イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

さようならミセス・ジェット

2013-03-31 16:11:52 | 再放送ドラマ

 世の中コトブキ報もあれば悲報もあるもので。坂口良子さんの訃報をいきなり午前中のNHKラジオ第一のニュースで聞くとは。

 デビューのきっかけになった1971年(昭和46年)の集英社の週刊セブンティーンと言えば、高校生や短大生のお姉さんたちが読んでいるイメージだったので、坂口さんも失礼ながらだいぶお年上と思っていたら、改めて訃報記事の横のカッコ書きを見たら、幾つも違わない、月河とほとんど同世代だったことがわかりました。本当に早過ぎるさよならです。

 同世代のモテモテ可愛い子ちゃん女優さんとくれば、同性のルサンチマン含みの視線でもっと熟視していてもよさそうな気がしますが、不思議と訃報を聞くまで関心の枠内にいたことがない、月河としては言わば“放置してきた”人なんです。

微妙に年上感がある、というより“同世代感がない”のは、坂口さんが可愛さ振りまく盛りの頃のドラマ代表作を、当方がほとんどまったく見ていないからという原因もあります。『サインはV』の実写ドラマ化も、昭和44年の岡田可愛さん、中山麻理さん&范文雀さん版は同世代間で結構話題になり、休み時間のモノマネネタにもなりましたが、坂口さん主演にかわった『新・サインはV』の昭和48年頃には熱が醒めていて、嵌まって観ている子はクラスにもほとんどいませんでした。小学校高学年から中学生になるかならないかの年代は本当に興味の勾配がはやく、夢中になっていても半年かそこらで次の対象に移ってしまうのです。

そこへ持ってきて、(このブログのリピーターのかたならおおかた周知のように)月河はドラマの中でも学園甘酸っぱ青春もの、にぎやか家族ワイワイものがどえらく苦手で、ラテ番組表でそういう臭いのする枠はまたいで通り過ぎるようにしていたという、勝手な嗜好の問題もあります。

ラジオやネットの訃報では『アイちゃんが行く』をデビュー作として言及、続いて『前略おふくろ様』『たんぽぽ』『池中玄太80キロ』を代表作に挙げている媒体が多かったように思いますが、月河はこれらぜんぶ、タイトルだけがギリ記憶にある程度。『前略~』は実家母がわりと見ていましたが、ショーケンと田中絹代さんと、あと桃井かおりさんと川谷拓三さん、ショーケンの職場である料亭の女主人として八千草薫さんと、その娘役で木之内みどりさんも出ていたかな、という感じ。本当に失礼ながら坂口さんがどんな役でどれくらい出番があったのかまったく印象がない。

近い年代の、雑誌モデル出身やオーディション抜擢組の歌手アイドル、たとえば麻丘めぐみさんや浅田美代子さん、ちょっと上の小林麻美さん等に比べると、女優がメインの坂口さんは当時の『明星』や『平凡』といったヤング(←死語)向け芸能グラフ誌で割かれるページ数が少なかったり、載っていても巻頭カラーの華やかなパートでなく、後ろの方の、活字の多いじっくりしたページだったりもしました。

思うに、前出の『前略~』等の“代表作”にしても、坂口さんが出演していなければ成立しなかったような作品ではないのでしょう。広く当時の視聴者に好感を持たれたドラマの、ほどほどの位置に坂口さんは居て、ほどほどだからこそ坂口さんの好感もアップしたというところではないでしょうか。愛くるしさ、隣のお姉さん的な親しみやすさ、失礼ついでに言わせてもらえば田舎っぽいオボコい感じなど、一時期の沢口靖子さんと共通するものがあるように思います。どんな年代の男性でも「好きだな」「かわいいね」「タイプだ」と人に言うとき躊躇や後ろめたさが伴わない。ミス・セブンティーンに行っていなければ、早晩NHK朝ドラヒロインに合格していたような気もしますが、そっち方向にならなかったのはご本人の志向性もあるにせよ、敢えて言えばもうひとつの持ち味“肉体性”でしょうね。朝ドラワールドが譲らない“健康的”の範疇から少ーしハミ出すんですよ。ヒップとかフトモモとか。オンナなんですな。

