イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

「ここ」

2010-02-28 23:49:21 | スポーツ

昨夜(227日)は、NHKスペシャル『浅田真央とキム・ヨナ 至上最高レベルの戦い』を2200台の途中から出会いがしら視聴。フリー決着から一日と数時間で、よくぞ完パケしたものです。“ヨナ金・真央銀ヴァージョン”のオンエア版以外にも、“金銀逆転したヴァージョン”はもちろん、“どっちかが金でどっちかが着外のヴァージョン”“どっちも着外で漁夫の利のヴァージョン”など幾つも想定して取材編集徐々に進めていたと思しい。

 ジュニア時代から天性のジャンパーだった真央選手に比べ、真央さんが軽々こなすジャンプをなかなかマスターできず「どうしてあの子と同い年に生まれたのか」と苦しんだヨナ選手。やはりカナダ人の五輪銀メダリスト・ブライアン・オーサーさんに師事したところから、ヨナさんの巻き返しが始まったようです。

先日の五輪でも披露してくれた今季のSPのボンドガール、スローな出だしから3回転3回転のコンビネーションジャンプでエンジンをかけて行き、2分のプログラムの45秒過ぎになって初めて ♪ずんずくずんずーんずんずんずん ずんずくずんずーんずんずんずん というおなじみのダブルオーセブンのサビを出す。世界中大勢の人が知っているこのサビを、45秒焦らした後に出せば客席は沸くはず、演じているヨナさん本人も「さぁここからよ!」と後半のもうひと踏ん張りのエンジンがかかる。オーサーさんの読み通りバンクーバーの観客もここで沸きました。

ヨナさん自身もいちばん好きだという指パッチンも、総合的な体力で真央選手より上とは言えないヨナ選手がシークエンスの合い間に“ひと息入れる”ために考え抜かれた振り付けでした。

高難度のジャンプは決まれば高得点だがミスのリスクも高い。ライバルの真央選手が高難度ジャンプで攻めてくるならば、同じジャンプを猛練習して追いつくよりも、難度は下でも得意のフリップからトゥループへのコンビネーションジャンプやステップ、スピンの完成度を高めて総合点で上回ればいい。とにかく金銀を分けるのは、得点がすべてなのがいまのフィギュアスケートです。

この辺り、セコいと言えば言えるけど、やはり現役時代アメリカのブライアン・ボイタノ選手と首位を争って一歩譲ったオーサーさんの経験が活きていると言わざるを得ないですね。フィギュアスケートは結局、タイムや距離ではなく人が見ての評価で決まるもの。2分なら2分の時間を、音楽を味方につけてどう見せるか、どうすれば実力相応の、実力以上の印象を与え高得点につなげるか、心憎いほどよく見抜いている。夏冬のオリンピックに数々ある採点競技の中でも、フィギュアスケートは選手と審判のほかに、どうしたって“観客”が必要で、観客に“観られる”ことなくしては成立しないスポーツなのです。

音楽の中でも、とりわけ劇伴好きの月河は、“開始何秒でこのフレーズがくればこう盛り上がり、そこでこういう絵を見せればこんな効果がある”なんて計算は大好き。日本人視点ではライバルだけど、ヨナさんもコーチもよくぞやってくれました。

一方真央選手はロシア人のタラソワさんのもと、自慢のジャンプや技術だけではヨナ選手を抜けないと、技と技との間の感情表現に苦慮していました。間にリキみの要るステップや振りをつければ、ジャンプへの準備は短くなります。ここに気を取られるあまり、得意としていたはずのジャンプの精度が落ちて失敗が続き、深刻なスランプに陥った時期もありました。卓抜した運動能力で克服して今大会に臨みましたが、逆転ならなかったどころか意外なほどヨナ選手との点差が開いてしまったのは、“得意技を前人未到級に磨いて+αで高得点を狙う”ヨナチームと“高得点のために(結果的に)得意技を窮屈にした”真央チームとの、考え方の違いが明暗分けたかなという気がしました。

