イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

ピア“ニッシュ”モ

2009-12-26 20:22:45 | 国際・政治

昨日の記事に若干の補足を加えると、鳩山総理が野党時代に「議員秘書の金銭処理不始末は議員の責任、議員職辞すべし」という意味のことを言ったのに、自分の秘書が起訴されるとなると「知らなかったことで、私腹を肥やすためじゃないから」と辞職を否定したのは手前勝手だ、(当節流行りの)ブレだ、怪しからんみたいな話になっていますが、これに関しては鳩山さんを責めるにはあたらないと思いますね。

だって、野党ならどうとも言えるもの。実際、政権交代だ交代だ、政権寄越せと大騒ぎして、めでたく政権政党になって、しかも総理になって、目の前に予算だ税調だ控えてるときに「秘書が金銭処理しくじりました辞めます」じゃ、そのほうがよほど無責任この上ない。同じバッジつけた国会議員でも、ヒラと大臣、野党と政権与党とでは、見えている風景が、同じ山の頂上から、南を見てるのと北を見てるのぐらい違うと思うのです。

たとえば壁に穴があって、そこから一本の綱がぶら下がっている。握って同じ方向に、同じ力で引っ張ったとしても、野党議員が引っ張ったのと政権政党の大臣が引っ張ったのでは、鳴る音が違う。野党なら鈴が鳴る程度でしょうが、政権政党なら銃砲隊の一斉砲射ぐらい轟く。

鳩山さんは、今般の件について本当に自分があずかり知らず自ら咎めるところが皆無の自信があるなら、野党時代の発言を逆手に取られる言われはありません。気にしないでしっかり、いま目の前の総理の仕事に専念すべし。マスコミがどう言おうが書こうが、見る国民はちゃんと見ています。辞めるならいつでもできる(“潮時”ってのはある)けど、優先してやってもらわなければならないことが山とあるのですから。

さて、この週末にクリス…じゃなくてクライマックスを迎えたXmasの奇蹟』、サウンドトラックCDの買い時かなと思いCD店に寄って見たところ、未入荷。先月18日リリースですから、売り切れたかな。

旧盤売場のほうに足を向けると、邦画サウンドトラックの棚で同じコーニッシュさんの『花衣夢衣』のサントラを見つけました。昨年46月のドラマ放送時は、ドラマそのものがいまいち、いま二、いま三ぐらいの出来だったこともあって、音楽も「和風喫茶のBGMみたい」と思えてしまい、購入までする気にはなれなかったのですが、先般、各曲45秒ずつ試聴できるサイトにアクセスしてみたら、ドラマのいまいちさの記憶が遠のいているせいか、結構、惹きつけられたんですよ。旧盤ながらジャケも綺麗だったので即決。

昼帯ドラマ向きの、心地よい重さと、手ごろな湿気の含み方がコーニッシュさんの魅力だと思い、←←←左柱のオールタイムベストにも『愛の迷宮』を載せているのですが、『花衣~』に関しては、ちょっと薄かったかなというのが一聴した感想。より正確に言えば、薄いと言うより、“譲った”と言うのが近いか。

何を、何に譲ったかというと、持ち前の“湿り気”のスペースを空けて、“和”を容れた。

ですから、アイリッシュかスコティッシュか、エミリ・ブロンテ『嵐が丘』の世界をも思い出させる『愛の迷宮』に比べると、あっさり風味かもしれません。この作品は和楽器ユニットRin`とのダブルクレジットになっていることもあり、コーニッシュさん、“和”の音色を前に出すことを優先して、若干個性のツノをおさめた。

和風喫茶のBGMみたいに聞こえたのは、劇中のことさらな切なさ・悲傷さ強調な使われ方のせいだけだったようで、シュールレアリズム絵画を想起させるタイトル『燃える麒麟』『これはリンゴではない』『晩鐘に基づく、屈辱のコンポジション』などは昼帯劇伴の域を超えた底力を感じる佳曲です。

昼帯の音楽から贔屓になった岩本正樹さん、寺嶋民哉さん、岩代太郎さんらと一線を画するコーニッシュさんの曲の魅力は、“苦さを怖れない”ところだと思う。昼帯というととにかくドロドロ、ジェットコースターの世界ですから、劇伴の役割としてはどうしても甘美さや、センチメンタル、スムージーな“耳触感”のよさが重視されがちです。コーニッシュさんは結構、トゲトゲを秘めていて、辛口なんですよね。これがいい。

