は他にもいくつかの工法が開発されていますが、これらは同じ距離当たりのコストは、スーパー堤防の100分の1程度で済む、はるかに安価で現実的な堤防強化工事です。
しかし、2008年に日本土木学会の学者たちは、耐越水堤防は不完全として中止するように国交省に勧告し、国交省は耐越水堤防の開発・整備をピタリと止めてしまうのです。
この不可解な事件の背景はダム利権と深く結びついていることが疑われます。すなわち国交省は、耐越水堤防が整備されると、上流にダムを建設する口実がなくなることを恐れたと思われるのです。治水のためのダム建設に根拠を与え続けるためには、堤防は脆弱な方がよいのです(元国交省の河川官僚・宮本博司さん談)。
蓮舫や民主党叩きにあけくれる皆さま、国交省に忖度して、耐越水堤防の中止を勧告した土木学会の御用学者たちこそ、列島における水害を生み出している真犯人だと思いませんか?
耐越水堤防の中止を勧告した土木学会の委員の皆さまは以下の面々です。(肩書はいずれも当時のものです)
ちなみに、元建設省の土木研究所で耐越水堤防の開発に携わっていた石崎勝義氏は、以前、私に対して「(耐越水堤防は)技術的に確立されているにも関わらず、それをさせないというのは犯罪だ」と述べておられました。
確かに。これら無責任きわまりない御用学者たちのために、人命が失われているといって過言でないのです。
ダムやスーパー堤防に湯水のごとく投入されている予算を、耐越水堤防の整備に転用すれば、破堤は格段に発生しにくくなり、国土の安全性は高まることは間違いありません。自民党のサポーターの皆さま、ダム神話、スーパー堤防神話を捨てて、現実的で効果的なインフラ整備の方策を考えましょう。
以下に石崎勝義氏のHPを以下にリンクさせていただきます。この問題について詳しく知りたい方々はご参照ください。
https://kinukokai.amebaownd.com/
さて現時点での集計で、全国で21河川の24カ所で堤防の決壊が生じ、越水に至っては全国142河川で発生とのことです。「氾濫」という言葉で、決壊と越水を区別せずに報道していたテレビが多かったですが、「決壊」と「越水」を区別して報道すべきでしょう。「越水」は自然災害ですが、「決壊」は人災である可能性があるのです。
決壊した千曲川や那珂川などでは甚大な被害が生じていましたが、越水で済んだ河川は被害は決壊に比べれば不幸中の幸いというべきでしょう。治水の最重要課題は、越水はやむを得ないものとして受け入れ、決壊・破堤を防ぐことです。越水ですめば、被害は最小限で済みます。
なぜ日本の堤防はかくも簡単に決壊するのでしょうか? なぜ泥饅頭のような脆弱な構造のまま放置されているのでしょうか? 土の塊であれば堤内に水が浸入すれば簡単に破堤します。堤防が、土の塊でよいと考えている行政に問題があるのです。
当ブログでたびたび書いてきましたが、日本における喫緊の課題は、越流しても簡単に決壊することはない耐越水堤防を整備することです。それさえ整備されれば、安全度は格段に増します。今回の台風であっても、これほど多くの決壊被害は出ないのです。
さて、水害が起こるたびに、「スーパー堤防を仕分けた蓮舫が悪い!」といったデマが自民党のサポーターたちから髣髴と沸きおこり、ネットを騒がせます。
スーパー堤防は完成までに400年を要する事業です。蓮舫さんの事業仕分けから10年しか経過していません。また自民党政権になってスーパー堤防は復活しています。しかし完成には途方もない年月を要します。
事業仕分けがあろうがなかろうが、現時点でスーパー堤防など完成しているはずがありません。それに、千曲川や那珂川、阿武隈川以下、決壊した多くの河川にはスーパー堤防の計画すらないのです。今回の24カ所の決壊には、スーパー堤防の事業仕分けなどとは全く無関係です。デマを流すのはいい加減にしてください。
そこで、蓮舫叩きに熱心な皆さまに、本当にバッシングすべき対象を教えてあげたいと存じます。
じつは国交省は、平成10年度の重点施策として越流しても破堤しない耐越水堤防の推進を掲げておりました。
堤体全体を遮水してアスファルトなどで覆ってしまう「アーマーレビー工法」などがそれです。耐越水堤防は他にもいくつかの工法が開発されていますが、これらは同じ距離当たりのコストは、スーパー堤防の100分の1程度で済む、はるかに安価で現実的な堤防強化工事です。
しかし、2008年に日本土木学会の学者たちは、耐越水堤防は不完全として中止するように国交省に勧告し、国交省は耐越水堤防の開発・整備をピタリと止めてしまうのです。
この不可解な事件の背景はダム利権と深く結びついていることが疑われます。すなわち国交省は、耐越水堤防が整備されると、上流にダムを建設する口実がなくなることを恐れたと思われるのです。治水のためのダム建設に根拠を与え続けるためには、堤防は脆弱な方がよいのです(元国交省の河川官僚・宮本博司さん談)。
蓮舫や民主党叩きにあけくれる皆さま、国交省に忖度して、耐越水堤防の中止を勧告した土木学会の御用学者たちこそ、列島における水害を生み出している真犯人だと思いませんか?
耐越水堤防の中止を勧告した土木学会の委員の皆さまは以下の面々です。(肩書はいずれも当時のものです)
ちなみに、元建設省の土木研究所で耐越水堤防の開発に携わっていた石崎勝義氏は、以前、私に対して「(耐越水堤防は)技術的に確立されているにも関わらず、それをさせないというのは犯罪だ」と述べておられました。
確かに。これら無責任きわまりない御用学者たちのために、人命が失われているといって過言でないのです。
ダムやスーパー堤防に湯水のごとく投入されている予算を、耐越水堤防の整備に転用すれば、破堤は格段に発生しにくくなり、国土の安全性は高まることは間違いありません。自民党のサポーターの皆さま、ダム神話、スーパー堤防神話を捨てて、現実的で効果的なインフラ整備の方策を考えましょう。
以下に石崎勝義氏のHPを以下にリンクさせていただきます。この問題について詳しく知りたい方々はご参照ください。
https://kinukokai.amebaownd.com/
貴記事、いつも勉強になります。日本での悪党は、軍産複合体というより(それも結構いますが)、官学複合体ですね。腹が立ちます。
かくいう私も生まれて初めて、退避しました。その顛末は、上記のURLで記事としました。ご笑覧下さい。
これから定期的に避難所生活が必要な時代になりそうですね。
学者のモラルの低下と業績との癒着ぶりは目に余ります。政官業の癒着が問題の根幹とは思いますが、それをチェックすべき学者がその中に取り込まれてしまっては、もはや絶望的・・・・・。打開策は・・・・
またお知恵を貸してください。
池になりますから。
排水設備がない所は特に
田んぼに越水させて、何日かかけてゆっくり河川に戻す仕組みが必要だと思います。