前回の記事のコメント欄で、利根川上流の第四紀火山岩層を専門に研究する知人の地質学者から以下のコメントをいただきました。新しいエントリーとしてアップさせていただきます。国交省のやることの凄さ(いろいろな意味で)がよく分かります。
国交省のやることはまさに「兵は詭道なり」の孫子の兵法を地でいくものです。ウソによる攪乱、資料捏造、証拠書類の隠滅、謀略による大臣追い落とし・・・・まさにやりたい放題。正直、最近は「こりゃ勝てないわ」と悲観的になってきました。先方はまさに生き残るために必死です。しかし、同じ負けるにしても、こちらもただで負けるわけには行きません。「負けて勝つ」のも兵法でしょう。
以下に紹介する地質学者のコメントは、八ッ場ダム周辺の地質のもろさを指摘するものです。パブコメとして国交省に送ったにも関わらず、握り潰されたそうです。八ッ場ダム周辺の吾妻渓谷には、2.4万年前の浅間山大噴火によって流れ出した火山岩の堆積物(=応桑岩屑なだれ)が厚さ数十メートルにわたって堆積しています。前回の記事でも紹介した第四紀火山岩層というのは、新しい時代の火山噴火によって形成された、まだ固まっていないもろい堆積物の層のことなのです。
地質学者によれば、八ッ場ダムができダム湖に水を溜めれば、応桑岩屑なだれの堆積物が崩れだして、地すべり災害を誘発する可能性が高いのです。地すべり災害が発生すれば、洪水災害を上回る被害が発生し、さらに数千億円の追加コストが必要になります。特に八ッ場ダムの場合、ダムで災害を抑える可能性よりも、ダムが災害を誘発する可能性の方がはるかに高いのです。
国交省は費用対効果でダムを造る方が止めるよりも安いなどと主張しておりますが、もちろん地すべり災害が発生したときに必要となる追加コストなど、その分析の中に計算されてはいないわけです。
もし災害が誘発されたとき、国交省の常とう手段としては、「事前に予想できなかった災害であった」と弁明し、地すべり対策のための法外な額の追加支出を国庫からむしり取ろうとすることになります。
しかし、すでにこうして、多くの地質学者が地すべり災害の可能性を指摘しているのです。国交省としては、災害の後で追及されたときに、「事前には予想できなかった」と逃げるつもりなのでしょう。そう弁明するためにも、こうしてせっせとパブコメを握り潰し、地質学者の指摘に耳を傾けず、さらに国交省に取り込まれたマスコミは地すべり災害の危険性を報道しようとしないわけです。
皆様、どうか以下の指摘を心に留めておいてください。ダム湖に水を貯めて地すべりが発生したら、その時はただではすまさないぞ・・・・・と。
***以下、地質学者のコメントの引用****
国交省河川局に握りつぶされたパブリックコメント(八ッ場ダムを含む) (拓大の地形・地質屋さん)
2011-02-24 11:08:34
私事でこの場をお借りすることをご容赦ください。
以下は、私が提出したパブリックコメントです。当初は、そんな物は届いていないと言われ、厳重抗議をしました。それでも調べようとしないので、議員の名前と報道機関に通報することを伝えると慌てて調べると言われました。後日、電話があり、「締め切りに届いていなかった。締め切り後に届いたため、取り扱わない保管箱から見つかった。」と再び偽りを言われました。河川局に葬り去られたものです。
全国の報道機関の皆様、この問題に関心のある皆様、河川局は、過去に決定した八ッ場ダム計画については政権が変わろうともつくり続ける為なら何でもする組織です。
馬淵前大臣が基本高水の問題点を整理するよう指示しましたが、これもブログに書かれているとおり風前の灯です。尖閣問題を口実に問責決議を出して辞任に追い込み、国会でダム推進の質問をした党の「古参議員らと既得権益を守ろうとする人たち」のやり方です。
国交省のダム工事事務所が、今月に入って川原湯温泉協会に今まで支払っていた区費が支払えなくなったと通告し、その理由が「政権交代のためだ」と伝えるなど、政権の弱体化を見越して人心を離れさせるための、事務方の嫌がらせとわかる酷い行動も見受けられます。もし、この口述が本当なら、去年はなぜ支払ったのでしょうか?