前にもここで書いたけれど、たったひとりの女子フィギュア韓国代表として重圧に耐え抜いたヨナさんは、あるいはこの金メダルで「普通の19歳に戻りたい」かもしれません。でもそこをなんとか、彼女が「もうひとりの自分」と著書でも書いている真央さんのために、あと4年、戦線に踏みとどまってくれないかな。

ほら、歴代金メダリストって、通り名になるような必殺ワザってあったじゃないですか。荒川静香選手の「イナバウアー!」とか「ビールマンスピン!」とか。アクセルだのサルコウだののジャンプも、最初に考案して跳んだ選手の名前です。

総合得点至上主義で既存の技を積み上げきれいにまとめてるだけのヨナさんにはまだそれがない。言ってみれば真央さんにもない。

やっぱり、作りましょうよ必殺ワザ。「ユナキムゥー!」とか「マオアサダーー!」とか実況されるようなやつ。ヨナ選手は指パッチンしながら3回転3回転で決まり。NHK刈屋アナには声を大にして“あのワード”を言っていただきましょう。

真央選手は女子で世界一をもって任ずるトリプルアクセルから…ムンクの叫び顔でもやってもらいましょうか。

まぁバカな話は休み休みにして、とにかく今大会に限っては、「どうしてもオリンピックの金メダルが欲しい、銀や銅ではダメで絶対に金が」という執念と、そのための方法論結集においてヨナチームが上回った結果のようです。同じ日本人として真央さんのためにだけではなく、ヨナさんのためにもリターンマッチを見たいけれど、花の命は短いからなあ。

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20年前なら奥田さんが

2010-02-27 22:17:10 | 夜ドラマ

休止を含む3週、録画再生しそびれていた『宿命 1969201026日に久しぶりにリアルタイム視聴したら、なんだ、まだ「崇(北村一輝さん)と尚子さん(上原美佐さん)は兄妹、この結婚絶対に許さない」にいまだに滞留してるのね。崇の政界進出も、白井国土建設の存亡も、宣子(小池栄子さん)への手切れ金も、弟の事故の補償も、何も進展してなかった(呆)。

野望、執念、恨みつらみに歪んだ母子愛、コンプレックスと、これでもかという負の感情オンパレードが、忌まわしき過去の封印融解で発火し…という昼帯仕様のお話に期待して視聴し始めたのですが、昼帯なら考えられない、やる気あるのか?ってぐらいの、とろとろのスローテンポです。

もうとっくに二転三転して、宣子が他の男を騙して子を身ごもり有川家に乗り込むとか、いっそ白井国土建設に財務マネージャーとして入り込むとか、崇を重用する眞一郎(奥田瑛二さん)に自分の地位を危惧した秘書(隆大介さん)が逸子夫人(松坂慶子さん)を誘惑し寝取る、等の錯綜展開になっているものと思っていたのに。

90年代にはゴールデンにも“ジェットコースタードラマ”なんて俗称される作風があったのですけれど、どうも最近の連続ドラマは、“一時間が短くてしょうがない”“次週が待ち遠しいどころか、本編・ED終了後、CM明けの次回予告フラッシュさえ待ち切れない”みたいな、引きがまったく弱いですね。初回を見た人に「絶対最終回まで見よう」という気になってもらわなければ、連続ものの枠の意味はない。ドラマを放送しているチャンネルがひとつしかない昼に比べて、夜はライバルいっぱい、選択肢いっぱいです。なぜもっと“見逃せなく作る”ことに徹しないのか。

“猛母に溺愛される金持ちボンボン、でも自尊心の強い何様”という興趣尽きない役どころを北村一輝さんが演じるのも注目だったのですが、このお話、主役は完全にその猛母・三奈(真野響子さん)なんですよね。崇は三奈、宣子、尚子という、強力な磁場を(自覚はせずとも)持つ女性たちに振り回され翻弄される、むしろ観客に「この人かわいそう、頑張って切り抜けて」と思って見守り、ともに狼狽したり絶望したり、巻き返すべく足掻いたりしてもらうべき人物だった。こうなると北村さんの、無駄にダークな“ハラにイチモツ顔”が邪魔にしかなりません。

