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代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

ミルトン・フリードマンと宇井純の人生

2006年11月24日 | 政治経済(国際)
 私もこのブログでたびたび批判してきたマネタリズム(=市場原理主義)の教祖ミルトン・フリードマンが11月16日に94歳で亡くなりました。もっとも日本においては、「フリードマン死すとも、その影響力は死せず」という状況です。「フリードマンの遺産」に今も世界中で多くの人々が苦しめられ、場合によっては命も失っているのです。
 私の子供の通う公立保育園と学童クラブも、行政が父母達と話し合うことなく一方的に民営化を宣言してきました。思えば、これだって元をたどればフリードマンに原因があります・・・。

 市場原理主義の支配する世界というのは初めから結論ありき。「市場は完璧なんだ。ゴタゴタ言うな。問答無用!」です。「話し合い」などという「不効率」なステップは彼らの辞書には必要ないといえるでしょう。フリードマンの主著に『選択の自由』というのがありますが、市場原理主義が支配する世の中は実際には官僚と投機家たちの独断と専横がまかり通る世界。父母たちの意見を無視して強引に民営化されようとしている保育園のように、民意による選択の余地などないのです。
 
 日本では今もフリードマンの遺産の猛威が吹き荒れているといえるのですが、フリードマンとその弟子たち(シカゴ・ボーイズ)が直接手塩にかけて市場原理主義改革を推進し、略奪と生活破壊の限りを尽くした南米諸国では、もはや「フリードマン」という名前は「ピノチェト」と並んで呪われた意味しか持たないようになっています。(私のブログのこの記事参照
 晩年のフリードマンは、自らの教説に従って市場原理主義を遂行したアルゼンチン経済が崩壊し、南米諸国がこぞって市場原理主義に「No」を突きつけ、次々に左派政権に代わっていく様子をどんな思いで眺めていたのでしょうか?
 願わくば、フリードマンにはもう少し長生きしてもらって、自分の理論が完全に博物館行きになるその日を目撃してもらいたかったようにも思えます。

 さて、日本のマスコミ各紙はフリードマンの死去に際して、提灯記事ばかり書いていました。『日本経済新聞』には、竹中平蔵氏からシカゴ学派を継承するロバート・ルーカス氏(シカゴ大学教授)まで、ファナティックな市場原理主義者たちがこぞってフリードマン礼賛のコメントを寄せていました。

 おそらく日本でフリードマンの人柄をいちばん良く知っているであろうと思われるのは、シカゴ大学でフリードマンの同僚だった宇沢弘文先生でしょう(この記事参照)。しかし、日本の新聞各氏は、宇沢先生へはコメントを求めていませんでした。宇沢先生にコメントを求めれば、フリードマンを批判するに決まっているので、マスコミは意識的に自粛したのかも知れません。そのような配慮が働いてしまう現実が、日本がいかにフリードマンに呪縛されているかを物語っているといえるでしょう。

 宇沢先生は、万物を私有化・商品化して全てを市場原理に委ねようというフリードマン一派のイデオロギーに一貫して抗議し、教育・医療・福祉・自然環境・社会インフラ・金融などは、たとえ私的所有権が付与されていても、なおかつ決して市場原理に委ねてはならず、社会的に管理せねばならない「社会的共通資本」なのだ、と論じてきました。

 ちょうどフリードマンが亡くなる1週間ほど前に宇井純さん(沖縄大学名誉教授)が亡くなられました。フリードマンよりも20歳も若い74歳でした。早すぎました。そして宇井さんの生涯はフリードマンのそれとは対極的なものであったといえるでしょう。
 宇沢弘文先生は『毎日新聞』の11月16日夕刊に追悼記事を寄稿しておられます。その一節を引用させていただきます。

