三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

朽ちてなお、・・その2

2005年12月01日 06時50分45秒 | Weblog

きのう取り上げた廃屋の写真は、
けっこう勇気を持って掲載したものです。
なんか、あまりにも個人的な部分での一種の「偏り」なので
どういう反響が帰ってくるのか、こないのか
不安を持っていたんです。
ところが、yahooの方からは、多くのコメントや投稿をいただきました。
写真としては、きちんとした撮影をしたものなので
構図や光線の調整、など一般的な住宅写真撮影の基本に
乗っ取って、撮影したもの。
とはいえ、テーマがちょっと、受け入れられるのかどうか
未知数だったので、こちらもびっくりした次第です。
それで、調子に乗って、この家の内部写真を掲載します。

きょうの写真は、たぶん居間として使われていた2階建て部分の
1階で、大きな窓の方向を捉えたものです。
構造は、真壁木造ですね。当然ですね、日本の建築の常識をもった
建築のプロたちは、この地でも当然のように伝統スタイルの構造で建てた。
あ、真壁って言うのは構造の柱や梁がそのまま外部にも現れているものです。
まぁ、洋風のデザインを取り入れるなど、
表層では北海道開拓地の、牧歌的なイメージの意識は、した。

しかし、冬場は零下30度という強烈な寒波が襲うこの地では
容赦ない、自然条件からの建物劣化が急速に進むし、
それ以前に、住むことの継続性が維持しにくい。
寒くて、住んでいられない。
この無防備な大開口で、夏の生活は楽しいかも知れないが
冬の猛吹雪、大寒波に立ち向かうのは
当時の住宅性能レベル、というか伝統様式では、不可能だった。
そういうものの一切が伝わってきます。

こうした建物が、まったく通用しないのだ、というところから
北海道の、日本の現代住宅性能技術は、始まったともいえるでしょう。
コメント
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