イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

あまちゃニアンの幾らなんでもそろそろ寝ないとヤバい夜

2014-01-30 02:29:45 | テレビ番組

 それでもいささか心配になったのも事実です。『紅白歌合戦』、予想していたこととはいえ冒頭から怒涛のごとき“あま押し”。

 いや、“押し”にとどまらず、“あま寄り”“あま差し”“あま掛け”“あますかし”。

 そうでなくてもここ4~5年の『紅白』は、つまみ食い的に視聴しただけでも歴然と(歌・音楽以外で)この1年間話題になったもの、流行ったもの、ウケた人、ウケたわけじゃないけどなんか露出が多かった人、なんでもぶっこんでくる見事なまでの節操なさです。『あまちゃん』は久々にNHKがオリジナルで生み出した、全方向に胸を張って「当たった!」と言えるヒットコンテンツですから、『紅白』にからめてこないわけがないと月河もにらんではいました。

  しかし、あれだけ大っぴらだとねぇ。いくら人気ドラマだったとは言ってもたかだか視聴率20数パーセントです。いやこれでもドラマとしては当節大変なヒットと言えるのですけれども、『紅白』は腐ってもまだ40以上は取ってるわけで、単純計算で『紅白』を見ていた人の半数近くは「なにアレ?」状態だったのではないでしょうか。

 

 我らあまちゃニアンとしては、ユイちゃん(橋本愛さん)が鉄拳アニメ合成のワザ使ってでもなにしてもとにかく北三陸から東京の土(無いか)を踏めただけでも大感激拍手喝采だし、GMTとアメ女正規軍との、シャドウの壁を破った『暦の上ではディセンバー』共演にアキちゃん(能年玲奈さん)とマメりん(足立梨花さん)も同列で、しかも笑顔全開で並んで歌い踊っているのも溜飲の下がる絵。しかもしかも、GMTの緑担当・寿脱退したアユミさん(山下リオさん)も復帰している。しかもしかもしかも、涙の抱擁和解したリーダー(松岡茉優さん)の隣のポジだ。感動だ。

 アキユイ歌唱の『潮騒のメモリー』に続いて、前段のスナック梨明日(りあす)での寸劇の衣装のまま天野春子(小泉今日子さん)が登場、さらには鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子さん)は着物でセリから、しかもまだ音痴治ってる・・となったら、全国のちゃニアン(略し方が中途半端だ)瞬殺です。死因:贅沢死 

 しかし半数以上の、お茶の間の“普通の”紅白視聴者の皆さんは、「なんでひっさびさのキョンキョンがあんなチープな光り物ニットにスケバンスカートなんだ?」「歌が売れてた1980年代にも一度も出場してない薬師丸がココで歌う?」「そもそもこの曲、この歌詞何?“千円返して”とかフザけてんの?」と、キツネの大群につままれリレーされたようなOPと10数分のコーナーだったような気がします。

 意味がわからない。わからないものがウケている、ウケている人たちには意味がわかっているのだろうが、自分はわからないからウケることができないというのは、ストレスがたまるものです。 

 大晦日のお茶の間娯楽の超王道、超定番だったはずの『紅白』も、いつの間にか「わかるヤツだけわかりゃいい」という姿勢を隠さなくなった。これはいい事なのか、あまりいい事じゃないのか。

 1983年(昭和58年)の紅白で、総合司会に“深夜密室芸人”だったはずのタモリさんが起用されただけでも、当時はまだ普通の日本人として紅白ウォッチャーだった月河は「くぁ~~」と思ったのですが、冒頭そのタモリさんが客席に向かって「そろそろ始めてもいいかなー!?」とコール、満員のNHKホールに「いいともー!!」のレスポンスが響き渡ったときは、大袈裟に言えばひとつの時代が終わったなという気がしたものです。

 「いま、これをやればウケるな、いい反応来るな」と思ったからタモリさんはアレをやったのだろうと思います。当時の『紅白』視聴者の中には「いいとも」の意味、タモリさんがそれを言うことの意味を全然知らない人もいるだろうし、そもそもタモリっちゅうのが何者で、なんで総合司会なのかさえわからない人もいるだろう。それでもそういう人を置き去りにしてでも、「ウケるな」に賭けた。

 「いまやればウケる」に、当時はまだ冒険心というか、度胸、気魄、もっと言えば“良き山師根性”のようなものが感じられました。

 だからこそ2013年=平成25年の「わかるヤツだけわかりゃいい」“あま押し”の臆面もない大っぴらさに、一抹の空虚感をおぼえたことでした。もっと腹の底からウケてもよかったのですけどね。軽く“贅沢死”はしたけれど。