合意の上でコトを急いだフィアンセから「妊娠したかも」とはにかみつつ告げられ無邪気に破顔したかと思えば、母と未来の岳父との会話を立ち聞き真偽を問いただしもせずに顔色なくオロオロ。北村さんの演技歴に照らせば「この人、こんな芝居もできるのね」となりますが、そんなことよりここは何より崇に共感して、崇のために胸をいため、てもらわなければ。こういうポジションの人物が、このドラマには他にひとりもいないのですから、どうしたって崇は「かわいそうで頑張ってほしい」「幸せになり、成功してくれると嬉しい」人であるべきなのです。

東大法卒の財務官僚という設定からいって、知性派の役を得意としつつ、(特に)女性視聴者から見て「あんなおっかない厚顔な母親の代わりに、ワタシがママになってあげたい」という気にさせられるイノセンスあるキャラ、たとえば谷原章介さんや細川茂樹さんはどうでしょう。最近TVで見かけないけど安藤政信さん。西島秀俊さんもいいかな。北村さんと『大奥』上様つながりになるけど。

安保闘争世代(特に、いままであまり語られてこなかった、女性のこの世代)の、自分の過去及び現在と社会への決着のつけ方、そして彼らのジュニア世代の、現在時制の社会との斬り結び方。コッテコテの昼ドラ調と見せて意外とコロンブスの卵…と思ったのですが、やはり小説で読んだほうがいいモチーフだったようです。

デキちゃった尚子が三奈の口車に乗せられて無理やりリスキーな羊水検査を受けさせられ、帰宅してお茶の最中激痛に襲われる場面、スカートの下から脚をつたって出血タラーッって、昼ドラの常道演出ですが、そんな末節のとこばっかり昼帯踏襲されてもね。制作協力が泉放送制作。ここも期待のポイントだったんですけれど。

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金と鐘

2010-02-26 18:03:46 | スポーツ

この前にはここで“はち切れそう”と書いちゃいましたけど、フィギュアの長洲未来選手、フリーで改めて見ると脚が長い長い。おまけに柔らかい。ジャンプの高さなんかはシロウトが見るとびっくりするほどのレベルじゃまだないように思うんですが、着氷の瞬間ピッ!とポーズとってニコッと微笑む、そのキレがとてもいいので、もっと高々跳んだように見える。運動神経が総合的にいいんでしょうね。最終滑走で4位に入って安藤美姫選手を上回りましたが順当かな。16歳、次ソチ大会でも20歳。楽しみですね。

安藤選手の、前にビラビラついた孔雀コスチュームよかったんだけどなー。クレオパトラというよりサロメみたいで。あのいでたちでぜひ表彰台に上がってほしかったんですけど、男子シングルが惜しかった地元カナダ、この表彰台だけはと死守した格好。ジョアニー・ロシェット選手、大人のフィギュアスケートという感じで上品な演技でした。お母さんが天国から力を貸してくれた…なんて注釈は失礼でしょう。実力実力。

我らが浅田真央選手は、やっぱりキム・ヨナ選手の直後の滑走順がこたえましたかね。ここへ来てそんなことでグラつくタマじゃないはずだけど、あれだけ完璧に演られると心理的に影響ないわけがない。いきなり怖かったもの、形相が。両頬自分でビンタくれてムンクの叫び顔になるくだり(←この表現もどうかと思うが)だけじゃなく、全体的に。

ご本人はジャンプでのミスが悔しかったようだけど、出だしから表情が硬く、成功したジャンプも踏み切り前にいくらか逡巡があるように見えました。跳ぶ前に引っかかって1回転になったところは、リンクにエッジが噛んじゃったんでしょうね。リンク傷だらけでしたからね。最終グループ6選手の前に整氷すると思ったら、しないのね。安藤選手もどこかで地味に噛んでたし。

競馬の神様がイタズラ好きで途方もなくタチが悪いのは月河、承知ですが、スケートの神様もかなりロクでもないですな。

そんな中、プレッシャーをはねのけて集中しきったキム・ヨナ選手はお見事と申し上げましょう。3連続ジャンプの3つめのループ、片腕を頭上に上げて跳んだのはかなり加点したんじゃないかな。両腕たたんだ普通の跳び方より難しいんですよね。