大畠大臣の視察も、川原湯温泉街の住民と顔だけでも合わせたい考えや思いを無視して、都合のいい完成工事現場だけを視察をさせてから、また同じ知事らとの会合をセットしたのでしょうか。ダム推進を考えている河川局・既得権益にしがみつく人たちの仕業でしょう。
皆さんが考えている以上に、既得権益の壁は厚く巧妙な手口で妨害が日常的に行われていることを、報道機関の方、ジャーナリストの方々に知っていただきたいものです。
● 国交省河川局が握りつぶし、有識者会議の目にも触れられず、12月の一般公開でも扱われなかったコメントです。ご一読ください。●
【8月14日午前引受、その際に郵便局にて15日ひ必着を再確認してからレターパックにて投函、同日14日午後銀座支店に到着確認済】
●国交省河川局河川計画課によれば、締め切りの8月15日(日曜日)休日の場合、文書課の決まりで、翌16日(月曜日)午前中に届いたものまでは、前の週末に届いた扱いにしているそうです。●
今後の治水のあり方について 中間取りまとめ案に関する意見書
個別ダムの検証のありかたについて(参考資料1~3)
河川の流量問題中心だけの議論では、真の治水・利水対策にはなりえません。
A 個別ダム建設地の地質評価は、過去においても「作ることが大前提で評価されたもの」が中心であったことは、仕事の経験からわかっております。私自身、電力会社や建設会社から受注を受けた系列の地質コンサルタントで調査報告に参加しましたが、建設後の危険性のリスクが高い可能性を示唆するデータがでたことを報告すると、発注者側から作るための報告書への書き直しを命じられ、このまま報告をあげると、今後仕事は回さないという圧力を受けた経験が何度もありました。まず、情報の透明性・客観性・公平性の確保が不十分であったことを改善すべきです。
B 各河川流域で河床の上昇をもたらす土砂供給の観点と評価が欠落していますので、全国のダムの評価では、地域地質(とりわけ気候変動・環境変動に詳しい第四紀地質や地質災害)に詳しい研究者の参加を義務付けてください。
C 国が整備した国土基本図などが災害リスクの公表を含めて、全国の行政でも全く生かされてこなかった事実は重く受け止めるべきです
火山・第四紀の地形地質研究者の立場から実施した「八ッ場ダム」の検証結果から見えてきたもの
D このダムも前記事項に示したとおり、地質条件の評価が180度異なる結果が出ています(別添資料・③および④発表要旨参照)。同時に、建設工事中に出現した問題点の評価を含め工事現場の管理にも多くの問題を抱えていることを速やかに公表することが大切です。
E ダム建設には適さない地盤条件にあること、ダム上流に日本でも有数の活動的火山を2つも持つこと、火山体の大規模崩壊の堆積物の存在が、当初の目的である治水利水に大きく影響するだけ出なく、協力された住民の移転先の安全性確保も不十分であることを含めて、下流域の住民の皆さんへの洪水や土砂災害リスクを高めてしまう可能性があることなどを明らかにすべきではないでしょうか。
F 日本列島の脊梁部には数多くの火山がありますが、今回の浅間火山の事例検証調査でわかったことは、火山の大規模崩壊が流域に大きな影響を与えている事実と、このような堆積物が分布する領域では、ダムを作ることが逆に洪水や土砂災害リスクを高めてしまう可能性が高いという視点で、個別のダムについて評価していただきたい。
洪水対策=ダム建設が主軸とする考え方は、自然はコントロールできるというスタンスにほかなりません。洪水が起きることを前提として、これを軽減する立場で議論と政策の立案を進めてください。地震に対する免震と同じです。評価においてダムに重点を置きすぎないことが大前提です。流域全体で応分の負担をすることです。具体例は、参考資料に出ていたものをフル活用することですが地道で長期的ですが森林整備のウェートを高くすることが雇用とコストの面で重要と思います。
八斗島の基本水位に関するものとして、河床上昇をもたらす土砂供給源と時代の変遷を表した図(① p361、②p508)と編年表(① p357、②p513)などをまとめた自著の論文を参考に添付しておきます。詳細については、別の機会が設けられればお答えいたします。
文献・資料類は省略
国交省のやることはまさに「兵は詭道なり」の孫子の兵法を地でいくものです。ウソによる攪乱、資料捏造、証拠書類の隠滅、謀略による大臣追い落とし・・・・まさにやりたい放題。正直、最近は「こりゃ勝てないわ」と悲観的になってきました。先方はまさに生き残るために必死です。しかし、同じ負けるにしても、こちらもただで負けるわけには行きません。「負けて勝つ」のも兵法でしょう。
以下に紹介する地質学者のコメントは、八ッ場ダム周辺の地質のもろさを指摘するものです。パブコメとして国交省に送ったにも関わらず、握り潰されたそうです。八ッ場ダム周辺の吾妻渓谷には、2.4万年前の浅間山大噴火によって流れ出した火山岩の堆積物(=応桑岩屑なだれ)が厚さ数十メートルにわたって堆積しています。前回の記事でも紹介した第四紀火山岩層というのは、新しい時代の火山噴火によって形成された、まだ固まっていないもろい堆積物の層のことなのです。