しかも、『愛の迷宮』以来毎作思うのですが、いつも、ぎちぎちに作っていない。空気感がある。風通しがいい。だからいろんなものを容れ、また送り出し、再び容れ…と、出し入れが自在。『愛讐のロメラ』では、スパニッシュな情熱、イベリア半島的土俗感を出し入れしました。

現行放送中、来週前半に結末を控えている『Xmasの奇蹟』も、ピアニストとピアノのお話だからそれなりに…と思いきや、ピアノピアノしてない曲もかなり劇中流れました。この寛容さこそコーニッシュさんの真骨頂。財政上の問題で購入は放送終了後になりそうですけど、マストですな。

もう一度出ないかな、定額給付金。……政権交代したんだった。

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orz …泡、いい!散ろう!

2009-12-16 15:28:54 | 国際・政治

選挙にあまり勝ち過ぎるのも良し悪しですね。この1ヶ月ほど特に、鳩山政権が政権として何ができるか、何をどうするかではなく、“小沢一郎さんの本性露呈鑑賞フェア”になっていますな。

本当に、こんなにわかりやすく“圧倒的多数を率いて、数的優位をかさに着てブイブイ言わせる”ことが好きで好きでたまらない、そのことを隠そうともしない人は珍しいと思う。国会議員140人を含む600人超の大人数で、ジャンボ機数機に分乗して北京入り、なんて騒がれていますが、“軍団”風大集団のハタガシラに立って「オレに付き従って、オレをあがめたてまつってる人間がこんだけいるんだぜぃ」と見せつけるのが至上の喜びで、一生、毎日でもやっていたい人なのでしょう。“小沢ガールズ”なんて冷笑気味に言われていますが、ガールズとかボーイズとか、どうせなら若いほうがいいとか、若くても男のイケメンは目障りだから近くにおかず後ろの方にするとか、そういうことはあんまり考えていなさそう。あくまでアタマカズどれだけ人の壁作れるか、遠くからでも黒山に見えるか、自分がしっかり中心人物に見えるかが命。

小沢さんにしてみれば、この数的圧勝、自民党にいたときから長年待ちに待った、夢にまで見た至福の状況です。毎日有頂天、楽しくて楽しくて仕方がない。「生きててよかった」。そりゃ皇室の政治利用のひとつもやってみたくなりましょうて。

神輿にかついでる、一応党首で一応総理の鳩山由紀夫さんが、「米軍駐留はさせないで、国の外に退去していただいて、なんかあったらこっちから呼んで、飛んできて防衛してもらう」なんて夢物語を公言してはばからない、妖精みたいな人なので、ますます小沢さん、安心して強腰ゴリゴリでいられる。

こういう人って、政治家に限ったことではなく普通一般人の、ご近所町内会、職場にも普通にいます。友達が多い、知り合いが多い、味方が大勢いる、居酒屋やレストラン、ショップに行っても店長店員、常連客がこぞって自分に挨拶し一目置いてくれていることを手柄にしている人。年賀状暑中見舞い、何百枚来た何百枚出すを得々と吹聴する人。検査の入院でもしたら、見舞い客の途絶える時間が5分でもあると落ち着かない人。自分の葬儀には地元でいちばん大きな会場の大きな部屋を確保しておかなければと腐心する人。

しかし民主主義社会においては、やはりいちばん政治家が“任”でしょう。民主主義は多数決、数持ってる者の勝ち。数を束ねる、数を率いることを何より得意とし誇りに思える人にとって、民主国家の政治家以上に向いてる職業はないと思う。

日本は、現存の日本人中、日本一政治家の資質にこってり恵まれた人を、総理ではないけれども総理より力のある、えーと、なんだ…そう、つまり裏の大番長に迎えたのです。こりゃあ良くなるぞ日本。ウナギのぼり青天井。楽しみだねえ。小沢さんで良くならないなら、もうどの日本人を政治トップに持って来ても望み薄でしょう。

ひるがえって、話はミクロになるけど、“数”の話になると、月河はからきしダメだったなあ。社会人一年生、新入社員のときは、叱られたりドヤされたりセクハラされたりしながらも、どうにか泳いでこられましたが、2年めになると「新人をつけるから、アシスタントとして使いながら仕事を教えてやるべし」と言われる。こうなるともうやりにくくてしょうがない。人を使いながら教え、指示を出し、時に駄目出し時に褒め、評価してやり、次の目標を与えまた駄目出し褒めて評価し…という能力が、月河はつくづくありませんでした。