キャリアを積んでも、可愛らしさや親しみやすさのほうが前に来て、演技力上等!!という感じにならなかったのもいまの沢口さんと似ていますが、あぁこの人女優さんなんだ、芝居できるんだ、と月河が初めて思ったのが1976年(昭和51年)の『グッドバイ・ママ』でした。

ジャニス・イアンのエンディングテーマの胸打つ歌声に引かれてなんとなく継続視聴、お話は悲しいながらもごくごく夢々しいものでしたが、不治の病で迫り来る余命の中、幼い愛娘の父親になってくれる男を探して奔走する若すぎるシングルマザーの役、いま思い返せば坂口さん、放送当時は20歳だったのですね。雑誌モデルあがりで演技キャリアせいぜい45年の20歳で、市川森一さん脚本のあの詩的でホロにが含みの世界を嫌味なく演じられる女優さんがいま居るか??ということになったら、坂口さんに「演技派タイプではなかった」なんて評価は失礼千万でしょうな。

その後ウン十年を経て、月河が女優・坂口さんをいちばんたっぷり見たのは、再放送の昼帯ドラマ『その灯は消さない』と『風の行方』。前者の本放送時は坂口さん40歳、後者では44歳で、ともに子持ち家庭持ちの共働きキャリアウーマン役でした。奇しくもこの少し前に実生活では結婚生活が破綻され、負債を抱えて非常に苦しい状況だったはず。考えようによっては禍転じて福となすで、女優さんも男性主人公の脇で、カスミを食ってニコニコしていればオッケーだった時代から、実社会で働く地に足ついた女性らしく見せなければ役が回ってこなくなった時代を、坂口さんは生身のリスクを冒して、それこそ痛みに耐えて乗り切って見せてくれたわけです。

最近はドラマより、芸能人ゲストトーク番組で、タレントデビューした娘さんの“付き添い”みたいな雰囲気でにこやかに座っている姿の方が多かったような気がする坂口さん。続報によると2年前には重病発覚、通院治療をかさねておられたそうで、あるいは残された時間を悟り、「私があちらに行っても、娘を可愛がって引き立ててやってくださいね」と『グッドバイ・ママ』の心境でカメラに向かっておられたのかもしれません。

何であれ一所に懸命な人の姿は胸を打ちます。この記事を書くために幾つか調べてみたら、デビュー直後は当時のアイドルの例にもれず、女優人気の客を拾うようなシングルレコードも何枚かリリースしておられますが、音楽のほうで稼ぐ山っ気はまったくなかったようで、80年代に写真集2冊出した以外は“演じる”仕事ひと筋でした。見た目のイメージ以上に“女優魂(だましい)”の人だったのです。

初婚の負債から解放され、お子さんたちも自立の時期を迎え、つらい時期を支えてくれた長年の恋人と入籍されて名実ともに第二の人生を、健康で元気で歩まれていたら、演技者としてさらなる新境地もあったでしょうに。

ご冥福をお祈りするとともに、『グッドバイ・ママ』の再放送はないかな。

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朔也この花

2013-03-28 14:55:27 | 特撮・ヒーロー

東京の桜開花が記録的な早さだそうで、ヘタしたら年度末の週末を待たず散ってしまうかもしれないとか。当地では春の彼岸過ぎのめっきり長くなった昼の日差しが、こってり残った白い雪に反射して紫外線浴びまくりなのですが、気まぐれな花の季節のせわしなさにつられるように、最近なんですな、寿(ことぶき)ニュース続いてますな、芸能界。

別にどうでもいい話題でも、短期間にこんだけ束になって連射連打だと、アベノミクスじゃないけどさすがにちょっと景気がいい。

堺雅人さんと菅野美穂さん、中尾明慶さんと仲里依紗さんなど、芸風と言うか立ち位置がとても近くて、年じゅう共演してそうな、これからも一生いつでも共演できそうな感じですが、わざわざ結婚するわけですか(わざわざってことはないか)。特に菅野美穂さんは『女優杏子』の杏子さんのように、全身これ女優ダマシイ!と昔から見えていたので、普通の年齢での普通の結婚はないんじゃないかと思っていましたが、来たねえ塚原卜伝。アンタが来たか。「相手がわずかに前に跳んだのに対し、真っすぐ上に跳んだ分、相手より高い位置から先手打ち込めた」なんてね。よくわからないけどよく落とした。ともに同世代を代表する演技力上等同士だけに、どちらかに浮気疑惑でも兆したら、ハラの探り合いでえらいことになりそうですが。

