中居クンこと中居正広さん(“元SMAP”はもう付けなくていいですよね)が報じられてるようなかたちで芸能界を去るとは思いませんでした。
とは言え現状ではこれしかないでしょうね。月河の非高齢家族などは「出てきても正視できないし」「出るほうより見るほうが辛ぇよな」って言ってます。月河もだいたい同感です。
アイドル、現役でも“元”でも、言い古されてるけどお客さんに夢を売る商売なんで、見るほうに、可哀想とかこっ恥ずかしいとか痛々しいとかシャラくさいとか、何かしら居心地の悪さを与えたらもう無理だと思います。やった“事”、やったと報じられている“事”が正しいか正しくないか、許される許されないの問題では、この場合、ないでしょう。よく“罪を憎んで人を憎まず”とも言いますが、アイドルならずとも芸能人って“人”がすべてなんですよね。売ってる“夢”が正しければ、正しいつまり美しくキラキラしてれば、それを売る人が汚れててもダサくてもいいってわけにはいかない。
このブログで触れたか触れなかったか忘れましたが、某興業所属芸人のヤミ営業問題のとき、ビートたけしさんが「芸人が笑えなくなったら終わり。笑えない会見を芸人に顔出してやらせる会社がおかしい」と言っておられたことも少し思い出しました。
月河は客に数えられる年齢層から大幅に上にズレているので、SMAPにも中居クンにもニュートラルで熱っついファンでも強いアンチでもないですが、SMAPというグループが存在することを知る前に中居クンは単体で知ったのでちょっと思い出す材料はほかの元メンバーよりはあります。
十中八九、93年だと思います。前の年に自宅のテレビがBS環境になり、物珍しいのでテレビつけれはNHKBS-1か2のどっちか流してた時期なので、妙に記憶に残っています。
日曜の夕食準備どきに『アイドルオンステージ』というそのものずばりな番組があり、ピンでMCしてたのが当時推定21歳の中居クン。レギュラーに女の子アイドルグループも複数いて、たぶん曲間トークの流れだったと思いますが、「オレはこれから二枚目路線で行くんだ」と宣言、ひとわたり女の子たちに引かれたあとで、いま思えば無謀なことに、ソロで歌い出したんですよ。曲タイトルは見逃しました。なんかあまーいラブバラード。
・・・ワンコーラス終わったとこで高齢家族が「可愛いコだけど歌手じゃねぇ」とバッサリいってました。「歌手の声の出し方じゃないもん」。
月河はもうひと昔前のたのきんトリオバラしソロ売りなども一応リアタイ目撃してましたから「まあこれから売れればうまくなるかもしれないし」と誰からもどこからも頼まれもしないのにフォローしたりして。すると、ちゃんと歌聞いてなかったもうひとりの高齢家族が「この男の子、藤沢周平原作の『腕におぼえあり』に出てたぞ」と言い出し、「学問所にかよってる部屋住みの役だから殺陣とかはないけど芝居は出来るぞ」なんで歌なんか歌ってんだ?しかもズラつけないと茶髪なのか、不良臭いな・・って混ぜ返して、いっとき日曜の食卓が“中居正広クンとかいう若手の現在および将来を考える”無責任言いたい放題プチ会議室になってたような。
94年以降の活躍はご存じの通り。『美味しんぼ』とか『ナニワ金融道』シリーズなど高齢組のほうが熱心に視聴してたかもしれません。
ただ月河が思うのは、『白い影』『砂の器』等のシリアス路線の作品でも、不思議と脇の、親世代・上司世代役のキャストのほうがこれでもかと粒揃いで濃いぃ事が中居さん主演のドラマの場合特に多かった気がする。そのせいか、“主演中居!”の印象が突出して強烈だったという作品って意外と少ないし思い出せないのです。彼単体のもっと高体温なファンなら違うのかもしれない。
中居クンの演技が、良くも悪しくも“頃合い”なんですね。アイドルとしてはハタチすぎブレイクで遅咲きだったわりには、役者としてはクセがなく透明感があった。93年の初見のとき、高齢組が「ペットっぽい」と評したように、ガラが小ぶり(低身長)なのも影響したかも。
この点、同じ元・SMAPメンバーで「何を演っても〇〇」と言われるほうの人とは対照的。身長だけなら言うほど大差は無いと思うんだが。こちらはどうしても作りが天動説方式になってしまうんですよね。
どちらがいいとか悪いとかではない。思えばあの頃は、昭和四十~五十年代にあった夜8:00台の、小学校高学年~中学生ローティーン向けアイドルドラマという独立ジャンルが退潮して、大人向け一般ドラマと境目が混じってきた時代で、作り手側も素材に合わせていろいろやってみる、或る意味余裕があった。
役者として咀嚼吸収力が旺盛な年頃をこの時代に生きられて、SMAPも、中居さんもツキがあったと思う。芸能人は時流に乗ってナンボですから、どうしてもどんな時流に生まれ合わせたかの影響は受けるし、時流で命運も決まります。
芸能生活の終わり方だけに焦点を絞ると、ちょっと“時流で決まり過ぎ”な感もないではない。いや、もちろんご自身の行動で招いた流れですけど。
タロティストとして、或いはもっと大きく、占いをよくする者としては、少し考えるんですね。どこかの時点で中居さんがクライアントになって来たとして占ったら、たとえば、そうね、「その会食はキャンセルしたほうがいいですよ」「その系統から次のお誘いがきてもとうぶん謝絶したほうがいいですよ」と言えるカードを引けたかしら、と。
占いの中でも(月河はやらないし肯定的でもありませんが)、生年月日を起点に暦法天文で占う“命占”の占い師さんの一部なら、中学生中居正広クンに「芸能界向いてるから」「身長低くても、音感なくても売れる星持ってるから」とまでは言える人もいたかな。
ただ、その先は・・ね。埼玉県の道路陥没トラック転落事故といい、最近、人間の運命って?と考えさせられるニュースが本当に多いです。