長嶋監督の「魚ヘンにブルーで鯖」じゃありませんが、背の青いのも、白身も赤身も貝類でも、海のもの系でアレルギーを起こしたことはいっさい無かったのに、2~3年前から、鮪の刺身、鰹の叩きなどナマ系だけでなく、海老天ぷら、牡蠣フライ、ヘタすりゃハタハタや鰈の煮物、鰤の照り焼きですら、くるぶしや膝など、特に下肢の関節の周りがかゆくなるように。
たとえば鮪なら鮪をひと切れでも食べるたび、毎度毎度なるわけではないし、我慢できない、日常作業に支障をきたすほどの痒みでもないので、都度、忘れてしまうんですな。家庭での食事って、自分がコレを食べたいからという動機で作って食卓に並べるわけでは必ずしもなく、8割がたは“家族に食べさせるための付き合い”ですから、はいはいほらほらと食べてしまってから1~2時間で「あ、コレは来たかな?」。
活きの下がったものとか、生煮え、生揚げとか、食材の状態や調理の仕方とも関係ない様子。何より、家族全員が月河より大量に食べて平気なのに、月河ひとり、どうもムズムズモヨモヨしている。
何年か前、風邪引っ張りの咽頭炎・鼻炎が、春先から初夏まであまりに長引いたので花粉症のたぐいのアレルギーではないかと思い、血液検査をしてもらったことがあります。
結果はシロでしたが、そのとき呼吸器科の医師から聞いた話では、アレルギー症状にはふたつの側面がある。
ひとつは“ビルドアップ”効果と言って、生まれてから少しずつ体内に蓄積して来た抗体が、ある年齢、ある時点で“水面”を突破し鼻炎などの症状が出るに至る。一度突破したら、あとは一生ものだそうです。
「数年前まで花粉症なんて他人事と思っていたのに、ある年突然発症した」という話はよく聞きます。
いつかトーク番組で石原伸晃議員が「オヤジ(=石原慎太郎東京都知事)はボクの花粉症を“精神がたるんでいるからだ”とよく言ってたのに、自分も花粉症になったもんだから、途端に“スギ林はぜんぶ伐採してしまえ”と言い出した」って話してるのも聞きました。
もうひとつは、もともと体内に一定の、“安全圏内”量の抗体を抱えて無症状で生活していても、風邪をひいたりストレス・疲労などで免疫力が低下すると、ちょうど干潮時のように水面そのものが下がってくるので、安全圏内だったはずの抗体でも突破して症状が出てしまう。これは、風邪など原因が治れば免疫力が回復して症状は消える。
自分の場合、3対7ぐらいの比率で、前者より後者が重いのではないかと思いますが、それより何より、鮪とか海老とか鰹とか、栄養たっぷりな魚介類をたらふく食べる機会があまりに少ないので、たまに胃袋に入ると体が“異物”と判断してしまうのかもしれません。うん、むしろそれだね。
『安宅家の人々』は第19話。どう見ても“ホテルごっこ”な宗一(内田滋さん)の総支配人業一日めは、ダイエット中のお客様に、ホテルからの粗品バレンタインチョコ無理やりあげようとして突き飛ばされた程度で大過はなし。キレたお客様も宇田川父さん(深水三章さん)の「のちほどお部屋にハーブティーを」のひと言殺し文句(?)でご機嫌直してくれてるし。おじさま好きか。
結局、宗一が心から欲している女性は永遠に「お母さま」(≒母性)であって、「クニちゃん、笑顔、いちばんデス!」なノリで幼い頃から友達として接して来た久仁子(遠藤久美子さん)にはその代わりが(いまのところ)できない、というところに、ドラマ的緊張感があるのだと思う。男性がセクシャルな感情を湧き立たせるおおもとは母性回帰なので、恋愛・性愛感情の対象には必ず“母”の面影が陰に陽に存在していますが、“友達”は自分と同じ列に、同じ方向を向いて並ぶ同類項ですから、“対象”になり得ない。
「友達付き合いが長すぎて異性として見られなくなった」という話はよくあるし、「男と女の間で友情は成立するか?」なんてアンケート、ディベートもいろんな雑誌やサイトで年中やってますな。
ただ、このドラマ、なかなかそのディレンマに話がフォーカスして来ないんだな。どうする。早く雅子(小田茜さん)をからませてごちゃごちゃさせて行かないと。譲二(小林高鹿さん)にしても佳恵(奈美悦子さん)にしても、イタリアに留学した仁美(宮下ともみさん)にしても1話だけ威勢よく悪役啖呵切っても毒づいても、翌話ぐらいでもうニコニコ円満になっちゃう繰り返しだし。もう1月も終わり、クールの3分の1過ぎちゃうんですけど。