エンディングのスピンが終わらないうちに、ブライアン・オーサーコーチがたいへんな喜びようでした。これでもかこれでもかと得意のトリプルアクセルをたたみかけてくる真央選手に、あえてアクセルで対抗せず、「(成功すればジャンプ中最高得点の)アクセルがなくても、ヨナの表現力で上回れる」というプログラミングの賭け大成功で、コーチとしては人生最高の仕事が出来た瞬間。現役選手時代、アクセルを得意としていながらそのアクセルに賭けてアメリカのボイタノ選手(←片腕を上げてのジャンプを得意としていました)に敗れた苦い経験のあるオーサーさんは、多回転ジャンプという技の“蜜”と“罠”を熟知している。

真央さん&タラソワコーチチームは、ヨナさんの技量にというより、オーサーさんの老獪さに敗れたのかもしれない。韓国からコーチギャラいかほどもらってるのかしら(←ヤらしい話)。

こういう結果になったからというわけではないけれど、真央選手のフリーの選曲もどうだったんでしょう。タラソワさんは「いままでとは違う真央を見せ、女子フィギュア自体も変わるための“鐘”を鳴らすプログラムになる」と自信のチョイスだったようですが、曲が進むにつれ真央さんに、いやが上にも切迫感を強いるような、苛酷な拷問のように聞こえてしまいました。

どうも伊藤みどりさんの頃から、日本のフィギュアって、選手の年頃や持つ雰囲気に比べて、必要以上に重たい、古い曲を選ぶ傾向があるような。もっと、いま風の明るさや元気さ、可憐さを活かすような演しものを考えてあげられないかな。その点、8位に飛び込んだ鈴木明子選手のウエストサイド・ストーリーは溌剌としていて、まあどのみちメダルには圏外だろうという逆の安心感もあったけど理屈抜き楽しく観られました。

あと、オリンピック期間はいつでもそうなんですけど、バラエティ寄りの報道番組で「誰だオマエ」的な解説者が続々登場しましたな。名前がテロップで出ると「あー、あの」とおぼえのある人もいれば、もう一度「誰だオマエ」になる人も。村主章枝選手のお姉さん?はあまり似てませんね。

『ミヤネ屋』で宮根さんの隣に、ジャニーズ事務所卒業して10年たちましたみたいな微妙な男性が立っていて、局アナにしてはモゴるし何者だコイツと思っていたら、長野大会で日本代表だった田村岳斗選手。シェルブールの雨傘から12年。あのときも「名曲過ぎるだろ」「て言うか映画知らないだろ」と思ったものですが、その後モヒカン頭にしたり、それを金色にしたり、さらに黒との染め分けにしたりと愉快なB級キャラでした。あのヤマトくんがもう解説者ねぇ。月日の経つのははやいし、選手として輝くことのできる時間は貴重。ヨナさんはこの金メダルで達成感半端ないだろうし引退してしまうかもしれないけど、真央さんはもうひと声いけるでしょう。次大会ではもっとスマイルいっぱいの演技を見たいものです。

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鐘を鳴らすのは

2010-02-25 15:42:47 | スポーツ

女子フィギュアスケートはどうでしょうか。オリンピックも、日本人選手が高確率でメダル取れそうな種目がほとんどコレだけになってきたので、要りもしないトリビアも乱れ飛んでヘンな過熱報道になっていますね。

日本時間24日のSPではキム・ヨナ選手が浅田真央選手を一歩リード。しかし、夜も何度も何度も各局でリプレイしていましたけど、5pt弱の差がどこでつくのか、技術オンリーで見てったらシロウトには本当にわからないですね。プログラム序盤でのコンビネーション・ジャンプが、ヨナさんは堂々たる3回転+3回転、対して真央さんは最初の3回転がより難度の高いアクセルで、ふたつめは2回転のトゥループなので、若干“ついでに回った”感があったかなと思う程度。

