長い間、まったく更新をサボって申し訳ございませんでした。
私も、長かった「フリーター研究者」生活から脱し、ようやく今年の4月から大学の専任の教員の職を得ることができました(ただし任期付き)。
最初の1年目なので、週6コマの授業を回すのがかなり大変。教科書を一から作るという感じで、年間の授業プランを作成せねばなりません。それで、ここ2ヶ月間、授業やゼミ運営準備のみに追われて毎日が過ぎ去っていきました。慣れるのに時間がかかりそうで、しばらくブログの更新は停滞しそうです。でも月に2~3回は何か書けるように努力したいと思います。
ブログをサボっているあいだに、いろいろな事がありました。
松岡利勝大臣のこと、非常に残念でした。謹んでご冥福をお祈りします。私は彼が自死を決断せざるを得なかった背景事情は何も分かりません。世間で騒がれているスキャンダルの真相も全く何も知りません。直接、松岡氏と会ったこともありません。しかし、死者にムチ打つようなマスコミ報道があまりにひどいと思うので、松岡氏のある側面を擁護する記事を書きます。
私の知る松岡大臣といえば、日本が輸入する木材の中から違法に伐採されたものを取り除こうという、違法伐採対策問題に日本で一番熱心な政治家であったという点のみです。私の知り合いのNGO関係者たちは、松岡氏とともに違法伐採対策を進めておりました。
私は、東南アジアの違法伐採対策問題に若干関与しております。違法伐採を防ぐために必要な措置を、現場レベルであれこれ考えてきました。
松岡氏は、世界最大の熱帯材輸入国である日本が、欧州に比べて全く違法伐採対策で遅れをとっていることに深く心を痛め、日本が諸外国の森林破壊に貢献しているという批判を受けることがないよう、違法伐採対策を進めて、国産材を振興しようと、それこそ骨身を削って尽力されていました。
違法伐採問題に関する関係省庁の取り組みが全く不十分だということで、松岡氏は官僚に依存せず、NGOに依頼して必要な政策に関する助言を求め、NGOの意見を最大限に採用しながら、ヨーロッパに負けない違法伐採対策を講じようと努力してきていました。
松岡氏は、NGOと官僚を同列の次元で参加させて、違法伐採対策の戦略会議を行っておりました。「NGOの諸君がこんなに頑張って政策立案をしているのに、(税金でメシを食っている)お前らは一体何をやっているんだ」と官僚を怒鳴りつけることもあったそうです。
官僚任せではなく、市民参画で政策を前に進めていた松岡氏。「守旧派」という彼のイメージとは全く違うでしょう。
もちろん日本の林野行政は緑資源公団を見れば分かるように、とてつもなく固陋で、守旧で、仲良しクラブの馴れ合い体質を持っています。日本の森林を保全するどころか、森林破壊にしかならないアホな林道に税金を湯水のごとく注ぐという愚行を繰り返してきました。林野行政は、「土建国家の植民地」といえたかも知れません。松岡氏がその林野のボスであったという側面は確かにあったのでしょう。
しかし松岡氏は、「林野一族」の仲良しクラブの馴れ合い体質を打開しようと努力していたことも事実でしょう。近年の彼が、NGOと交流を持ちながら新しい施策を模索していたということもその表れでしょう。自民党議員の中で、環境NGOをあれだけ信頼していた方は珍しいと思います。
日本のマスコミが、松岡氏の残したポジティブな政策に全くスポットを当てることなく、ひたすら死者にムチ打つようなバッシングを繰り返していることに関して、私は本当に心を痛めます。
松岡氏のご冥福を心からお祈りいたします。
私も、長かった「フリーター研究者」生活から脱し、ようやく今年の4月から大学の専任の教員の職を得ることができました(ただし任期付き)。
最初の1年目なので、週6コマの授業を回すのがかなり大変。教科書を一から作るという感じで、年間の授業プランを作成せねばなりません。それで、ここ2ヶ月間、授業やゼミ運営準備のみに追われて毎日が過ぎ去っていきました。慣れるのに時間がかかりそうで、しばらくブログの更新は停滞しそうです。でも月に2~3回は何か書けるように努力したいと思います。
ブログをサボっているあいだに、いろいろな事がありました。
松岡利勝大臣のこと、非常に残念でした。謹んでご冥福をお祈りします。私は彼が自死を決断せざるを得なかった背景事情は何も分かりません。世間で騒がれているスキャンダルの真相も全く何も知りません。直接、松岡氏と会ったこともありません。しかし、死者にムチ打つようなマスコミ報道があまりにひどいと思うので、松岡氏のある側面を擁護する記事を書きます。
私の知る松岡大臣といえば、日本が輸入する木材の中から違法に伐採されたものを取り除こうという、違法伐採対策問題に日本で一番熱心な政治家であったという点のみです。私の知り合いのNGO関係者たちは、松岡氏とともに違法伐採対策を進めておりました。
私は、東南アジアの違法伐採対策問題に若干関与しております。違法伐採を防ぐために必要な措置を、現場レベルであれこれ考えてきました。