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あまちゃニアンのまだまだ眠りたくない夜

2014-01-23 01:11:40 | テレビ番組

 まあ、そうは言っても、紅白歌合戦のアレをもって“第157回=正しい最終回”と解釈するのはさすがに無理がある(@『あまちゃん』)。

 2013年9月28日の、本放送最終回が、“完マークのその後”を何とでも想像できる“開いた”風通しのいい終わり方だっただけに、ドラマ時制の「2012年(=震災の翌年)7月」から、自分らの暮らす日常の時制まで、どうにか橋を架けて「あの人たちはいまはこうしている、こうなっている」をあれこれ妄想したい我らあまちゃニアンとしては、あの紅白にどうしても過剰な意味を持たせたくなってしまうのですが、やはりあれは審査員席に座られたコンダクター・宮藤官九郎さんから、我々とキャスト、そして『あまちゃん』の制作・放送にかかわったすべての人たちへの“感謝スペシャルメモリアルギフト”であって、それ以上でも、それ以下でもないと思います。

 そう謙虚に考えておかなければ、たとえば鈴鹿さん(薬師丸ひろ子さん)とともに帰京しスリーJプロダクションで女社長業を続けているはずの春子さん(小泉今日子さん)が、いきなり北三陸の梨明日のママに戻っている経緯も説明がつかない。やはりアレは「ドラマの続き」ではなく、「ドラマのキャラと世界観を、2013年の紅白歌合戦という敷地に“移築”した」別建ての寸劇だったのです。

 月河は156回の“開かれっぷり”“妄想ウェルカムっぷり”を心底愛しているので、なおさら、言ってみれば単なる年末恒例“大晦日となれば毎年飽きもせずにやってる”お決まり番組に過ぎない紅白歌合戦ごときの、そのまたごく一部の時間を割いただけの歌入り寸劇程度で、『あまちゃん』という、昭和と平成、二十世紀と二十一世紀を股にかけたグランドロマンが「本当の意味で完結した!」「着地した!」なんて思いたくないし、とりわけ全国のあまちゃニアン、並びにアンチあまちゃニアンの皆さんにも思ってほしくないのです。

 そろそろ、あれから4週間が過ぎようとしているのに、未だに「終わってない、“閉じてない”」と念じ続けているのだから、『あまちゃん』の磁力恐るべし。

 遅まきながら(遅まき過ぎるか)、最終回の2~3ヶ月前から言われていた“あまロス”ってのがコレか?・・いや、『ごちそうさん』にも、遜色ない体温で嵌まっていますから、“ロス”は当たらないな。何も“喪失”してないし。

3月29日の“完”マークまで和枝姉ちゃん(キムラ緑子さん)にはいけずしててほしいと願ってるし。農地改革でまた辛酸なめそうだがなあ。

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あまちゃニアンの眠れない夜

2014-01-02 02:01:56 | 朝ドラマ

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・と、↑↑↑↑↑の記事タイトルだけで、どんな精神状態かがまるバレとなる2014年、カッコ平成26年の元旦の夜なわけです。

 日付はすでに1月2日。いま寝て夢を見れば初夢になってしまう。昨日の、いや一昨日の、紅白歌合戦のPM10:00過ぎのアレよりめでたい夢を見たくない。上書きされたくない。

 有名ブランドの中でもシャネルに凝っているマニアのことを俗に“シャネラー”と言うように、フェラガモのマニアのことは“フェラガミアン”と言う、と聞いたことがあるので、この際名乗ってみました。

 いい感じの大袈裟感と、適当感に満ち満ちていて結構気に入っているのですが。

 それにしても良かったなあ、アユミさん(山下リオさん)がGMTで一緒にステージに立てて。やっぱりグリーンのアユミさんがいないと、GMTスタメンって感じがしないもの。放送時間帯的に年齢が引っかかった?ピンクの小野寺ちゃん(優希美青さん)と、アキちゃん解雇後のブルー・ベロニカ(斎藤アリーナさん)が不出演だったのだけは残念でしたが、補って余りあるアユミさん復帰。なんたってメンバー中唯一のママドルだし。

 加えてアメ女正規軍のまめリン(足立梨花さん)とシャドウのアキちゃん(能年玲奈さん)が隣り合って笑顔で一緒にディセンバー~♪なんて。光と影の仲良しコラボ。

 しかもキャスト全員でセンターで決めポーズした瞬間、画面フレームの右上、バンド席でお帽子をかぶった音楽・大友良英さんが、ちょっと石破茂幹事長にも似たプチブラックな笑みをたたえて“いまのステージ上の状況をつくった神”の様に見切れていたという。

 贅沢過ぎて、めでた過ぎてとても初夢なんか見る気がしないのです。

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