菅野さんの10代でのデビューがアイドル的な売り出し方で、一方堺さんは自分主宰の劇団活動を経てTV映像では比較的“老成”したデビューだったので、結構年の差カップルかと思いきや今年40歳と35歳、普通にお似合いと言うか“潮時”同士だったんですな。なれそめになった共演作はかなり色っぽい映画らしいですが、なーんか2ショットの雰囲気が“主知的”で、メロメロのエロエロにならないのが演技派のお二人らしいと言えばらしい。

JRA福永祐一騎手とフジテレビ松尾翠アナウンサーってのも来ました。今年もリーディング好調な祐一っちゃん。お父上が騎手として脂の乗り切った盛りに事故で再起不能になり、お母さんが苦労されているので、結婚は遅めで年上の母性タイプがいいんじゃないかと勝手に思っていましたが、やっぱり女子アナはモテるのね。関西のジョッキーさんは滋賀県の栗東(りっとう)トレセンが日常の主な仕事場所で職住近接ですから、関東での騎乗はあるにしても東京キー局のアナとはどうしても遠距離になり、まして福永騎手は国内のGIシーズン外はしょっちゅう海外遠征騎乗しているので、交際継続はかなりご本人たちの努力と、結婚へ向かう意志の強さが必要だったはず。助走が長かった分堅実な家庭を築いてくれるのではないでしょうか。

…その前に祐一っちゃんには今年、大きいトコひとつぜひ取らせてほしいね。できればノーマークなうちに。

(あと、フジテレビ女子アナと言えば、誰だかと噂になった元・アイドルジョッキーがほかにもいたような気がするけど、あちらはどうなったんだったかな。触れないほうが花か)

ナインティナイン矢部浩之さんは元TBS青木裕子アナウンサーと。裕子りんと言えば『サンデージャポン』で初めて見たときには“イジられ担当のドシロウト”かと思いましたがね。“局アナ”として原稿読みや司会進行が成立するギリギリでしたな。矢部っちも名前忘れたけど、下の名前だけで呼んでバラエティで「あぁ矢部の彼女ね」と意味通じてしまう有名な元カノがいたし、お互いにワイドショー週刊誌ネタ、いろいろイロイロあったはずですがあらかた忘れてしまいましたよ。時効というより、風化ってやつですか。もう好きにすれば。ちなみに青木さん、妊娠はしてないそうです。前出の松尾アナも、菅野美穂さんも同様。いつの間にか妙齢の有名女性芸能人の結婚報道には“妊娠してる/してない”の但し書きがつくのがデフォルトになってしまったのだなぁ。

そうそう、ナイナイつながりでもう一件、雛形あきこさんが再婚、お相手天野浩成さん。これは素直にめでたい。平成ライダーシリーズの中でも『仮面ライダー剣(ブレイド)』を偏愛する月河としては橘さんの寿ニュース、祝電の一本も打ちたいくらい。どこに打つんだ。ボードか。1話でいきなり崩壊したしな。

『剣(ブレイド)』のレギュラーライダー勢では天野さんがゴールイン第一号となったか。まぁ最年長(放送開始当時25)だったし順当なんですけど、なんとなーく天野さんも結婚は遅いほうのタイプで、共演の椿隆之さん(←宇宙人的マイペース)か森本亮治さん(←座持ちのいい関西人)にちゃっかり先越されるかもなと思っていたもので。

23年前に熱愛中と報じられて、お二方ともに交際を認めたまでは月河も美容室かどっかで読んでいましたが、その後続報が無かったので自然消滅したかと思ったら、しっかり続いていたんですね。雛形さんの、初婚相手との娘さんがこの3月で小学校卒業なのを期に入籍したとのこと。こういう気遣いが“橘さん”ぽくて良いではないですか。お子さんにとっては、学期のもしくは学年の途中で、親の離婚や再婚で名字が変わり出席番号が変わり、教科書や持ち物にも名前を書き換えなければならないというのは非常に心の痛むことですからね。

