(前の記事の続きです)
さて、いよいよ最終回となりました。この二つの図は、平成10年(1998年)洪水の計算値と実測値を表記したものです。左の図が国交省の計算値より作成した図です。右の図(意見書2の図17)が私たちの計算です。
国交省は、昭和33年基準の48㎜モデルは、なんと、平成になってから発生した平成10年(1998年)洪水にも当てはまったと主張しています。そして、左の図を2005年の審議会に提出しています。これも計算値と実測値はピタリと一致。まるで、この間の森林の生長をあざ笑うかのようです。キモチ悪いことこの上ありません。
賢明な読者の皆さんは、もうお分かりですね。もちろん、これも捏造です。しかも、ここでも国交省はズッコケています。「計算値」は「ダム戻し流量(ダムがなかった場合の流量)」に一致しなければならないのです。それなのに国交省は、実測値にムリヤリ一致させるように鉛筆を舐めてしまった結果、本来適合させるべき「ダムがなかった場合の流量」の値から乖離してしまっているのです。ズッコケも良いところです。
だいたい、貯留関数法なんて、いい加減きわまりないモデルで、こんな見事に計算が一致するわけないのです。同じ捏造をするにしても、人を騙したいのであれば、少しくらい誤差のあるように、上手に鉛筆を舐めるべきでしょう。これで行政の信頼は高まると本気で考えていたのでしょうか? こんなにキモチ悪いくらいに一致していれば、かえってウソがばれるのが本当に分からなかったのでしょうか?
さて、国交省の昭和33年基準の48㎜モデルを再現して私たちが計算した計算値は右の図のようになります。国交省もこのように計算しているはずですが、このグラフを公開すると、基本高水22,000を維持できなくなるので抹消し、代わりに捏造グラフを審議会に提出したものと思われます。
私たちの計算では、黒マルの実測値に対し、白マルの計算流量は大きく上にズレています。実測値が9,222に対し、計算値は12,506となります。つまり、森林が昭和33年の状態のままであれば、12,500ほど流れた可能性が高いのです。
また、ダムがない場合に流れたであろうダム戻し流量は9,958と推定されます。森林が昭和33年の状態で12,506だけ流れたとすれば、ダム戻し流量との差は2,548です。森林の生長はやはり洪水ピークを2,500以上も引き下げたことが分かるのです。それに対して、ダム6つでカットできたのは、平成10年洪水の場合、ようやく740程度だったのです。森林によるピークカッが比率にして20.4%なのに対し、ダムによるカットは7.4%にすぎません。
つまりこの間の森林保水力の増加によって、八ツ場ダムを含む利根川上流のダム群によるピークカットは、既にして余裕でクリアーされているということなのです。
ちなみに、昭和57年(1982年)洪水に比べてピークカットが森林、ダムとも減少しているのは、平成10年の時の降雨が短期に集中する集中豪雨型だったからと思われます。
さて、昭和33年基準の計算モデルが平成の洪水にも当てはまるという、ごく普通の科学的常識・良識があれば、どんなシロートが見たっておかしいと思うであろう捏造図が、堂々と大先生方の居並ぶ審議会をパスし、八ツ場ダム建設の根拠とされていたのでした。オシマイ。
冗談じゃありません。こんな連中に税金を払っている方はたまったもんじゃないのです。