使って教えて指示して評価してやらなければならない部下が増えれば増えるほど行き詰まり、結局、1人だったアシが3人のスタッフになり、5人の部下になり、6人めが増えそうだ…となったところが月河の会社人間としてのエンドになりました。その先も別の業種や勤め先を経験しましたが、部下を率いなければならない職種は一度もなし。おかげで、諸般の都合でやむなく退職、辞職という事態になっても、「お願いだから辞めないで」「淋しくなります」「アナタが必要なんです」なんて言ってくれる子分も手下も配下もシンパも、どこにもひとりもいたためしなし。

比較するのも失礼だけど、小沢さんとは正反対に、“アタマカズ背負ってる、自分の後ろに大勢いる”という状態がわずらわしいんですね。ひとりじゃできない大きな仕事をやってみたいなんてさらさら思わない。自分以外の誰かの分まで責任負うのがとことんヤだというチキン卑怯者。

かと言って、“勝ち馬に乗れ”“寄らば大樹”ともあまり思わないんだな。だから多数決取るような場面で、多数派に入ることも滅多にありません。「世の中どこへ行っても、自分と同じ意見や所感じゃない人のほうが多い」「自分がおもしろい、美味しい、カッコいい、綺麗だと思うもの、世間一般はそう思ってない」が当たり前だと思って、この何十年生きています。

小沢さんがわかりやすく肩で風切っているからそう思うのかもしれないけれど、ここのところの日本人、“勝ち馬にしか乗らない”、なんなら“勝たない馬に乗るくらいなら歩き死ぬ”傾向がいや増しになってはいないでしょうか。小泉劇場のときも、今般の政権交代選挙も片や圧勝、片や惨敗。TV番組も、何てことない格闘技が50%超えるような視聴率取ったかと思うと、取れないドラマはどんなに力作、良作でも、回を追うごとに数字を落とし簡単にひとケタ落ちするようになりました。

「少数意見も尊重する」本当の意味での、大人な民主主義は日本に向かないのかもしれない。一郎小沢功成って万骨枯る、国破れて、破綻して、民滅んで、山河ならぬ小沢だけ在り、みたいにならなければ良いですが。どう見ても、ガチンコ差し勝負の“日本”対“小沢”なら、小沢のほうが勝ち目ありそうなんだな。中国味方につける気満々だし。小沢くん得意の“アタマカズ”なら中国だし。

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要らないゾヨ

2009-02-13 20:29:25 | 国際・政治

久しぶりにTVニュースで、発言字幕入りで顔を見たと思ったら、怒ってましたなあ、小泉純一郎さん。

 彼にしてみれば“郵政民営分社化”は政界入り浅い頃からの“初恋の相手”で、一か八かの解散総選挙で見事民心我にありと鼻高々の退陣「後は頼むよ」だったのに、その後を受けた連中が腰が落ち着かないことおびただしく、せっかく自分の代で獲得してやった衆議院圧倒的多数を全然政策実践の味方にできず、次から次へと顔が替わる上に、「本当は民営分社化、しないほうがよかったんじゃね?」みたいなことを、言われるに事欠いて現職の自党総理総裁たる麻生太郎さんに言われたら、自分の政治人生全否定されたような気にもなるでしょう。

ただ小泉くんの場合、怒ってもあの様な、のっぺ……りではなくてその、フラットで低血圧そうな、ガッツが表出しにくいお顔立ちをされているので、彼の当該発言後に料亭会談から出てきて「小泉さんの発言どんなもんでしょ?」「麻生さんじゃ選挙戦えない、とも取れるけど?」みたいな質問された森喜朗さんのほうが怒り方がわかりやすかったですね。「聞いてない!」「退け!」「うるさい!」ってほとんど逮捕直前の汚職か脱税の容疑者みたい。

やっぱり“怒りパフォ”が似合う人と似合わない人がいるものですね。森さんの恰幅のいい、壁的な体型とか、バカそ………うというのでは、まったくなくて、その、何だ、ホラ、隙ありありツッコみカモンな佇まいから、月河としてはガイアーク総裏大臣ヨゴシマクリタイン様を思い出さずにいられませんでした。