<引用開始>
「(前略、宇井さんの事績の紹介)
 今、アメリカの産業的、金融的資本が市場原理主義を武器として、世界の多くの国々の自然、社会、文化、そして人間を破壊しつつある。市場原理主義は、儲けることを人生最大の目的として、倫理的、社会的、人間的な営為を軽んじる生きざまを良しとする考え方である。宇井さんが、その生涯を通じてもっとも嫌悪し、闘ってきた、人間として最低の生きざまである。この市場原理主義が、小泉政権の下で、日本に全面的に輸入され、社会の非倫理化、社会的靱帯の解体、文化の俗悪化、そして人間関係自体の崩壊をもたらしつつある。
 この危機的状況の下で、宇井さんを失うことの損失は大きい。痛恨の情を押さえきれない。しかし、宇井さんは、高い志を守りつづけて、崇高な一生を送った。そして紀子夫人をはじめとするすばらしい家族に看取られて、静かにこの世を去った。宇井さんの志を継いで、日本をもっと人間的、自然的、社会的に魅力のあるものに変えていくために力を惜しまない人々が必ずや大勢出るに違いない。宇井さん、どうか心安らかに眠ってください。合掌。」
『毎日新聞』2006年11月16日夕刊
<引用終わり>

 宇沢先生がフリードマンの死についてコメントを求められたら何を語ったであろうかは、この追悼文を読めばだいたい分かるかと思います。

 さてフリードマンを含め市場原理主義について、最近、非常に良い本が出版されました。すでにあちこちのブロガーも取り上げていて大変な反響を呼んでいるようです。内橋克人著『悪夢のサイクル -ネオリベラリズム循環-』(文芸春秋社)です。私も、是非多くの人々にこの本を読んで欲しいと心から呼びかけます。宇沢先生もこの本を大変に高く評価していて、週刊文春へも自ら書評を寄稿されていました。
 私も時間があるときに、この本の内容などについて論評したいです。
       

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26 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
FAハイエクとMフリードマン (電気通信主任技術者)
2010-10-15 00:27:05
以前ラジオを聴いていて

期せずして

日本社会の骨格を創ることに貢献したのは

ハイエクさんとこのフリードマンさんなんだ

ということを知りました。

ハイエクさんとフリードマンさんは

日本社会の大恩人だったんですね。

自分も嘗て

Free to Choose

読ませてもらいました。

偉大な足跡を残されたフリードマンさんの

著作をまた機会があれば読み直して

みたいと考える次第です。

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市場原理主義の虚妄 (Orwell)
2008-06-10 06:56:06
ミルトン・フリードマンの似非経済学で日本が破壊されようとしています。防がなければなりません。色々とご教示いただきます。
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デルタさま ()
2006-12-10 10:41:43
>これも、マネタリズムという手法論での経済の管
>理・統制を試みて、かえって反動が増した結果、と
>ワタシは考えるのです。現にやっていることが、市
>場原理主義というより、極端な統制経済と見えてし
>かたがないのですが……。

 風邪引いていたもので返信遅れて申し訳ございませんでした。
 上記の点に関しては全く同意です。この間の悲劇の大きな部分は、FRBとIMFという、マネタリストの理論にかぶれた二つの組織が、「経済の事は専門家に任せろ。素人は口出しするな」を合言葉に、民意を無視して、政府の意向からも独立して、「インフレのコントロール」のみを至上命題とする専制政治を行ったことに起因すると思います。
 FRBとIMFはウォール街のカルテル組織とも呼ばれていますが、まさに国際金融カルテルの専制政治がいまのグローバリズムの実態ではないでしょうか。

 河川の基本高水を決めている国交省も「治水のことは専門家に任せろ」というIMFと同じ常套句を多用しています・・・。官僚主義的な思考回路はIMFも国交省も似ていると思います。
 
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スーパー堤防について。 (Kay)
2006-12-08 11:41:00
デルタさま。本質的な話ではないのですが、堤防の例えでおっしゃりたいのは、どれほど大きな洪水にも耐えられるよう堤防を高く盛れば盛るほど、決壊した際の被害が大きくなるということでしょうか? それでしたら、「スーパー堤防」ではなく普通の「堤防」という言葉を用いられた方がわかりやすいかと思います。
スーパー堤防は洪水時に越流はさせるが決壊はしないという、被害を完全に防ごうという思想の堤防ではありませんので。