ローティーンで子役としてデビューした雛形さんはグラビアでも女優としても周知の活躍ですが、天野さんも高校生時代からモデル活動していて芸歴ならどっこいでしょう。ともに1978年、天野さんが4月、雛形さんが1月生まれで3ヶ月ほど姉さん女房。

初婚が20歳時で、11歳年上のお相手だった雛形さんは、年齢のわりに芸歴、それも“男子が主力客層”で生きてきたキャリアが長いので、どちらかというとうーんと年上の、甘えられるドーンとしたおじさまのほうがつり合うのかなとも思われ、我らが(誰らがだ)天野さんで大丈夫かな?という気も一抹しますけど、シングルマザー生活10年で雛形さんもずいぶん強化したでしょうし。『剣(ブレイド)』ファンは皆応援してます。

いま月河の座右に2005年初版の天野さんのソロ写真集『Gift』があって、前半に“事後のベッドから女性だけいなくなった”みたいなカットもあるのですが、雛形さんはこういう表情の天野さんを毎朝見られるのだなぁ。あーあ。………いや応援してますって。

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叫んでないで感じて!

2013-03-24 23:48:03 | 特撮・ヒーロー

『獣電戦隊キョウリュウジャー』がますます快調です。朝、録画進行しながら背中で音声だけ聴いていても、快調なドラマにだけ特有の“音”というか波動がビュンビュン伝わってくる。この感覚は朝~昼~夜~深夜のドラマを通じても久しぶり。

何が気持ちいいって、戦隊で当然ながらいちばん前に出る機会の多いレッド=ダイゴ(竜星涼さん)がキャラもヴィジュアルもスクッと立っているのが気持ちいいですね。他メンの誰より熱っつくてポジティヴ、猪突猛進なのは定番通りのレッドなんだけど、未熟とかアタマ悪そうとか、無駄に正論吐いてチームの和を乱すとかのマイナス要素が一切なし。第3話でグリーン=ソウジ(塩野瑛久さん)の剣の乱れを嘆く父・源流さん(春田純一さん)に直談判すべく立風館に突撃したとき、しっかりメンバー中いちばん“父兄”受けのよさそうな良家お嬢のピンク=アミィ(今野鮎莉さん)を連れて行ったのには驚きました。戦闘能力やモティベが高いだけじゃなく、人間力もチョー高い。仲間の良いところ、欲しいと思っていることがわかるだけでなく、目上の、自尊心のある大人にものを言うためにはどういう状況を作ったらいいか、さらっと察することができる。こういう対人的スマートさって、いまどきの幼稚園年代のお子さんだけじゃなく、親御さんたちが最も信頼感を持てるヒーロー要素ではないでしょうか。

こんなにクセのない、斟酌も手探り感もなく見ていられるレッドも近年珍しいと思う。「珍しいと思う」というそのことに、実は自分で驚いています。それだけ、ここのところのレッド像、及びスーパー戦隊像は地味に変化球試行錯誤が続いていたわけです。

スーパー戦隊満を持しての“10年もの”恐竜モチーフだけに、今作はどうやらためらいなく“王道”ど真ん中を行く覚悟のよう。頼もしいぞ。“音”が伝わってくるのも道理。

枝葉の部分で悪いけど、紅一点アミィも大概ヤバいですよ。パッと見、近年の戦隊女子メンの中では“直球でかわいい”抱きしめたい美少女系ではなく、ちょっとキツイめ系の、女子テニス部とかハンドボール部キャプテンふうな活発美人さん。この時点では「好みとちょっと違う」と思った男子諸君も少なくないでしょう。いやわかるって。

しかし見たまえ。エンディングのダンスの ♪きょうりゅうと おどっちゃうんだ の所でまる見えになる右フトモモの、男子メンと同じ箇所に着けているガンベルトが、一瞬ガーターベルトに見えたりするじゃないですか。時には娼婦のように。うひゃー。フトモモの肉づき具合ウンヌンより(それもあるけど)、“男子と同じこと(=ガンベルト装着)をしていることで偶然セクシーに見える”というのがポイント高いんです。セクシーに見せようとしてセクシーに見えるってんなら、当節、大してありがたくないですからね。

