自宅の近辺に、新刊書籍や雑誌の並ぶちゃんとした書店はないのに、BOOK‐OFFはなぜか徒歩圏内に2店あります。
あの悪評高い“山彦コール”って言うの?アレは世間で言われるほど月河は気にならないんですが、どっちのBOOK‐OFFにも共通の、廃品倉庫みたいな古臭い匂いが嫌で、手持ち“在庫”のやむなき処分目的以外どうしても立ち寄る気がしませんでした。
ところが先日、高齢家族の通院付き添いで、たまたま30分ぐらい単独行動できる待ち時間ができてしまい、病院前のいつものコンビニも行き飽きてるし…と思って反対方向を見ると、あらら、ここにもBOOK‐OFFがある。
ここらへんは学生さんも多いし品揃えがちょっと違うかなと、あまり期待せずに入ってみたら、おお、薬臭い病院内にずっと居たから鼻がバカになって匂いがあまり気にならないぞ。
しかも、CDの棚“TVサントラ”の仕切りで、一週間ほど買おうかどうしようか迷っていた『沙粧妙子‐最後の事件‐』オリジナルサウンドトラックが結構な廉価で出ているではないか。
何かが“引き会わせてくれた”ような気がして、迷わず購入して帰宅。
『沙粧』は、90年代、いちばん高体温で次回を鶴首した連続ドラマです。音楽担当・岩代太郎さんのお名前は最近では藤沢周平さん原作の映画『蝉しぐれ』で見かけました。
ドラマ本編のイメージからか、ぞくぞくするスリリングな曲揃いだったように記憶していたのですが、意外に静かめな、ヒーリング・ミュージックのような曲が多いのが意外でした。
2 :THE SHADOW STEPS、3: CHASER FIELD、メインテーマである5: UNBALANCED辺りは、あー『沙粧』の世界が帰ってきた、という満腹感がありますが、その他は10: LA ISLA BONITAインストヴァージョンなども含めて、むしろ仕事を終えた深夜・明け方や、昼下がりなどの癒しタイム向き。
にもかかわらず、解説ブックレット中の岩代さん自身からのメッセージには「“殺人”という行為が持つ怪しげな魅力に身を委ねながら制作した」とアジテーティヴな言葉があるのが興味深い。
もちろんドラマ自体が“快楽殺人”を中軸にしたものだったから、サントラ作曲者のイマジネーションの中心に“悪意”や“破壊衝動”があるのは当然ですが、突き詰めて行くと“再生”“蘇生”と重なる音的イメージに行き着くのかもしれません。
もっとホラーチックな、ダリオ・アルジェント監督の『サスペリア』シリーズのような音を期待したのですが、10年以上も前のドラマの記憶って変わるものですね。思いがけずポジティヴな気分を誘うアルバムでした。
『爆笑オンエアバトル』(28日24:20~)は、最上位2組がシュール系コントだったせいか、レベル的にはともかく印象としては良くも悪しくも落ち着いた回でした。
1位チョップリン477kb、いきなり便器二つ並べての便意ネタで尾篭なスタートでしたが手堅くまとめた。ヒゲのなすび似の人のカン高い声質がメリハリ的に効いている。特に高い爆笑ピークはないんだけど、“音姫”で「恥ずかしさの順番間違ってるでしょう」や、照明落として「グランプリはどっちだみたいになってますよ」など、“節目”の敷き詰め密度が高い。“工事中”のオチがちょっと水圧足りなかったかも。
今回群を抜いてよかったのは2位461kbのフラミンゴ。前回オンエアのネタ“新幹線車中”での欠点・“一本調子”が、ワンテーマのショートコント連作形式で払拭できた。“イス取りゲーム”→“イス取り取りゲーム”→“イス取り取りトリゲーム”と来て“鳥イス取りゲーム”になるナンセンスっぷり、そこから正統お芝居コント“イス取り恋愛ゲーム”に一気に吊り上げる“標高差”の使い方が良かった。
超新塾433kbは例によって例のスタイルで、その時その時の5人のノリコンビネーションや滑舌次第で20~30kbぐらい違ってきそうだけど、神田愛花アナとのネタ後トーク「昔は5人でキャンプとか行ってた」「いや、このカッコでは行かないですよっ」のほうが直球で笑えました。そりゃそうだろうさっ。この人たち、5人で私服でオフグラサンでネタ合わせしてる最中を公開したほうが笑い取れるんじゃないかなあ。
433kb同点3位ブロードキャスト、5位429kb上々軍団、それなりの出来なんだけど、ひと言言わせてもらえば、もうみんなカマネタ少し自重しちゃどうか。面白ければ別に差別ウンヌン野暮なこと言いたくないけど、一連の流れがあってから、カマ入るとたいていそこで“安く”なるんだ。
安くなって、そこから通常の高度に戻すのにえらくエネルギーを消費する。消費した挙句、戻せないこともあるし。子供の会話での“ウ○コ”“チ○ポ”と一緒で、笑いの取り方として卑怯だと思う。
2組の比較では、ブロードキャストのこなれ方が2歩も3歩も先を行っていました。あれで上々軍団と4kb差はちょっと会場きついわ。
ネタ後トークでの「ブロードキャス“ター”!」「“ト”!」で、10年以上前THE YELLOW MONKEYの吉井和哉さんが当時レギュラーMCだった『オールナイトニッポン』で「ハガキにイエローモンキー“ズ”って書いてくる人いるけど、ウチはズは付かないんだってば」と嘆いていたのを思い出しました。
その昔、洋楽アイドルにモンキーズっていたし、当時は“安室奈美恵とスーパーモンキーズ”ってのもチャートにいたせいでしょうね。
そう言やブロキャスのボケ吉村は、どこかしらあの頃の吉井さんを思い出させる空気がある。確信犯的に道化チックな衣装のせいか、細め眉のせいか。
“メジャーになりかかったときには結構おっさん”風なとこか。
顔の下半分でボケても目が笑ってないのがいちばん大きいかな。