自身が塩分は控えたいお年頃で、塩分コンシャスな持病持ちと同居してもいるので、ビールのお供に乾きモノは普段あまり行かないのですが、「市川海老蔵さんが婚約して新居は一億円豪邸(←築10年の中古戸建てで新築時は2億円超だったそうですが、んなことはどうでもいい)」というニュースをネットで読んでいたら、ふと懐かしいカルビーのかっぱえびせんが食べたくなりました(…………)。
当地にもカルビーの工場があり、実はひところ、営業担当立ち回り先の近所でもありました。結構ご縁はあります。
通販代金支払いついでにコンビニで、久々にスナックの棚を物色。おや、かっぱえびせんのパッケージデザインがだいぶ変わったような。昔ながらの朱赤基調ではなく、何やら、ブレイク限界(?)のゴールドに格子縞模様です。
ついでに上の段にあった、サッポロポテトも随伴購入。こちらは変わらずベジタブルグリーンにイエローロゴのビタミンカラー。コンビニで、立ち姿勢目線に近い上の段に陳列されているということは、いまはこっちのほうが主力売れ筋なのかしら。
食べてみると、あれれ?微妙に味が記憶と違う。よく見ると、サッポロポテトは“つぶつぶベジタブル じゃがいも+6種類の野菜入り”、かっぱえびせんは“期間限定マヨネーズ味”でした。なるほど、さすがにコンビニは勾配が速い。売れ筋売れ筋、新発新発と展開して行きますね。トレンドはこれなんだ。
ゴールドに格子縞と見えたのは、マヨネーズを絞り出して描いた模様を表現していたのでした。さほどの“マヨラー”ではない月河ですが、これはなかなかいけます。スタンダードなかっぱえびせんに、マヨ由来のこっくり感と、適度のヘルシー酸味をオン。そう言えばスタンダードかっぱえびせん略してスタかぱを、マヨネーズディップして赤ワイン飲んでたヤツもいたっけ。
サッポロポテトつぶつぶベジタブルは、確かに野菜由来の黄色や緑や赤のツブツブが点々と見えますが、味はそんなに変わらないかな。スタンダードサッポロポテト略してスタサポ(←しかし、何故略すんだ)時代から“野菜のスナック”を売りにしていましたからね。カボチャとにんじん由来と思われる、ほのかなナチュラル甘みが加わって、少し野菜スープっぽくなったかしら。
スタかぱにしてもスタサポにしても、並みいるスナック系乾きモノ軍団の中では油っぽさが少なくさっぱりして、味も濃くないのでわりと飽きずにいける系でした。同じカルビーからピザポテトが出たときには、チーズもポテトもピリ辛スパイスも好きな月河、結構リピったのですが、あのこってり味は飽きるのも早かった(いまでも周期的に、二~三枚つまみたくなりますけど)。たぶん99年頃、ゴーダ&チェダーのWチーズヴァージョンがリリースされた頃でしょうね。
こういうおつまみって、ほどほど薄めなほうが後を引きます。スタかぱの、♪やめられない とまらない のキャッチは伊達ではないのですな。
スナック系でほかにフェイバリットと言うと、サッポロポテトのバーベQ味。あの、編み編みカゴかザルを分解したようなやつね。つぶつぶベジタブルよりちょっと大人な辛口。
あとハウスのオーザック。こちらは名前の通りザクザクして、ポテト感より澱粉感が強いのですが、その代わり、たっぷり空気を含んでいて軽い。油けも少なめでギトッとしてなく、カラッとしている。コンソメ味、のりしお味とかいろいろヴァージョンも出たけれど、やっぱり当初のうすしお味に戻って来る感じ。
チープでイージーで、添加物上等で、体に良くないジャンクフードの代表選手みたいに言われる“スナック系”ですが、「ジャガイモ=野菜ベースだからいいじゃない」「エビのカルシウムたっぷりだからいいじゃない」とエクスキューズしてついつい食べてしまいますね。
実家母は、、パッケージングしてスーパーで売っていて、開ければすぐ食べられる体裁になっている食品をいたく嫌っていて、ポテトひとつとっても自分でしこしこ皮を剥いて、かたかた刻んでしゃあしゃあ揚げたものしか実家父のおつまみに出しませんでした。その反動で、月河はジャンクフード、レトルト・インスタントもの大好き。スーパーよりさらに一段イージーでアドホックなコンビニの、売れ線高さの棚に新しいラベルが並んでいるとつい手が伸びてしまいます。袋をピャー開けて、手を突っ込んでポリポリできるジャンクスナックは、幼い頃実家母を見ていてずっと鬱陶しく思っていた“手作り呪縛”へのリベンジでもあるわけです。
カルビーの公式サイトを見ると、ポテトチップスだけでも100種類以上のバリエーションの歴史があるんですね。ざっと見ただけでも明太子マヨネーズ、ガーリックシーフード、にんにく醤油、本格キムチ、梅わさび、炭焼き地鶏、しょうが焼き、チーズフォンデュ、バジルトマト、パリパリ餃子、カルボナーラ、タンドリーチキン、激辛インドカレー、ねぎ塩レモン、ベーコンエッグ味、あさりバター…と、“日本人が好む味”の見本市状態。
“カウチポテト”という言葉の発祥になった国にも、そのポテトの味のバリエがこんなにあるとは思えません。もはや日本独自の食文化と言っていいでしょう。
“家庭の手作り至上”と教育されて育った世代の、お母さんメイド味の“呪い”からも完全に自由ではないけれど、ファミレスにファストフード、おもにUSA由来のジャンクな動物性っぽさやカジュアル感にはワクワクせずにいられない、二律背反な嗜好を映し出しています。