しかしまぁ、いまとなっては短い全盛期だったシマクリ様、1月最終週からのラスト3話では「正義カイサン!」「必殺、定額給付弾!」「強行採決!」「汚しマニフェスト!」と、観てるこっちが「20年前のDAIGOくん、45年前の安倍晋三さんみたいな境遇の、小さなお友達が見てたら心痛むかも…」と心配になる永田町ネタ満載で攻めてました。

特撮の場合、撮影から完パケまで時間がかかるので、たぶん実際の脚本脱稿とアフレコ終了は昨年暮れ押し詰まるずっと前に終了していたと思われ、スタッフ内では「コレ、放送される頃には雲散霧消してるか、少なくとも意味するイメージが変わってるのでは」と危惧する向きもあったのではないかと思うのですが、最終的に「いいや、“GO ON”だし行っちゃえ、出しちゃえ」ってんでオンエアしたら、意外やリアル世界ではカイサンも定額給付も“まっさら”のまんまだった、という大爆笑、大苦笑。

昨年秋の段階では、麻生さんが総理になれば多少バラマキに戻るかもしれないけど、とりあえず一時的にでも景気が上向いて、国民がそれぞれに恩典を実感したところで間髪を入れず解散総選挙すれば自民党大負けしないだろうという読みが大方にあったわけですが、手を打つ前にアメリカ発の大不況に呑み込まれてしまい、いまとなっては麻生さんを選出したことが果たして良かったのかどうか、誰もしかと返答できませんね。

解散総選挙したところで、いまや“選挙で選ばれる政治家、選ばれたい政治家候補者”と、“選ぶ選挙民”とは利害が一致しなくなっているから、選挙の結果が民意を必ずしも反映しない。

かつて、日本が敗戦直後の低い出発点から高度急カーブ右肩上がり経済成長を謳歌していた頃は、政治家&政治家予備軍と選挙民の利害は蜜月のように一致していた。地元に駅や高速道路や大工場を誘致してくれ、業界に恩典ある政策を打ち出してくれる代議士のおかげで、地元は人口が増え税収が増え、企業は好況に潤い給料ボーナスも上がり、「ウチの先生が大臣になった」「次は総理だ」とそれぞれの支持母体である選挙区や職域団体皆が万歳三唱した、幸せな時代も確実にあった。

しかしいまは、政治家が既得権を守ろうとすれば国民に痛みを強いるし、国民がいくらかでもラクになろうとすれば政治家たちに痛んで(定数削減、歳費カット)泣いてもらわなければいけない。“治める者も治められる者たちも皆でいまより幸せになる”ことは不可能な時代になったのです。

“自分以外の大勢をいまより少し不幸でなくするために、自分が進んで幸せを投げ出すことをよしとする”人こそが政治家になってくれなければならないのですが、そんな人は絶対に立候補しません。しないほうが自分の人生にとっても、愛する家族にとっても得策だもの。

“政治”と“国民”は、すでに利害が対立する。“国民ひとりひとりの平等な清き一票で成る民主主義”は制度疲労をきたし有名無実状態に陥ってしまったのです。

こんな根本的危機が見えている中で、郵政民営化見直す見直さない、定額給付金議決通す通さないでいまだ足踏み、なんらの前進も提示できないでいる政界は、少なくともガイアーク以下であることは間違いないでしょう。

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イノさん男だねェ

2009-01-09 21:17:53 | 国際・政治

えー、13日の記事で、『相棒 元日SP ~ノアの方舟~』の記者会見シーンに触れたくだりで“細田”官房長官と書いたのは、もちろん“河村”官房長官の誤りでした。訂正してヒラにお詫び申し上げます。『美しい罠』の小谷教授役ほかでおなじみ(役名とともにクレジットされることが少ないけれど)窪園純一さんとの顔面系統の相似を考えたとき、念頭にあったのは河村さんのお顔のほうなんですが、小泉内閣から安倍内閣まで、結構在任期間が長かったイメージで、つい手が“細田”さんと書いてしまいました。

大差ないでしょう…なんて言ったら無礼に輪をかけるな。感情の起伏や気分の上昇下降、つまりは人間らしさが顔に出ちゃいけない“冷血鉄面皮でナンボ”な立場だけに、このポストに就いたことで人気沸騰したって人はあまりいないでしょうね。でも、誰かがやらなきゃいけない。総理大臣も何大臣も一緒ですが。