地質学者によれば、八ッ場ダムができダム湖に水を溜めれば、応桑岩屑なだれの堆積物が崩れだして、地すべり災害を誘発する可能性が高いのです。地すべり災害が発生すれば、洪水災害を上回る被害が発生し、さらに数千億円の追加コストが必要になります。特に八ッ場ダムの場合、ダムで災害を抑える可能性よりも、ダムが災害を誘発する可能性の方がはるかに高いのです。
国交省は費用対効果でダムを造る方が止めるよりも安いなどと主張しておりますが、もちろん地すべり災害が発生したときに必要となる追加コストなど、その分析の中に計算されてはいないわけです。
もし災害が誘発されたとき、国交省の常とう手段としては、「事前に予想できなかった災害であった」と弁明し、地すべり対策のための法外な額の追加支出を国庫からむしり取ろうとすることになります。
しかし、すでにこうして、多くの地質学者が地すべり災害の可能性を指摘しているのです。国交省としては、災害の後で追及されたときに、「事前には予想できなかった」と逃げるつもりなのでしょう。そう弁明するためにも、こうしてせっせとパブコメを握り潰し、地質学者の指摘に耳を傾けず、さらに国交省に取り込まれたマスコミは地すべり災害の危険性を報道しようとしないわけです。
皆様、どうか以下の指摘を心に留めておいてください。ダム湖に水を貯めて地すべりが発生したら、その時はただではすまさないぞ・・・・・と。
***以下、地質学者のコメントの引用****
国交省河川局に握りつぶされたパブリックコメント(八ッ場ダムを含む) (拓大の地形・地質屋さん)
2011-02-24 11:08:34
私事でこの場をお借りすることをご容赦ください。
以下は、私が提出したパブリックコメントです。当初は、そんな物は届いていないと言われ、厳重抗議をしました。それでも調べようとしないので、議員の名前と報道機関に通報することを伝えると慌てて調べると言われました。後日、電話があり、「締め切りに届いていなかった。締め切り後に届いたため、取り扱わない保管箱から見つかった。」と再び偽りを言われました。河川局に葬り去られたものです。
全国の報道機関の皆様、この問題に関心のある皆様、河川局は、過去に決定した八ッ場ダム計画については政権が変わろうともつくり続ける為なら何でもする組織です。
馬淵前大臣が基本高水の問題点を整理するよう指示しましたが、これもブログに書かれているとおり風前の灯です。尖閣問題を口実に問責決議を出して辞任に追い込み、国会でダム推進の質問をした党の「古参議員らと既得権益を守ろうとする人たち」のやり方です。
国交省のダム工事事務所が、今月に入って川原湯温泉協会に今まで支払っていた区費が支払えなくなったと通告し、その理由が「政権交代のためだ」と伝えるなど、政権の弱体化を見越して人心を離れさせるための、事務方の嫌がらせとわかる酷い行動も見受けられます。もし、この口述が本当なら、去年はなぜ支払ったのでしょうか?
大畠大臣の視察も、川原湯温泉街の住民と顔だけでも合わせたい考えや思いを無視して、都合のいい完成工事現場だけを視察をさせてから、また同じ知事らとの会合をセットしたのでしょうか。ダム推進を考えている河川局・既得権益にしがみつく人たちの仕業でしょう。
皆さんが考えている以上に、既得権益の壁は厚く巧妙な手口で妨害が日常的に行われていることを、報道機関の方、ジャーナリストの方々に知っていただきたいものです。
● 国交省河川局が握りつぶし、有識者会議の目にも触れられず、12月の一般公開でも扱われなかったコメントです。ご一読ください。●
【8月14日午前引受、その際に郵便局にて15日ひ必着を再確認してからレターパックにて投函、同日14日午後銀座支店に到着確認済】
●国交省河川局河川計画課によれば、締め切りの8月15日(日曜日)休日の場合、文書課の決まりで、翌16日(月曜日)午前中に届いたものまでは、前の週末に届いた扱いにしているそうです。●
今後の治水のあり方について 中間取りまとめ案に関する意見書
個別ダムの検証のありかたについて(参考資料1~3)
河川の流量問題中心だけの議論では、真の治水・利水対策にはなりえません。
A 個別ダム建設地の地質評価は、過去においても「作ることが大前提で評価されたもの」が中心であったことは、仕事の経験からわかっております。私自身、電力会社や建設会社から受注を受けた系列の地質コンサルタントで調査報告に参加しましたが、建設後の危険性のリスクが高い可能性を示唆するデータがでたことを報告すると、発注者側から作るための報告書への書き直しを命じられ、このまま報告をあげると、今後仕事は回さないという圧力を受けた経験が何度もありました。まず、情報の透明性・客観性・公平性の確保が不十分であったことを改善すべきです。
B 各河川流域で河床の上昇をもたらす土砂供給の観点と評価が欠落していますので、全国のダムの評価では、地域地質(とりわけ気候変動・環境変動に詳しい第四紀地質や地質災害)に詳しい研究者の参加を義務付けてください。
