腰椎脊椎に問題を抱えていると、日常生活のあらゆる場面で“バランスの取れた正しい姿勢”がむずかしくなります。
気をつけていても思わず知らず“庇い曲がり”になっている。
先日もそれで、普通にバスタブ内に前屈してシャワー洗顔していたら、首から上の角度が悪くて思いっきり右耳の中にシャワーを注ぎ込んでしまいました。
うわー。頭を傾けてトントンして、その後ついタオルのカドや乾いた綿棒で耳穴をシュコシュコホジホジしたくなるのですが、数年前入浴上がりに同じことをして、片耳突発難聴状態になり、翌日慌てて耳鼻科に駆け込んだら“耳垢塞栓(じこうそくせん)”と一発診断され、結果、日なたで乾いたしょうゆの塊りみたいなブツを耳穴から吸い出されて、えらい恥かいた顛末があるので、ここはじっと手を出さず我慢ガマン。ホジホジすると、きれいになるどころか、逆に水でウルケて膨張した古い耳垢を、無駄に奥へ押し込んでしまうことが多いそうなのです。
じっと我慢していたら、午後になって、耳の中を小っさい刑事さんたちにがさ入れされているような、ガサゴソ、ボソモソ、カスカスシャッシャ、ズォッズォいう耳鳴りがうるさいのなんの。「あんたら令状は持ってるんだろうね!」と開き直りたくなるしつこさ。
ひょっとしてシャワーの水じゃなく、洗顔石鹸水が流れ込んだのかしらん、だったら前回より厄介かな、しかし土曜の午後で病院はどこもやってないし・・と暗澹となりかかっていたら、高齢組が「耳鳴りはどうせ病院では治らない。むしろ、耳鳴りよりにぎやかな音をたてて聴いてた方が気にならなくていい」と、当方の耳鳴りの今般の原因であるところの“シャワー水注入”を見事に無視した、ある意味実に吹っ切れたアドヴァイスをくれました。
ままよといつものマクセル製カナル型イヤホンをぐいいと耳穴に突っ込み、最近ヘビロテしている『軍師官兵衛』『同2』『花子とアン』等のOSTを聴き倒しつつ家事にいそしみ、そのまま就眠したら、がさ入れがまったく気にならないどころか、翌朝あっさり元に戻っていました。小っさい刑事さんたちも撤収して、いまごろは所轄で報告書作成でもしているかのよう。
でも考えてみれば、注ぎ込んだ水けが乾いてひいたから耳鳴りが止んだだけであって、もし前回の様な、たまり醤油の天日干しみたいな耳垢が人知れず存在していたら、何の解決にも前進にもなっていないのですよね。なんかムズガユイような。とりあえず「お小さいかたがた(@『花アン』)」はマネをしないように。水注入も、イヤホンぐいいも。