『サギ師リリ子』は第5話、インチキ欲深ホスト誠くんと、セクハラ社長は「まとまったおカネが手にはいる方法がある」ってんでとうとうマグロ漁船に乗せられちゃいましたよ。トラヒゲみたいな片アイパッチの船長、しかも船体の船名モザイク(絶対海賊船だろコレ)。

リリ子「細工はリュウリュウ、仕上げをとくとゴロージろ」なんて漫画的に芝居がかったセリフは、表情にどこかウェットな泣きのある雛形あきこさんに合わないんじゃないかと思っていましたが、その絵空事感、嵌まりきってない感がまた味。“みずからの天賦の才能(=ウソつき)を利用するつもりも、半ば翻弄されている”という哀愁があるんです。

『非婚同盟』の猪士郎役・風間トオルさんにも似たようなことが言える。油紙に火つけたみたいな勢いでまくしたてる手前勝手な尊大ヘリクツガッハッハ台詞が、棒読み寸前、『新春スターかくし芸大会』みたい。昔は、真正面からジャニーズなどのアイドルフィーチャーな、コメディタッチのドラマがレギュラー枠にほとんどなかったので、こういうのは正月の歌謡バラエティの1コーナーぐらいでしかお目にかかれなかった。二の線歌手や美少女アイドルの“言わされてる感”に、逆になんとも有り難味があったのです。

いかにも昭和社長な脂っこいオヤジ俳優さんでなく、いまだ元祖・醤油顔の面影をとどめる風間さんが“一生懸命練習しました”感ありありでで喋っているからこそ、ついつい画面に惹きつけられて耳をそばだててしまう。オファーを受けた風間さんも勇気あるけど、序盤ですべてのタネを蒔く張本人・猪士郎役のこのキャスティング、技ありですぞ。

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もうずっと人大杉

2008-10-03 20:19:53 | 国際・政治

TVの国会中継を細切れにでも見ていると、演説や質疑応答の内容に耳が向くより、真っ先に思うのは「国会議員多すぎ」

民主主義政治は代議制で支えられていることはわかるけど、こんだけの人数が全員、本当に民意を国政に反映させるべく仕事をしているのだろうかと、素朴に疑問に思ってしまいます。あのうすらボケた顔、あそこの目つきの悪いヤツ、その下の脂ぎった酒癖悪そうな顔、その隣の厚化粧のセンスが古くさいおばちゃん、どいつもこいつも善意の国民が期待をこめて投じた一票の積み重ねでこの席に座っているはず。だったらとっくに、もっと大勢の国民がまずまずは満足する政治になってるはずなんだが。

昨日に続き今日は別の人が質問台に立ってるな、議席のレイアウトもちょっと違う?と思ったら、日本には参議院っちゅうものもあったのでした。うんざり。誰が作ったんだ。要らないだろうそんな人数。

先日、非高齢家族が新聞で見つけて、全員でちょっとびっくりしたニュースは、927日に終了した『瞳』の平均視聴率が歴代朝ドラのワースト更新だったという話題。

高齢組なんかは「瞳ちゃん(榮倉奈々さん)可愛いしさっぱりしたいい子だったし、飽きないペースで問題が起きてはさくさく解決して快適だった」「西田敏行(=勝太郎さん役)の長髪とバンダナが汚らしくてヘンに若作りで気持ちが悪かったけど、あとは特にイヤな人物もいなかったし、あのダンスの人(=KEN役眞木大輔さん)もヒゲな割りには不良くさくなくさわやかだった」「途中からだけど久しぶりにちゃんと続けて見た朝ドラだったのに、そんなに不人気とは信じられない、○○さんとこの奥さんも、△△のおばちゃんもみんな見てるって言ってたのに」「数字捏造じゃないのか」とほとんど喧嘩腰。

耳が遠めな彼らに説明してどの程度理解してもらえたか不安ですが、月河はちょっと低数字の理由がわかる気がしました。

まず最近はTVドラマ全体が、大河『篤姫』など一部の例外を除いて長期ジリ貧傾向で、老若男女を通じた文句なしのヒット作が生まれない状況が続いていること。NHKの看板ブランドのひとつである“朝ドラ”も例外ではありません。