ただ、全体の印象はだいぶ違いますね。選曲やテイストというより“芸風”が違う。同じ1990年生まれ満19歳でも、ヨナさん、何かやたら色っぽいんですよ。それも、思いっきり誤解を怖れずに言えば、いささかションベン臭い背伸びした色気で、切れ長アイズ直球アジアンな風貌の、貧にゅ…いやその、スレンダーな少女のああいう演技って、特に欧米人には結構琴線にふれるんじゃないかしら。アゴを突き出してクネッとしたり、指パッチンしたり、かなり開き直ってB級。

一方真央選手は、ひたすらお行儀よくきれいきれいに滑っていて、一見したあと、これまた誤解を怖れずに言えば「…だから何?」という気がしないでもない。文句なしにじょうずなんだけど、不思議と記憶に残らない。

同じ種目でも、男子と違って女子の場合“技術”“運動選手的能力”に“美的芸術的センス”を掛け合わせるだけでなく、それと知られないぎりぎりの微量“媚態”を混入させないと、高レベルの争いの中アタマひとつ抜け出るのは難しいということでしょうね。

ただしその“微量”の匙加減がスーパー難儀なため、真央さん陣営なんかは初めからそこに踏み込んでいないふしがある。

その点ヨナさんのコーチは男性。しかも、コレはあくまで月河の想像ですが、このブライアン・オーサーさんって(若干加山雄三さん似ですがそれはともかく)“内的にユニセックス”な男性ではないでしょうか。ウォーミングアップ中のヨナさんを見つめる眼差しでなんとなくそう思ったのです。演技に“色気”“媚態”を潜り込ませることにまったくためらいがない。

ジュニア時代には真央さんに後れを取り気味だったヨナさんが、シニアに入ってから徐々に逆転してきたのは、ご本人の資質や努力プラス、コーチの方向付けの力もあるでしょう。

その点、安藤美姫選手は攻めてましたねー。胸に十字架&袖ヒラヒラの転びキリシタンみたいなあの衣裳だけで嬉しくなっちゃうね。この人もコーチが男性でしょう。練習もかなりぎゃんぎゃん英語(ロシア語?)でやり合いながらやってるんだろうなあ。「もうあのオッサンとはクチきかない!」とか言って、これでもかこれでもかと3回転成功させて「“参りました、ずっとコーチやらせて美姫様”ってひざまずかせてやる」みたいなプレイ。いやプレイってことはないか。性格のきっつい負けん気な感じがストレートに外見に出ていて、しかも出た分がそっくり演技の長所にも短所にもなっている。フリーも攻めてほしいなあ。

日本代表“第三の女”鈴木明子選手は、いささか選曲が古いですね。若さとか未知の魅力が感じられない。いや24歳で、代表中最年長、ブランクがはさまって遅咲きになっただけでかなりのベテラン実力者らしいですが。演技している分には気にならないけれど、アップになるとやはり摂食障害独特のホルモンバランス悪そうな浮腫み顔、黒ずんだ歯並びが痛々しい。他の選手と比べて何位だではなく、彼女の中での“自分の夢への決着の戦い”として見守るべきでしょう。

あと、今大会思ったのは、日本人3選手と、韓国のヨナ選手だけ別格で、あと欧米の各選手軒並み、やたら大きくないですか。ぶっちゃけ胸やヒップに栄養が行き渡っているというか。3位に入ったジョアニー・ロシェット選手もそうだし、両親ともに日本人のアメリカ国籍長洲未来選手、全米優勝のレイチェル・フラット選手などはち切れそう。フィギュアの女子選手ってあんなんだったかしら。ジャンプするのが大変そうなんですよ。だからますます真央さんヨナさんが抜きん出て輝いて見える。

タイムや記録と同じ俎板に“美”という禁断の果実を載せてしまった厄介な競技。企画構成組み立てるのも、演じるのも、観て評価するのも、さらにその評価に対して侃侃諤諤するのも人間。厄介が34乗するリンクで、それでもスマイルで滑走する選手の皆さんは大変だと思いますが、全員ミスなく、誰が誰の上になっても下になっても後悔のない演技ができますように。

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ファッションチェック

2010-02-24 15:29:50 | 特撮・ヒーロー

戦隊シリーズって一種のコスプレドラマみたいなところがあるので、変身前のファッションにどうしても目が行ってしまいます。『天装戦隊ゴセイジャー』は地球人ではなく天使という設定なので、“私服”の概念はなさそう。“地球人社会にまじっても浮かない服装を、護星界視点で考えたらこうなりました”みたいな、平時ユニホがあるのは嬉しいですね。