今日(324日)放送の第6話でも、どうしても女子戦士メイン回だと心情ストーリー重視になりがちなところ、500年前の強竜者ラミレス(ロバート・ボールドウィンさん)との交流からスタートして、ちゃんと単独戦闘話、戦力アップの話になっているところが素晴らしく好感もてました。今年のスタッフは、戦隊女子メンという存在に、しっかり愛とリスペクトを持って制作してくれている。

ざっくり言えば“敵に色仕掛け”という戦隊史始まって以来手垢つきまくった作戦だったにもかかわらず、なーんかオットコマエに見えるのはアミィの人徳と言うべきか。

オットコマエ型ピンクと言えば近年では何と言ってもボウケンピンク=西堀さくら姐さん(末永遙さん)を思い出しますが、彼女は職業的に鍛え洗練されたオットコマエの性格が強く、素は結構乙女でピュアでしたからね。アミィはむしろマジピンクの芳香ちゃん(別府あゆみさん)のシレッとちゃっかりさんなところに、ゴーカイピンクのアイム・ド・ファミーユ(小池唯さん)の育ちよさげ感をプラスしたに近いかもしれない。

お屋敷では執事のジェントルさん(島津健太郎さん)が忠実に仕えてくれているだけじゃなく、今回のラミレスさんも古代戦士のキョウリュウシアンに変身して心強い味方になってくれた辺り、アミィはおじさまキラーな面も兼ねそなえているのかも。恐るべしアミィ。今回記事タイトル↑↑↑にいただいたこのセリフが、今日一日、この時間になっても脳内ループしている男子もギガんといることでしょう。いやわかるってば。

鋼(はがね)の勇者ラミさんは再びスピリットとなって、散逸した獣電池を集めては、これからもときどき危ない場面でサポートに現われてくれるに違いありません。しかしスピリット(ひらたく言えば幽霊)のラミさん、キョウリュウチェンジして何色になるかと思ったら、不祝儀の色=水色(シアン)とは考えましたな。シアンだけに思案したね(ノッさんかよ)。

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国益戦隊シュケンジャー

2013-03-14 17:19:40 | 特撮・ヒーロー

スーパー戦隊ウォッチャーなら誰でも承知ですが、11作のこのシリーズ、1作ごとにモチーフがざっくり「科学←→ファンタジー」「メカニカル←→自然」と交代するのがつねです。

引き合いに出した2003年の『爆竜戦隊アバレンジャー』が、しゃべる古生物という地質時代ファンタジーとしたら翌年の『特捜戦隊デカレンジャー』は宇宙警察、エイリアンもの。

さらに翌2005『魔法戦隊マジレンジャー』は直球でハリー・ポッターシリーズやナルニア国ものがたり要素を盛り込み、次の『轟轟戦隊ボウケンジャー』ははたらくくるま大活躍のモーターメカ主役。

2007『獣拳戦隊ゲキレンジャー』は主人公が密林の野生児、動物体の師匠、敵役もたくさん出てくる一種のネイチャーワールドで、翌年『炎神戦隊ゴーオンジャー』は一転マッハ全開のモーターデバイスワールドでした。

2009年の戦隊から2010『天装戦隊ゴセイジャー』11『海賊戦隊ゴーカイジャー』への3年間はちょっと“かわりばんこ”感がうすいかもしれません。09年は時代劇の伝奇武術もの、『ゴセイ』は天文ファンタジー、『ゴーカイ』は航海冒険ジュヴナイル的で、メカ、科学という理系要素が3年続けて後退していた期間でした。その分2012年の『特命戦隊ゴーバスターズ』がメカメカ大行進のゴリゴリ時空SFで…と言うより“ネイチャー度、ファンタジー度ほぼ皆無”3年分を取り返しました(?)。

その反動で黒木司令が『相棒11』で強盗殺人逃亡&児童誘拐凶悪犯人になってしまった(というわけではない)。

……そしてやってきた本年2013年の『獣電戦隊キョウリュウジャー』は待ってましたとばかり、ブレイブでワイルドで生き物感にあふれています。

この順番でいくと2014年はメカ科学SF優勢の戦隊になりそうですが、『デカレン』のような“警察”モチーフが、似たテイストの『ゴーバス』から間隔が近すぎてやりにくいなら、1999年の『救急戦隊ゴーゴーファイブ』以来の“レスキュー”戦隊はどうでしょう。東日本大震災でも大活躍で、救急救命士の皆さんをリスペクトするお子さんは多いと思います。