今すぐ、その連中に支払った税金を国庫に返納して下さい。もちろん捏造によって根拠づけられた八ツ場ダム建設は即時中止です。ダムがなくとも地元が笑顔を取り戻せるように、自然と歴史文化遺産を活かした代替案づくりに着手しましょう。
図を見て分かるとおり、ダムを6つ造ってもカットできるピーク流量は、せいぜいのところ、観測誤差の範囲に収まるような少ない量にすぎません。ダム建設による治水とは、巨額の費用に対する効果をしてはあまりにわずかなのです。それに対し、森林の生長は顕著にピークを低減させます。
現実には、全国のほぼ全ての河川において、この40~50年の森林の生長によるピーク流量の低減によって、基本高水は、新たにダムを必要としない水準にまで下がっています。計算すればすぐに分かります。それでも足りないという場合、針葉樹から広葉樹への樹種転換でも行えば、もっとピークを下げることができるはずなのです。
国交省は、どうしてもこの事実を認めたくないが故に、傘下の御用学者たちを総動員して「緑のダムは幻だ」などと叫び続け、そして、ついに禁断の捏造にまで手を染めてしまったのでした・・・・・・。
もう、このような茶番によって捏造されてきた「基本高水」などという概念は廃止すべきでしょう。基本高水論争には、これにて終止符を打つべきなのです。
最後に、捏造した当事者の方々にお願いがあります。勇気をもって、内部告発して下さい。国交省は、トカゲの尻尾切りのごとく、あなた方のみに罪をかぶせ、組織的打撃を最小限にしようとする可能性が大です。
この捏造事件は、「八ツ場建設を推進するため、22,000モデルに正当性を与える資料を作成せよ」とする国交省全体の圧力の中で発生したに違いありません。これは河川局の組織的体質の問題です。組織として責任を取るべきであって、あなた方のみが罪をかぶる必要はないのです。
トカゲの尻尾切りで事件を終わらせてはいけません。勇気をもって、河川局の組織の問題として、内部からこれを告発すべきなのです。
さて、いよいよ最終回となりました。この二つの図は、平成10年(1998年)洪水の計算値と実測値を表記したものです。左の図が国交省の計算値より作成した図です。右の図(意見書2の図17)が私たちの計算です。
国交省は、昭和33年基準の48㎜モデルは、なんと、平成になってから発生した平成10年(1998年)洪水にも当てはまったと主張しています。そして、左の図を2005年の審議会に提出しています。これも計算値と実測値はピタリと一致。まるで、この間の森林の生長をあざ笑うかのようです。キモチ悪いことこの上ありません。
賢明な読者の皆さんは、もうお分かりですね。もちろん、これも捏造です。しかも、ここでも国交省はズッコケています。「計算値」は「ダム戻し流量(ダムがなかった場合の流量)」に一致しなければならないのです。それなのに国交省は、実測値にムリヤリ一致させるように鉛筆を舐めてしまった結果、本来適合させるべき「ダムがなかった場合の流量」の値から乖離してしまっているのです。ズッコケも良いところです。
だいたい、貯留関数法なんて、いい加減きわまりないモデルで、こんな見事に計算が一致するわけないのです。同じ捏造をするにしても、人を騙したいのであれば、少しくらい誤差のあるように、上手に鉛筆を舐めるべきでしょう。これで行政の信頼は高まると本気で考えていたのでしょうか? こんなにキモチ悪いくらいに一致していれば、かえってウソがばれるのが本当に分からなかったのでしょうか?