耐久消費財が世の中売れ渡ってしまった後の不況時には、無政府状態やマネタリズムでは問題をまったく解決できないのではないでしょうか。そもそも不況を問題と考えることはないというのが新古典派の立場でありますが。こういう時こそ、市場の失敗のひとつである公共財部門へ投資するのが、より効率的ではないかと私は思います。
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安易な喩えで注意を要するのですが…… (デルタ)
2006-12-06 23:20:42
民主的な貨幣(経済)のコントロール、という手法の正当性と効果について、恐らく違った考えになっている様子ですね。

頑迷な原理主義者と取られることがちょっと怖いので、最初に弁解します。私自身はフリードマンのいう「貨幣の専制」を信奉しておりません(苦笑)。
根拠は、ここ20年くらいの日本経済を観察した結果得ている感想・あるいは諦めとでして、かなり独断なところにあります。
たとえば、こんなことを考えているのです。

http://hosiakari.blog34.fc2.com/blog-entry-116.html
http://hosiakari.blog34.fc2.com/blog-entry-120.html

私の問題意識は、こういったものです。

治水の方法として高水方式という考え方が、経済でいうと政府によるコントロールに当たると喩えます。完璧で老朽化しない堤防・ダムがあることを前提に、水量の増減が外環境へ影響しないよう「閉じこめている」という点が相似しています。
けれど、現実問題として、堤防としての所得配分や、ダムとしての経済・産業政策が、破綻・陳腐化することなく実行できず、しょっちゅう破けています。無理に閉じこめようとした試みがくずれ「加圧がかかった」かたちで、外環境(社会)へ経済変動の影響が現れることになっていないでしょうか。ちょうどスーパー堤防が決壊した時のようなものです。
IMFの例、極端な失敗例で胸にずしりときました。
けれど、これも、マネタリズムという手法論での経済の管理・統制を試みて、かえって反動が増した結果、とワタシは考えるのです。現にやっていることが、市場原理主義というより、極端な統制経済と見えてしかたがないのですが……。

一方、
無政府状態でも交換・贈与の関係(市場)があれば、それ自体が”生活の維持”に寄与してくれます。むしろ、飢えないためには、交易し続けねばならない、という見解さえあるくらいです。

流れのままに、とまではいいませんが……。
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デルタさま ()
2006-12-06 10:45:17
 ご無沙汰しております。
 私は「貨幣の専制」は最悪と考えています。政府は、民主的にコントロールできるものです。有権者さえしっかりしていれば専制に陥らないようコントロールできます。それに対して、民主的コントロールから離れた貨幣の専制は、それ以上の災厄をもたらします。
 具体的にはインフレのコントロールのみを至上の価値にまで高めたIMFが、世界中で戦争以上に多くの人々の生活を破壊し、命も奪っていったことが挙げられます。以下の記事をご参照ください。
 http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/02f20617c30924c55e1860d23ede4464
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貨幣の専制 (デルタ(@新自由主義者))
2006-12-05 23:53:55
お久しぶりです。

フリードマンはかつて、「政府の専制よりは貨幣の専制のほうがマシ」といっていました。政府も貨幣も道具には違いありませんが、どちらが制御しやすいか(致命的な暴走しないか)を比較したときに、貨幣をよりマシな道具と考えていたわけです。むろんそこには、かれがユダヤ系移民の子だったという背景もあるわけです。
レーガンに取り込み、彼の主張を部分的に政策へ反映させようとしたのは、彼の脇の甘さと言って良いでしょう。しかし、彼の実社会での失敗が、「彼(いやシカゴ学派)の言っている学説は政府の専制と親和性が強い」ことの証明になるというのは、早計です。
現状の政府の経済的な失敗が市場原理で放置した場合にくらべ大きくなるとの予測は、「公共選択論(立憲的政治経済学)」という別なアプローチからも提出されているわけですし。
もし、フリードマンの態度から、新自由主義に疑念を持たれているようでしたら、彼と同時期に同じような立場から多数の本を書いているM.N.ROTHBARDさんの名を紹介しておきます。古典的な自由権の定義から市場原理主義とベトナム戦争反対と公民権運動への連帯とを矛盾無く導きだし、社会運動を指導した経済学者です。
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うむむ… (カラテカ)
2006-11-30 08:16:13
歴史解釈というのは、人の性格や人格と一緒で多種多様、その人数分だけ説があるという事ですかね?