C 国が整備した国土基本図などが災害リスクの公表を含めて、全国の行政でも全く生かされてこなかった事実は重く受け止めるべきです
火山・第四紀の地形地質研究者の立場から実施した「八ッ場ダム」の検証結果から見えてきたもの
D このダムも前記事項に示したとおり、地質条件の評価が180度異なる結果が出ています(別添資料・③および④発表要旨参照)。同時に、建設工事中に出現した問題点の評価を含め工事現場の管理にも多くの問題を抱えていることを速やかに公表することが大切です。
E ダム建設には適さない地盤条件にあること、ダム上流に日本でも有数の活動的火山を2つも持つこと、火山体の大規模崩壊の堆積物の存在が、当初の目的である治水利水に大きく影響するだけ出なく、協力された住民の移転先の安全性確保も不十分であることを含めて、下流域の住民の皆さんへの洪水や土砂災害リスクを高めてしまう可能性があることなどを明らかにすべきではないでしょうか。
F 日本列島の脊梁部には数多くの火山がありますが、今回の浅間火山の事例検証調査でわかったことは、火山の大規模崩壊が流域に大きな影響を与えている事実と、このような堆積物が分布する領域では、ダムを作ることが逆に洪水や土砂災害リスクを高めてしまう可能性が高いという視点で、個別のダムについて評価していただきたい。
洪水対策=ダム建設が主軸とする考え方は、自然はコントロールできるというスタンスにほかなりません。洪水が起きることを前提として、これを軽減する立場で議論と政策の立案を進めてください。地震に対する免震と同じです。評価においてダムに重点を置きすぎないことが大前提です。流域全体で応分の負担をすることです。具体例は、参考資料に出ていたものをフル活用することですが地道で長期的ですが森林整備のウェートを高くすることが雇用とコストの面で重要と思います。
八斗島の基本水位に関するものとして、河床上昇をもたらす土砂供給源と時代の変遷を表した図(① p361、②p508)と編年表(① p357、②p513)などをまとめた自著の論文を参考に添付しておきます。詳細については、別の機会が設けられればお答えいたします。
文献・資料類は省略
基本高水のカラクリをもう一度、参照することが大事と思います。見解の相違でしょうか?
それとも・・
この方は、昨年3月に議会で自民党の参考人として出席され、基本高水のことについてお話されていた方です。きっと数字のカラクリも、国交省職員が鉛筆を舐めたことも、証言からご存知になったわけですから、舐めたと推察できる中心メンバーをご指名いただき、その方たちを参考人として国会で証言いただけるとありがたいものです。田中さんのYu-tubu 質疑は秀
逸です↓。しかし、地質と地盤運動については??
http://www.nippon-dream.com/?page_id=1247
議事録の方では、1万年に1回の大洪水にも対応とは(大暴投?)
http://www.pref.gunma.jp/gikai/z1111031.html群馬県議会でも参考人としてお話されています。
http://www.jsde.jp/kassei/kassei_20wdn-program.pdf
すごくマニアなプログラムです
http://committees.jsce.or.jp/kikaku/system/files/data+of+talk26.pdf
私から見ると地盤沈下と関東造盆地運動は、地下水の利用し過ぎでごく最近起きたかのように混乱して捉えている点が「?????」でした。
一番最後のページは、皆さんにとって、刺激的文言がずらりと・・
「逆の切れ味がすごくて」たえられません。
こちらの方は、内閣府の中央防災会議のメンバーに参加された方です
http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/kyoukun/rep/1947-kathleenTYPHOON/index.html
NHK「首都水没」を監修し、現在は、中止になったスーパー堤防見直しの座長もやられています。きっと政権後退・交代?があれば、すかさず復活のための布石も打たれることでしょう。この方なら、基本高水のカラクリも全て熟知していることでしょう。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/feature/maebashi1256135252318_02/news/20091105-OYT8T00089.htm
読売新聞インタビュー
http://www.pref.gunma.jp/gikai/z1111028.html群馬県議会
(結論)
ご両人に、聞けば基本高水のカラクリと国交省職員の鉛筆舐めの詳しい実態を調べる方法も内容もご存知かと思いますが・・
お二人とも専門外の方ですから、ダム建設予定地の吾妻川流域の地質と地盤や河床変動をもたらしている浅間火山・草津白根火山、赤城火山・榛名火山の地質と活動はご存じない方だということがよくわかりました。
一部に聞くに堪えない、読むに絶えられない部分もございますが、冷静に拝読させていただきました。