民主社会主義者(democratic socialist)と自称する民主党のサンダース候補。以前のアメリカだったら、大統領候補が「社会主義者」と自己規定するのは自殺行為以外のなにものでもなく、その時点で泡沫候補になっただろう。サンダースの場合、社会主義者を標榜し、社会主義的な政策を掲げることによって、逆に支持を伸ばしている。自ら社会主義者であることを自認しているサンダースの場合、「アカ」攻撃にもびくともしそうにない。
どうやらアメリカ政治に地殻変動が起きている。ウォール街による露骨な政治コントロールに人々が心底嫌悪し、現状を変えたいと願っているのだ。
共和党で支持率一位のトランプ候補も、反ウォール街の主張を掲げる。ウォール街としては、左派サンダース大統領の誕生も、右派のトランプ大統領の誕生もともに悪夢以外のなにものでもないだろう。
民主党左派サンダースの公約の目玉は「ウォール街に課税し、公立大学の授業料を無償化する」である。共和党右派のトランプ候補の公約の目玉は「ヘッジファンドに課税し、アメリカの低所得者層の所得税をゼロにする」である。最左派と最右派の公約にはともにウォール街課税とTPP反対の公約が含まれ、それぞれ支持を伸ばしている。
従来、二大政党制では、大統領選の候補者の主張は、当選可能性を考えて次第に中道に(=大企業連合に媚びた政策に)接近し、大差のないものになっていくと考えられてきた。今回は、共和党の予備選も民主党の予備選も、「中道から遠く離れた」右と左の両極に政策がシフトしていっている。そちらの方が支持が集まるからだ。
そして、両極に分かれていった「右」と「左」の双方が、反ウォール街と反TPPの主張を掲げるという点で政策は接近してきている。
ウォール街も、トランプやサンダースが大統領になる悪夢を阻止しようと必死であろう。バイデン副大統領が次期大統領選への不出馬を宣言した。バイデンが立候補すればヒラリーと票を食い合ってサンダースが有利になるといわれていたので、バイデン降ろしの背後にも「彼ら」の意図があるかも知れない。しかし今回に関しては、バイデン票がすべてヒラリーに流れ込むとは限らない。バイデン票のかなりの部分はサンダースにも流れるだろう。
かりにウォール街が今回は「悪夢」を回避したとしても、地殻変動がアメリカ政治を変えていくのは不可逆であろう。いずれアメリカは、ウォール街などが主導するグローバル資本主義の拡張路線から反転し、古き良きモンロー主義の伝統に回帰する。
以下、サンダース候補のツイッターにあった画像を紹介する。革命を呼びかける以下のような左翼的主張で支持を伸ばしているということ事態、地殻変動の巨大さを物語っている。
☆サンダース上院議員のツイッターより引用
https://twitter.com/SenSanders
訳: アメリカの大企業連合の権力、ウォール街、製薬会社、企業に支配されたマスコミの力は本当に巨大だ。私たちが真にアメリカを転換し、中間層と労働者階級の死活的な要求を満たすためには、政治革命が唯一の方法である。数百万の人々が結集し、立ち上がり、「政府は、一握りの億万長者のものではない。私たちすべてのために機能するものだ」と訴えはじめたとき達成される。
どうやらアメリカ政治に地殻変動が起きている。ウォール街による露骨な政治コントロールに人々が心底嫌悪し、現状を変えたいと願っているのだ。
共和党で支持率一位のトランプ候補も、反ウォール街の主張を掲げる。ウォール街としては、左派サンダース大統領の誕生も、右派のトランプ大統領の誕生もともに悪夢以外のなにものでもないだろう。
民主党左派サンダースの公約の目玉は「ウォール街に課税し、公立大学の授業料を無償化する」である。共和党右派のトランプ候補の公約の目玉は「ヘッジファンドに課税し、アメリカの低所得者層の所得税をゼロにする」である。最左派と最右派の公約にはともにウォール街課税とTPP反対の公約が含まれ、それぞれ支持を伸ばしている。
従来、二大政党制では、大統領選の候補者の主張は、当選可能性を考えて次第に中道に(=大企業連合に媚びた政策に)接近し、大差のないものになっていくと考えられてきた。今回は、共和党の予備選も民主党の予備選も、「中道から遠く離れた」右と左の両極に政策がシフトしていっている。そちらの方が支持が集まるからだ。
そして、両極に分かれていった「右」と「左」の双方が、反ウォール街と反TPPの主張を掲げるという点で政策は接近してきている。
ウォール街も、トランプやサンダースが大統領になる悪夢を阻止しようと必死であろう。バイデン副大統領が次期大統領選への不出馬を宣言した。バイデンが立候補すればヒラリーと票を食い合ってサンダースが有利になるといわれていたので、バイデン降ろしの背後にも「彼ら」の意図があるかも知れない。しかし今回に関しては、バイデン票がすべてヒラリーに流れ込むとは限らない。バイデン票のかなりの部分はサンダースにも流れるだろう。
かりにウォール街が今回は「悪夢」を回避したとしても、地殻変動がアメリカ政治を変えていくのは不可逆であろう。いずれアメリカは、ウォール街などが主導するグローバル資本主義の拡張路線から反転し、古き良きモンロー主義の伝統に回帰する。
以下、サンダース候補のツイッターにあった画像を紹介する。革命を呼びかける以下のような左翼的主張で支持を伸ばしているということ事態、地殻変動の巨大さを物語っている。
☆サンダース上院議員のツイッターより引用
https://twitter.com/SenSanders
訳: アメリカの大企業連合の権力、ウォール街、製薬会社、企業に支配されたマスコミの力は本当に巨大だ。私たちが真にアメリカを転換し、中間層と労働者階級の死活的な要求を満たすためには、政治革命が唯一の方法である。数百万の人々が結集し、立ち上がり、「政府は、一握りの億万長者のものではない。私たちすべてのために機能するものだ」と訴えはじめたとき達成される。