 スカイック族のレッド=アラタ(千葉雄大さん)とピンク=エリ(さとう里香さん)は、嵐と息吹のスカイックパワーだけに、風や雨を意識してかフードつきのジップパーカスタイル。レッドはあくまで赤をメインにしつつ、袖肩部分に白、前身頃には黒をアクセントにもってきてシャープなデザインです。フロントの牙を剥いたドラゴンの横顔が強いヒーローらしくて、千葉さんアラタのスウィートでピュアなたたずまいとミスマッチなのもおもしろい。小さなお子さんが全国で「買って買って」ソードでパパママウォースターを攻めてそうです。

 一方ピンクは女の子らしくピンクとペールピンクの切り替えを胸に持ってきて、全般にサテンタッチの光沢で可愛いめギャル風味を取り入れました。公式ユニホではないようだけど、ポニーテイルにつけたシュシュも、女子ファンの視線を集めるアイテムではないかな。ポニーテイルは男の子にも永遠の定番人気ヘアスタイルだし、お茶目さんキャラのエリですから、スタイリストさんの頑張りで今後もいろいろバリエ披露しそうです。

 ところで、epic 2のゴセイマシン召還でも思ったのですが、ピンクで“フェニックス”って若干イメージが噛み合わないですね。スカイック族はドラゴンとともに想像上の動物ということで統一したかったのでしょうが、ピンクで鳥ならフラミンゴでしょうに。

 ランディック族のブラック=アグリ(浜尾京介さん)&イエロー=モネ(にわみきほさん)兄妹は、スタンドカラーのオーソドックスなスポーティタウンジャケですが、アグリはやや身丈が長め、インナーにフードつきTとダボめなワークパンツを合わせてストリートワイルド風の着こなし。背中のたて書きロゴがカッコよく、こちらはちょっと年長のお兄ちゃんたちに一番人気かな。天使にしては人間っぽ過ぎ、世俗的過ぎるきらいはあるものの、2話見た限りではランディック族自体が、天使の中での“現業担当”的な位置づけらしいので、ちょうどいいのでしょう。

モネはにわさんの微量南国的な風貌とも相俟って“部活でスポーツやってる女の子”風ですが、ちょっと切り替え部分のベージュと、メインカラーのイエローとのコントラストが弱くて、若々しさが足りない。スポーツ“やってる”というより女子マネか、いっそガスステーションの事務スタッフみたいになっちゃってますね。ブルドーザ型マシン担当の女性イエローというと『轟轟戦隊ボウケンジャー』のボウケンイエローを思い出しますが、菜月のボウケンジャケットはほかのメンバーとお揃いの、迷彩色のアクセントがありました。モネのジャケもお兄ちゃんの色のブラックを、インナー以外にも取り入れて一部虎縞柄にするとか、天使パワーに結びつくもうひと味付けあってもいいかな。

ブルー=ハイド(小野健斗さん)はシーイック族らしく深いマリンブルーの無地で、詰め襟のミリタリージャケ。背中の白抜きロゴとエンブレムの入り方はカレッジスポクラ風で、レッドより硬派、ブラックより優等生なイメージ。彼がいちばん正統派の“戦士”らしいファッションかもしれませんね。シーイックには女性戦士がいませんが、スリムな女子がこれテイストの詰め襟ジャケを着ても、逆にかわいいと思う。海に波濤あり、“ゴセイホワイト”として追加メンバー来ないかな。

……変身後のスーツデザインが難しいか。

録画を巻き戻しながらこんなチェックを入れていたら、最新号(vol.32)東映ヒーローMAXの巻末グッズページにお値段が出てました。各色限定500枚生産で19,000円。うーーん、デカレンジャージャケットが確か26,250円、ボウケンジャージャケットが25,000円、ゴーオンジャージャケットに至っては45,000円だったはずなので、今年は不況の家計を考慮してお値頃にまとまっていると言えるのかな。

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