さて、国交省の昭和33年基準の48㎜モデルを再現して私たちが計算した計算値は右の図のようになります。国交省もこのように計算しているはずですが、このグラフを公開すると、基本高水22,000を維持できなくなるので抹消し、代わりに捏造グラフを審議会に提出したものと思われます。
私たちの計算では、黒マルの実測値に対し、白マルの計算流量は大きく上にズレています。実測値が9,222に対し、計算値は12,506となります。つまり、森林が昭和33年の状態のままであれば、12,500ほど流れた可能性が高いのです。
また、ダムがない場合に流れたであろうダム戻し流量は9,958と推定されます。森林が昭和33年の状態で12,506だけ流れたとすれば、ダム戻し流量との差は2,548です。森林の生長はやはり洪水ピークを2,500以上も引き下げたことが分かるのです。それに対して、ダム6つでカットできたのは、平成10年洪水の場合、ようやく740程度だったのです。森林によるピークカッが比率にして20.4%なのに対し、ダムによるカットは7.4%にすぎません。
つまりこの間の森林保水力の増加によって、八ツ場ダムを含む利根川上流のダム群によるピークカットは、既にして余裕でクリアーされているということなのです。
ちなみに、昭和57年(1982年)洪水に比べてピークカットが森林、ダムとも減少しているのは、平成10年の時の降雨が短期に集中する集中豪雨型だったからと思われます。
さて、昭和33年基準の計算モデルが平成の洪水にも当てはまるという、ごく普通の科学的常識・良識があれば、どんなシロートが見たっておかしいと思うであろう捏造図が、堂々と大先生方の居並ぶ審議会をパスし、八ツ場ダム建設の根拠とされていたのでした。オシマイ。
冗談じゃありません。こんな連中に税金を払っている方はたまったもんじゃないのです。
今すぐ、その連中に支払った税金を国庫に返納して下さい。もちろん捏造によって根拠づけられた八ツ場ダム建設は即時中止です。ダムがなくとも地元が笑顔を取り戻せるように、自然と歴史文化遺産を活かした代替案づくりに着手しましょう。
図を見て分かるとおり、ダムを6つ造ってもカットできるピーク流量は、せいぜいのところ、観測誤差の範囲に収まるような少ない量にすぎません。ダム建設による治水とは、巨額の費用に対する効果をしてはあまりにわずかなのです。それに対し、森林の生長は顕著にピークを低減させます。
現実には、全国のほぼ全ての河川において、この40~50年の森林の生長によるピーク流量の低減によって、基本高水は、新たにダムを必要としない水準にまで下がっています。計算すればすぐに分かります。それでも足りないという場合、針葉樹から広葉樹への樹種転換でも行えば、もっとピークを下げることができるはずなのです。
国交省は、どうしてもこの事実を認めたくないが故に、傘下の御用学者たちを総動員して「緑のダムは幻だ」などと叫び続け、そして、ついに禁断の捏造にまで手を染めてしまったのでした・・・・・・。
もう、このような茶番によって捏造されてきた「基本高水」などという概念は廃止すべきでしょう。基本高水論争には、これにて終止符を打つべきなのです。
最後に、捏造した当事者の方々にお願いがあります。勇気をもって、内部告発して下さい。国交省は、トカゲの尻尾切りのごとく、あなた方のみに罪をかぶせ、組織的打撃を最小限にしようとする可能性が大です。
この捏造事件は、「八ツ場建設を推進するため、22,000モデルに正当性を与える資料を作成せよ」とする国交省全体の圧力の中で発生したに違いありません。これは河川局の組織的体質の問題です。組織として責任を取るべきであって、あなた方のみが罪をかぶる必要はないのです。
トカゲの尻尾切りで事件を終わらせてはいけません。勇気をもって、河川局の組織の問題として、内部からこれを告発すべきなのです。
ダム建設反対派はダムによらないで強化堤防による河川整備を行うことを主張している。強化堤防として、堤防高まで堤防の破壊がなく、越水しても堤防の破壊がないものを考えている。
完全な強化堤防が実現出来たらスーパー堤防並みの治水効果が期待できる。土木学会の学術的結論では、スーパー堤防なみの治水効果は期待できない。しかしダム建設反対派はその可能性に期待している。
スーパー堤防並みの治水効果が実施されたとして、ダム建設と強化堤防による費用対効果の比較が必要である。スーパー堤防の費用対効果も強化堤防の費用対効果と比較すべきである。強化堤防の治水効果がスーパー堤防並みの治水効果が期待できるかが最大の争点になる。
以上のような費用対効果の比較を正確に実施して初めてスーパー堤防の建設の目的・意味が明白になるものである。その作業が出来ないのなら、スーパー堤防の建設を否定できない。逆に強化堤防でスーパー堤防並みの治水効果が得られるたらおそらくスーパー堤防の建設意義はなくなるだろう。
突き詰めると堤防高まで決壊しない、越水しても堤防が破壊されない強化堤防が本当に実現できるかが焦点になる。感情的な議論を積み重ねても生産的な結論は得られない。
以上