選挙権もない、この若輩者にはわかりませんっ…

とりあえず、学校を卒業して就職をし、薦められた本を読み、色々なブログで他の方の意見を参考しますです。

でも、やっと一人前になったかなぁ?と、自らを思えた時、自国の政府が変な事に気付いたら嫌だなぁ…

その時は、ニュージーにでも脱出しますわぁ(^_^.)
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Unknown (無名)
2006-11-30 00:56:50
フリードマンが軍事政権に協力した?
→おい。お前らの好きなケインズ政策。…

これは明らかに反論になっていないと思うのですが。
高圧的な断言調で書いているから、余計愚かしく見えます。

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痛いよ (奇兵隊)
2006-11-29 23:35:30
>金儲けだけの経済的自由?お前らアホか。フランス革命にせよアメリカ革命にせよ近代の人権革命はすべて国家の身勝手な課税に対する反逆として生じているのだ。後付の美しい物語が本筋だと思うのは歴史を知らんバカがいうことだ。


痛い痛すぎる、歴史の表面しか見ていない幼稚な論説だ。
noa君には、これ以上何を言っても無駄だと思うので何も答えません、以上。
返信する
Unknown (noa)
2006-11-29 17:29:39
>あんた現実を知らないんだろ

現実を知らない?自分の観念の世界だけでしか通用しない稚拙な正義感や現実には到底成立し得ないような身勝手な理想論しかとなえず「僕は正しい。僕はイノセントだ」と悦にいる現実逃避左翼の君らがいえた話か。死ぬまで宇沢先生は高潔、植草さんは陰謀に嵌められたと与太を飛ばしてろ。金儲けだけの経済的自由?お前らアホか。フランス革命にせよアメリカ革命にせよ近代の人権革命はすべて国家の身勝手な課税に対する反逆として生じているのだ。後付の美しい物語が本筋だと思うのは歴史を知らんバカがいうことだ。フリードマンが軍事政権に協力した?おい。お前らの好きなケインズ政策。これを一番最初にやったのは誰か?ナチスだ。ニューディールもルーズベルトがナチの経済政策からインスパイヤされたものだ。新自由主義の軍事政権との親和性とは笑わせる。もっと「現実」を見て勉強しろ。
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noaさま ()
2006-11-28 09:24:21
 フリードマンの思想の根底には「反官僚主義」と人間の「自由(儲けたい欲望を全面的に開花させるという自由)」の希求があります。それは彼の書いたものを読めばわかりますよ。 

 でも彼の理論が現実に適用されたとき、実際に発生する事象は、彼の「空想的仮定」とは全く異なるものになるのですよ。「理論」と「現実」をごっちゃにしないで下さい。理論と現実を混同している人を私は「ピグマリオン症」と呼んでいますが、あなたはその典型です。そういう人間に限って、専門家ぶって恫喝的な言葉を好んで使用するのです。
 
 一部の人間が儲ける「自由」を全面的に認めることは、そういう欲望を持たない市民がふつうに安定して暮らすことの「自由」を奪うのです。
 「新自由主義」は、現実にはチリのピノチェトやアルゼンチンのビデラ政権のように、反対派を容赦なく虐殺し強制収容所に送りこむような軍事独裁政権と親和性があったのです。そしてフリードマンは自分の弟子たちをピノチェトやビデラ政権に送り込んで軍政に全面的に協力させたのです。その時点で、彼がいかに本の中で「自由」の美辞麗句を述べたとしても、思想家としては終わりでしょう。
 「きちんと勉強してから書き込んで下さい」とはこっちのセリフです。これ以上、非礼なことを書き込まないで下さいね。 

