代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

共和党主流派の価値観は終わった

2016年03月16日 | 政治経済(国際)
 共和党主流派や軍産複合体やネオコンの期待を一身に受けていた共和党のルビオ候補。負ければ撤退という背水の陣で臨んだ地元フロリダで、トランプ候補に大敗。ルビオ氏は大統領選からの撤退を表明した。共和党主流派にとってはショックだろう。

 ルビオ候補、この間、一貫して、「私はレーガン革命の申し子だ。経済面では小さな政府、安全保障面では大きな軍事力、国際的なリーダーの地位を守っていく」と繰り返し演説していた。それらの価値観を繰り返し表明すればするほどルビオの支持率は落ちていったようだ。どうやら共和党員も、レーガン以来のこの政策をすればするほど、自分たちが中流から没落して貧困層に追いやられていく現状に、心底疲れて、いまや嫌悪感を抱くようになっているのだ。
 「それって要するに、経済面では企業のやりたい放題にやらせて私たち貧乏人は放置します、そこで削った福祉予算は海外侵略のために回しますってことだよね。もうウンザリ!」と。

 トランプのやろうとしていることは、共和党主流派と真逆。つまり「海外での余計な侵略活動はせず、内にこもって国内の社会保障は重視します」ということである。

 ネオコンが全力でトランプを倒そうとしている。ネオコンが攻撃しているというその時点で、「じゃ、やっぱりトランプの政策の方が正しいんじゃない」ということになってしまっている。ネオコンが前面に出てトランプ攻撃をすることは、完全に逆効果なのだ。

 日本における対米従属症候群の患者たちは戦々恐々としているようだ。

 トランプ大統領の誕生 → 在日米軍の撤退 → 日中戦争
 
 といったシナリオを描いて恐怖している。彼らは対米従属依存症とともに、対中過渡恐怖症という別の病気も併発している。もう救いようがないかも知れない。

 声を大にして言いたい。「中国なんて怖くない」と。中国の経済成長ももう終わりだし、そんなに軍拡に予算を使っていられなくなる。こちらが毅然とした態度で知恵と勇気をもって外交をしていけば、中国は怖くない。日本の国益を維持しながら、中国とは戦略的な互恵関係を築いて、東アジアの新時代をつくっていけるはずなのである。
 
 ここは真田昌幸に学んでほしい。知恵を尽くせば、北条も徳川も上杉も怖くない。今のアメリカなど、大河ドラマ真田丸に例えれば、おのれの軍事力を過信してしまって、内政を軽視して外征ばかりに力を入れた結果、足元を救われつつある北条氏政みたいなものである。

 こういうことを言うと、大河ドラマの真田昌幸があまりにも腹黒く描かれているため、「あんなタヌキになれと言うのか!」とお叱りを受けそうである。いや、習近平の顔はタヌキに似ているから(けっこうかわいい)、こちらはそれを手玉にとるくらいのより狡猾なキツネになれと言いたい。

 いずれにしても避けられないことは、アメリカがいずれモンロー主義に回帰するということであり、日本はその次の時代を展望して新しいシナリオを描かねばならないということだ。
  


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