松岡氏は、世界最大の熱帯材輸入国である日本が、欧州に比べて全く違法伐採対策で遅れをとっていることに深く心を痛め、日本が諸外国の森林破壊に貢献しているという批判を受けることがないよう、違法伐採対策を進めて、国産材を振興しようと、それこそ骨身を削って尽力されていました。
違法伐採問題に関する関係省庁の取り組みが全く不十分だということで、松岡氏は官僚に依存せず、NGOに依頼して必要な政策に関する助言を求め、NGOの意見を最大限に採用しながら、ヨーロッパに負けない違法伐採対策を講じようと努力してきていました。
松岡氏は、NGOと官僚を同列の次元で参加させて、違法伐採対策の戦略会議を行っておりました。「NGOの諸君がこんなに頑張って政策立案をしているのに、(税金でメシを食っている)お前らは一体何をやっているんだ」と官僚を怒鳴りつけることもあったそうです。
官僚任せではなく、市民参画で政策を前に進めていた松岡氏。「守旧派」という彼のイメージとは全く違うでしょう。
もちろん日本の林野行政は緑資源公団を見れば分かるように、とてつもなく固陋で、守旧で、仲良しクラブの馴れ合い体質を持っています。日本の森林を保全するどころか、森林破壊にしかならないアホな林道に税金を湯水のごとく注ぐという愚行を繰り返してきました。林野行政は、「土建国家の植民地」といえたかも知れません。松岡氏がその林野のボスであったという側面は確かにあったのでしょう。
しかし松岡氏は、「林野一族」の仲良しクラブの馴れ合い体質を打開しようと努力していたことも事実でしょう。近年の彼が、NGOと交流を持ちながら新しい施策を模索していたということもその表れでしょう。自民党議員の中で、環境NGOをあれだけ信頼していた方は珍しいと思います。
日本のマスコミが、松岡氏の残したポジティブな政策に全くスポットを当てることなく、ひたすら死者にムチ打つようなバッシングを繰り返していることに関して、私は本当に心を痛めます。
松岡氏のご冥福を心からお祈りいたします。
松岡氏の死を本当に悼むのなら、なぜ彼が、死ななければならなかったのかを、追及しなければ嘘でしょう。
あと、安倍さんが松岡農相を辞任させていればこのような惨事になっていなかったのかなとも思ったりしました。
そして、先生の書いた末尾の文、僕も同感です。本当に最近のマスコミといったら、過剰な粗探しが激しいと思うのです。これじゃプライバシーの欠片もない、ましては人をそんなに人を罵倒した文章をよくも書けるなと腹立たしい気持ちになります。非常に迷惑極まりない!
いくらマスコミ業界も利益一辺倒とは言えども....と続く言葉が見つかりません。悲しいものがありますね。
個人攻撃でガス抜きしてもまったく問題の解決にはならない。あくまで構造的問題を代替案の提示によって解決していかねばならないというのが私の立場です。松岡氏個人のパーソナリティーは、土建国家の利権構造に決してどっぷりつかっていたわけではなく、とくに近年はそこからの脱却も指向していた、個人の業績を公平にちゃんと評価してあげよう、というのが私が言いたかったことです。
巨大な闇に関しては、道路の闇、ダムの闇、農政の闇、林野の闇などいろいろとあります。今回、検察が林野の闇に踏み込んだのは、他に比べて比較的規模が小さい「闇」であり、比較的メスを入れやすかったという側面もあるかも知れません。
また談合批判に関しても注意が必要だと思います。談合がなくなれば、結局、中小の建設会社は片端からつぶれ、最終的に競争のない独占価格になって、納税者は損をするという結末になる可能性が高いからです。
談合ではない別の公正なワークシェアリングのあり方を考えていかねばならないと思います。
さて、政治資金規正法ですが又もや強行採決でした。
事務所経費を明らかにできない理由が自民党さん公明党さんにはあるのでしょうか?私は小さな会社をやってますが、決算期には計理士さんとにらめっこです。税金を払う方を明らかにさせて、使う方はいい加減というのは・・・我々はもっと怒らなきゃいけないのでは・・・年金もそうですね・・・ではまた
若輩ですが、年金問題は腹が立ちますね!
60年代は熱い学生運動もあったのですよね?この国にも?!
なのに、このシレ~ッ、と、した我々国民はなんなんでしょうか?!
骨抜き教育でもされたのですか?!
松岡大臣の知られざる一面をお知らせくださってありがとうございます。違法伐採に対する問題意識(もちろん国産材の振興が念頭にあってでしょうけど)NGOに対する信頼は、ほんとうに評価に値しますね。
>というのは・・・我々はもっと怒らなきゃいけない
>のでは・・・
おおせのとおりと存じます。税金を払う側と使う側の非対称性の問題は、日本のシステムの最大の欠陥といっても過言でないかも知れません。政府予算に納税者の意見を反映させるシステムを構築せねばならないと思います。
スティグリッツの Making Globalization Workは代替案提示型の本で、このブログと重なる部分もあり、異なる部分もありで、私もいろいろと批評したいのですが時間がなくてサボっています・・・。