PS 奇兵隊さん、コメントありがとうございました。
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自由経済?お笑い種ですな (奇兵隊)
2006-11-28 02:06:50
>官僚の専横がまかり通る統制経済と自由経済は対極にあるもんだろ。そんなことも分からずに「市場原理主義」とやらを批判してるの?いくら不勉強な化石左翼とはいえ、物には限度があるぞ。


あんた現実を知らないんだろ、現実は幻想の自由経済+強権化した政府の専横でしょ。
政権に食らい付いた宮内義彦は何をしましたか?
製造業にまで派遣社員の適用を広げたのは、誰ですか?野放図な規制緩和で日本の秩序をぶっ壊したではないか。

ぬぬぬ?
http://interceptor.blog13.fc2.com/
小泉首相のお膝元でまかり通る違法行為「規制緩和はお手盛りで」 @官僚から奪い取った"主権"でお仲間内でやりたい放題
http://interceptor.blog13.fc2.com/blog-entry-409.html

読書ノート
http://d.hatena.ne.jp/yamatodamasii/
2006-11-22 はめられた植草一秀
http://d.hatena.ne.jp/yamatodamasii/20061122
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Unknown (noa)
2006-11-28 01:45:41
>フリードマンの主著に『選択の自由』というのがありますが、市場原理主義が支配する世の中は実際には官僚と投機家たちの独断と専横がまかり通る世界

まず、質問。君は本当に「選択の自由」を読んだの?
官僚の専横がまかり通る統制経済と自由経済は対極にあるもんだろ。そんなことも分からずに「市場原理主義」とやらを批判してるの?いくら不勉強な化石左翼とはいえ、物には限度があるぞ。
それから、宇沢のフリードマンへの人格攻撃の嘘は
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20061122#p1
を参照。何も知らない通俗左翼の凡庸な批判を口真似してる暇があったらきちんと本を読んで勉強することだ。
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カラテカ様(追記) ()
2006-11-27 23:59:24
 あと、米国がこれまでに犯したテロ、暗殺、拉致、拷問などなどの国家的犯罪の数々に関して網羅的にまとめた良書は、ウィリアム・ブルム著(増岡賢訳)『アメリカの国家犯罪全書』(作品社)です。米国の真実を知るためには、とりあえずこの本を読むことを推奨します。
 著者のブルムは、元米国国務省の役人で、ベトナム戦争に抗議して辞任したという経歴を持つジャーナリストです。
返信する
カラテカ様 ()
2006-11-27 23:17:53
 奇兵隊様の話しはかなり斬新な説なので、通説ではありません。私は肯定もしませんが、かといって否定しきれるわけでもありません。いろいろな可能性があります。
 最近発生しているいくつもの暗殺事件に関して、私が言いたかったのは、「犯人を決め付けないで、いろいろな可能性がありますよ」ということのみです。もちろん今の時点では誰がやったかわからないのですから・・・。
 でもあれだけ暗殺事件が頻発しているのですから、いろいろな諜報機関があちこちで悪さをやっているということは確かです。
 
>中国人で民主化運動をされてる人もいるそうです
>が、これもCIAが洗脳した人達なのですか?

 多くの人々は内発的に自分で考えて民主化運動していると思いますが、中には米国の特殊機関などから金をもらっている人々もいるでしょう。

 米国の保守政治学者のサミュエル・ハンチントンの書いた『文明の衝突』(集英社)という本があります。ぜひ読んでみてください。あれは1996年に書かれた本ですが、その後の米国の対外戦略はかなりあの本の描いたシナリオを実現させようという方向で行われています。

 あの本の中では、イスラム教vsキリスト教の対立を煽ることの必要性が声高に論じられるとともに、アジアにおける米国の主要な戦略的利益は日本が中国に接近するのを可能な限り阻止することだと露骨に書かれています。