もうひとつは、『瞳』限定で言えば主舞台が東京の月島で、しかもお洒落で魅力的とも、あるいはリアルとも言い難い、戦前のようなご近所付き合いが基調になっており、これで視聴率の“大票田”たる東京のお客さんが、だいぶ失望して逃げただろう思う。現に高齢家族と月河共通の友人知人で東京23区在住の人たちは、軒並み「いまやってる朝ドラ?アレあり得ないよ」と一笑に付していましたから。

たとえ瞳が「~っしょ」「~っす」のそれこそあり得ない北海道弁を連発しても、札幌にとどまったままの話で行ったほうが、関東の視聴者は珍しがり喜んだかもしれない。

もっと言えば、朝ドラってそれこそブランドで、『瞳』『ちりとてちん』など個々のタイトルや出演者、作品としての出来不出来に関係なく、“NHK朝ドラ”という商品名の商品だと思う。時間帯的に、見る人はいつも見てずっと見続けているし、見ない人は存在すら意識しない。歴代作の中で数字がちょっと上だったとか下だったとかいうのも、“いつも見ている人たちの中で、たまたまそのとき見忘れた人がいた”“たまたまチャンネルが他所に合ってた”“翌日また元に戻した”程度の話だと思うのです。

“常連客”のウツワ内の話ではなく、いつも朝ドラを見る習慣のなかった人が、大挙して録画してでも見たい、是非にも見ようという“山が動く”ような流れを作れてこそTVドラマ作品としてのヒットと言えるでしょうが、“朝ドラ習慣のない人”は生活時間的・物理的にリアル視聴不可能な人が大半だろうし、ならばほとんど録画での視聴でしょうから、視聴率にはまったく反映されてこないでしょう。

要するにドラマとしてヒットしたか、人気作になったか、ならなかったかは、視聴率数字をいくら引っ張り出しても引っくり返しても検証はできないのです。

後番組『だんだん』、本日もラジオで音声のみ聴取。公式サイトによると、音楽が05年『契約結婚』、06年『偽りの花園』を担当された新鋭・村松崇継さんなんですね。宍道湖サイドのめぐみ(三倉…茉奈さん)が、自分に何の断りもなくシジミジルメンバーに引導渡しちゃった石橋(山口翔悟さん)に携帯で直談判する場面のバックに流れていたスリリングな曲調が村松節。

「プロ、プロって、プロがなんぼのもんかね!」と石橋にくってかかるめぐみ、やはりこういうハキハキ、シャキシャキした演技は三倉さんうまい。舞妓修業中の夢花=のぞみ(三倉、んー、だから、佳奈さん)のほうは、意地悪ライバル・涼乃(木村文乃さん)に言い返すときぐらいしかシャキシャキする場面がないので、ちょっと持ち味がまだ出ていないかな。

京都で修業し、母・花雪さん姉さん(石田ひかりさん)のひそかな配慮で出雲に足を踏み入れるのを避けさせられていたのぞみが、お花がついて出雲での仕事に出張せざるを得なくなるきっかけが、その涼乃が上客を逃すまいとしたあまりのお先走りの結果、という巡り合わせ、脚本的になかなかよくできていると思う。

涼乃役の木村さん、宝塚娘役さん風のお顔立ちで、ちくちくイビリ台詞を発してもどこか可愛げがあって、月河はいまのところ登場人物の中でいちばん好きかも。“舞いの芸でもルックスでも絶対自分が上なのに、愛嬌っきりで人気している夢花はん、何か釈然としない”って気持ちも、均等法後世代の女子らしくてよくわかる。

のぞみちゃんは多少のことでは致命的にはヘコまなそうだし、花雪さん姉さん以外にも花むら女将(藤村志保さん)、今作は大富豪(@『富豪刑事』)ってほどではなさそうだけど日本一のお祖父さま俳優・夏八木勲さんの一条隆康さんなど山のように味方がいるので、つい「涼乃ちゃん頑張れ」な気分で見てしまいますね。

一方、昼の『愛讐のロメラ』は、少女時代珠希役(増山加弥乃さん)がとても演技的に頑張っていて、04年『愛のソレア』の美保少女時代・前田綾花さんを思い出しますが、“愛”はともかく復讐の“讐”へ向かう情念の強烈さは物語的に未だしかな。こちらも東京から駆けつけた加賀美院長(名高達男さん)に、高校生恭介(染谷将太さん)が「愛した女性の子(=珠希の血のつながらない弟・亮太)なのに冷たい」と反抗するシーンで流れた鋭利なエレキギターの音など、コーニッシュさんの音楽が要所で光っています。

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