 あの本が書かれた後に、日本における出版物上での反中国キャンペーンは急にやかましくなりました。同時にイスラム教対キリスト教の争いも急に激しくなりました。あの本のシナリオを実現させることが、米国の軍産複合体の利益に合致すると判断したからでしょう。(当時はクリントン政権下で、軍事費が圧縮されて彼らは苦しんでいたので・・・・)。
    
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わけわかりませんっ!(゜Α゜)/ (カラテカ)
2006-11-27 20:39:04
中共中国の成立は、米国が国民党支援を打ち切り、共産党に鞍替えする形で実現しています。

米中対立とか言っている人も居ますが、茶番です。
資本主義も共産主義も共に、金融ユダヤ人が深く関わって勃興しています。
資本主義・共産主義の両方に深くコミットすることで、イデオロギー対立を演出し、軍産複合体を富ましめる等、政治を操って暴利を貪ることが可能となります。

↑奇兵隊さまに教えてもらった、この話…
これは、常識というか、通説なのですかね?

また、靖国が問題しされてますが、やめれば反日運動が無くなりますか?無くなるという人もいれば無くならないという人もいます。

教科書をなんとかして欲しいですね。私、ゲームが好きなのですが、日本兵を撃ち殺す新作をアキバで見ました。中国の最新作です。TVでも中国現地で取り上げられてたのですが「まさか…」と思っていたら、現物を見ました。

反日アニメの新作がバンバン作られているとか?

皿洗いのバイトとかした時に中国の人達と一緒に働きましたが、実に気の良いおもしろい人達でした。
「私、日本好き!出来れば日本女性と結婚したかたー!政府の言う事なんか関係ないよー!」とか言うてました。「そうかぁ~」とか、その時は思いましたが、「そんな政府、打倒してくれよぉ!」とも思いました。

中国人で民主化運動をされてる人もいるそうですが、これもCIAが洗脳した人達なのですか?

なんかキリがないですね…

そんなに暗殺とか、破壊工作とか映画みたいな事ができるなら、金君をなんでどこかの国が早く処理しなかったのですかね?

韓国の人達も自国民同士、自分達だけで統一しようと思わないのですかね?北の資源目当てで大国が許さないのですか?

KGBのスパイの件も英と露をもめさそうとする米の差し金ですか?

ドイツは講和条約を結んでいないのではなかったですかね?

なんか、もぅ訳わかりませんっ!(´д`)
だって、どの説も証拠がないんですもんっ。




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Mドングリさま、memphisさま ()
2006-11-27 11:49:45
 コメントありがとうございました。
 Mドングリさま。内橋さんの『悪夢のサイクル』の他、とくにアルゼンチン経済崩壊の具体的な背景に関してなどでしたら、内橋克人・佐野誠編著『ラテン・アメリカは警告する』(新評論)がより詳しいです。
 
memphisさま
 Bloombergから興味深い記事を紹介して下さいまして、まことにありがとうございました。Bloombergまでがこう書くのですから、確かに時代は代わってきましたね。フリードマン本人も、アジア通貨危機によって自分自身の確信が揺らいでいたという話しはじつに興味深かったです。晩年のフリードマンは「自分の時代はもう続かないのではないか」という不安の中で過ごしていたのですね。

 フリードマンが今でも信奉されているのはひょっとしたら世界で米英日だけかも?? 
 ただ、あの記事では、「途上国で資本・金融の自由化をすれば経済は本源的に不安定化する」ということが強調され、先進国ではやっても良いのだという印象を与えかねないのが気になりました。
 先進国の日本だって、金融自由化による投機的資金の増大によって、バブルの生成と崩壊が頻発するようになるのは途上国と同様だと思います。
 
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カラテカさま、奇兵隊さま ()
2006-11-27 11:11:36
 しばらく自分のブログを見ておらず、返信が遅れて申し訳ございませんでした。たくさんのコメント、ありがとうございました。

>今の北朝鮮危機も茶番ですし、中東のイスラム・テ
>ロなんてのもCIA他の工作員による偽装テロが殆
>どのようです。

 カラテカさん、奇兵隊さんの言うように米国がこうしたことをやる可能性が十分にある国だということは認識しておかねばなりません。
 唖然とするようなことを平気でやります。個別の暗殺案件の具体的な下手人に関しては、私には分かりません。しかし、やる可能性は十分にあるということは認識せねばなりません。
 「敵を窮地に追い込むために味方をあえて殺す」ぐらいのことは、彼らの狂った倫理観からすれば何でもないのです。

 反プーチン派をCIAが暗殺してプーチンのせいにするとか、レバノンの反シリア派を米国が暗殺してシリアの責任にしてシリアとレバノンの対立を煽るとか、ウクライナのユーシェンコ大統領候補の暗殺未遂を米国がやってウクライナの親ロシア派の責任にするとか・・・・ 

 日本で狂ったように繰り広げられている「反中国プロパガンダ」も米国から相当に資金が流れているのでしょう。『諸君』という雑誌は、CIAの秘密工作資金で発刊されたものです。私も前に書きました。http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/46789ab99694402eda8899174837b193 

 アメリカの軍事産業は、日本と中国を敵対させることにより日本に武器を売りつけ、莫大なメリットを得ることができます。日本人に「中国人は怖い」と思いこませることによって、日本を「米国にとって便利なATMマシーン」の状態に縛り付けることができるのです。

 中国がチベットでやったことは確かにひどいですが、そんなことを言うのなら日本がアイヌ人にやったことの方が正真正銘の「民族浄化」であり、もっとひどいことです。米国人による西部での先住民族大虐殺は、それよりもさらにひどいことです。
 前にも書きましたが、近代国民国家によって圧迫される少数民族を救い、覇権主義をおさえこむためには国連の機能を強化するしかありません。今の国連ではダメですが、国際世論の力で改革を進めればちゃんと機能するようになります。
 日本が中国を敵視したところで、何の解決にもつながらないのです。

 他に中国に関してですと、私の書いたものだと以下のものをご参照ください。http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/bdba4edff004c049ec231a0dd5e95abf
http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/77349163b8bb11133e5c7cc655fb0134
http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/96968d5d9a88f5752f57f4644004ece8
http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/375a7b75433c11c6031f509845b592df
http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/b0c291ae3a70e7f3fb402420abc27b7f
返信する
奇兵隊様、有難う御座います。_(._.)_ (カラテカ)
2006-11-26 19:02:16
あの、放射能が検出されて亡くなったという人ですね?あの人の「プーチンよ…」の遺書らしきものは若輩の私でも????でしたね。

そうですか…あの件も…

何が正義で、何が悪か…とか二極化して考えようとする私が間違いなのですねぇ…

今は悪法にみえるような事でも、天下百年の計から鑑みて、5年・10年先には良しとされる事もありましょうし…

しかし、それでは主観、主観で好き勝手に論法が出来るばっかりで、人間は全然まとまらないですね(^_^.)

それが民主主義の良い所なのですか?(^_^.)

お教え頂いたところを「お気に入り」に全部入れて、順繰りに回ってみます!

また、色々と御教授して頂けたら幸いです_(._.)_
返信する
"In Asia, Galbraih wins" (memphis)
2006-11-26 18:13:01
9月30日の記事とともに共感をもって読ませていただきました。フリードマンの著作が大学生協に平積みされ始めた頃、学生時代だったので個人的にもいろいろ思うところあります。宇井純さんが万年助手で東大で開かれた講座を開かれていることを高校生の時に知って、学問とは何かということを随分考えさせられました。

さてHerald/Asahiにアジアではフリードマンではなくガルブレイスが勝者だというコラムが載っていました。少し表現が違いましたが、これhttp://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=aStW.Ds19z5c
です。フリードマン自身が97年のアジア経済危機の時に、マネタリズム(信仰)が通用しなくなる危機感をもっていたということです。
今もって米や日(=脱亜の?)では市場原理主義が大手を振っていますけれど・・・。
返信する
アルゼンチンの二の舞 (Mドングリ)
2006-11-26 16:58:56
こんにちは おひさしぶりです。

紹介のあった内橋さんの『悪夢のサイクル-ネオリベラリズム循環-』を読んでみたいです。

「市場原理主義が支配する世の中は実際には官僚と投機家たちの独断と専横がまかり通る世界」とは、おっしゃるとおりだと思います。
日本官僚はアメリカを反面教師にする知恵が皆無なんでしょうか?
アルゼンチンの二の舞にならないことを、祈るばかりです。
返信する
報道を鵜呑みにするな (奇兵隊)
2006-11-26 00:30:24
カラテカさん、どうもです。

プーチン政権の元FSBのスパイのアレクサンドル・リトビネンコ暗殺報道をどう思いますか。

本当にプーチン政権による暗殺なのなら、「ハ~イ、私がやりました」と言わんばかりに証拠を残し捲るとは考えられません。
これは、情報操作でバカを騙して世論誘導を図っているとしか思えません。これで騙される人は、メディア・リテラシーがかなり劣る人だと思います。

「ケネディ暗殺の政府公式見解」や「9.11同時多発テロの政府公式見解」など、とても信じられない公式見解は多々ありますが、プーチン政権による暗殺報道を鵜呑みにする人は、デタラメ公式見解も信じる人でしょう。

私は以下のblogやサイトで、日々情報を仕入れて自分で考えるようにしています。

阿修羅掲示板
ttp://www.asyura2.com/index.html

ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報
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うへぇ~(´д`) (カラテカ)
2006-11-25 06:51:04
奇兵隊様、有難う御座います。_(._.)_

す、凄い話ですね…

9・11の時に私も若輩ながら
「何で戦闘機がスクランブル発進して、海上で打ち落としたりしないんかな?日本人とかなら絶対よーせんやろけど、アメリカンやったら被害を最小限に留めるとかいう判断で、しそうなもんやけどなぁ?!」
と、友達と話ていたのですよ。

なんかあれもイラク戦争をしたい為に、アメ公の自作自演とかいう説もありますよね…

ヒトラーも誰かにそそのかされてたのは本当なのですかね?

ではユダヤ人が悪党ではないですかぁ~!
そういう単純なものでもないと…(^_^.)

米・民主党は中国と結びつきが強いとか?

私が心配しているのは米・中がグルになり世界中で蛮行の限りを尽くす事なのです。

国連なんて、それでは屁のようなもんではないですか…

夢も希望もないやぁ…
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米中は同じ穴の狢 (奇兵隊)
2006-11-24 23:48:10
カラテカさん、横からすみませんが、中共中国の成立は、米国が国民党支援を打ち切り、共産党に鞍替えする形で実現しています。

米中対立とか言っている人も居ますが、茶番です。
資本主義も共産主義も共に、金融ユダヤ人が深く関わって勃興しています。
資本主義・共産主義の両方に深くコミットすることで、イデオロギー対立を演出し、軍産複合体を富ましめる等、政治を操って暴利を貪ることが可能となります。

自民党のオーナーは統一教会ですし、統一教会の文鮮明は北朝鮮の金日成とは義兄弟の契りを交わしています。金正日は義理の息子です。
そして、統一教会を設立させたのはロックフェラーです。

今の北朝鮮危機も茶番ですし、中東のイスラム・テロなんてのもCIA他の工作員による偽装テロが殆どのようです。
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必要悪… (カラテカ)
2006-11-24 20:41:23
関様、こんにちは_(._.)_

最近、とみに読書にハマッテいますので、内橋さんの本を購入し読んでみたいです。

アメリカはおかしいですか…

しかし、ありえない話ですが、アメリカが消えたら中国がムチャしませんか?
台湾、チベット、日本、自治区の数々…
武力で大暴れしませんか?
そして言うでしょう

「台湾やチベットは中国のものだっ!とやかく言うのは内政干渉だっ!」

と。

アメリカもムチャしてますが、選挙はありますよね。
一党独裁って…そりゃ汚職まみれになりますよね?
中華思想って…(´д`)

何故、共和国や中国ではクーデターが起きないのですか?チャウシェスクのように!儒教が邪魔しているのですか?
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