いっそ全員お医者さん設定にするか。内科、外科、眼科、耳鼻科、皮膚科に追加戦士が歯科医の“総合病院戦隊”。ナビィ、データスハイパー、ボンパー…のポジションで薬剤師さんも。

でもレッドもブルーもいない“ホワイト”だけの戦隊になってしまうな。

命を救う仕事である医師が、敵怪人とは言え物をしゃべって意思を持つ生命体を“滅ぼす”のはまずいと、企画不成立かな。

医師にせよ救命士にせよ、時節柄災害救助に特化した戦隊もいいかなと思ったのですが、ここのところ地震に津波、台風豪雨、豪雪と洒落にならない人身災害が続発しているだけに、災害遺児の皆さんのトラウマに塩を塗らない様にネタを作るのはキツそう。

“復興大河”『八重の桜』じゃないけれど、こういうデリケートな方面への配慮は、「無し」じゃ当然ダメですが、あまりに「配慮のための配慮」化すると逆撫で、ヤブヘビになります。何より作品がカチコチのスカスカになります。まずは作るほうが楽しく自由にのびのびと。

理系のターンから外れますが、そろそろ格闘技戦隊も見たい。スーツアクターさんたちの熟練の体技を、崩し無しで見られる。2007年『ゲキレン』以来の“東洋徒手格闘技”テーマで、喩えが適切かどうかわかりませんが(たぶん不適切だと思いますが)いろんなタイプの『紅三四郎』が5、みたいなのできないかしら。

全員“レッド”じゃ困るけれど。

『柔(やわら)戦隊イッポンジャー』…いやその、ロンドン五輪での男子金メダルなしに続いて女子代表の体罰問題と、柔道界いま苦境に立たされ続けていますから、ここらでイメージアップ巻き返しのためにもひとつ。

日本の国技と言えば大相撲。こちらも主にモンゴル方面からの“外圧”に抗戦中。『土俵戦隊ドスコイジャー』…自分のタイトルセンスの無さに倒れるな。全員“肌色”の戦隊ってのもカッコよくない。て言うか気持ちが悪い。

戦隊が“苦戦分野のテコ入れ広報”ツールに使われるのも気持ちよくないですね。いま、どこの業界、何の種目より苦戦中で明日が見えないのは“政治”だったりしますが(ここで記事タイトル↑↑↑に戻る)………なんだ、普通に安倍総理の言う“国防軍”に限りなく近づいてしまうではないか。気持ちよくないのなんの。

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派手な人たち

2013-03-12 14:30:43 | 特撮・ヒーロー

放送前の媒体情報で、獣電戦隊“キョウリュウジャー”と聞いたときに、

「 ま  た  恐  竜  か 」

と思ったのはトシヨリの感覚そのものでありまして、“直近”の“恐竜モノ”スーパー戦隊である『爆竜戦隊アバレンジャー』2003年=平成15年放送ですから、なんと今年でもう、まる10年経つのでした。

月河のようなトシヨ…いやその大きな大きな大きーーーなお友達になりますと、10年なんてあっという間で、何もしないうちにあららららーんと平坦に過ぎてしまい、振り返っても昨日のことのようですが、03年当時、番組メインターゲットたる就学前年齢の小さなお友達だった皆さんはいまや中学1年か2年、3年。ニキビざかりのティーンエイジャーになっているわけで、幼稚園卒園、小学校入学と卒業、中学校入学という、緊張感、晴れがましさにあふれる人生の節目を3つも4つもはさんでいますから、「恐竜の戦隊?なにそれスッゲー昔にあったような気もすっけど」と記憶のかなたに遠のいていることでしょう。

もちろん2013年現時点の就学前年齢さんたちにとってはすべてが初見。東映スーパー戦隊も作を重ねて3837作、毎年“卒業更新”のある客層向けに10年間隔をおいて同題材という作り方は問題ありません。問題なさすぎてかえって当方の歳月感覚のトシヨリさ加減が如実に浮かび上がる。

この10年が平坦でなかった証しに、『アバレンジャー』メンバーも気がつけば結構激動しています。アバレイエローのいとうあいこさん寿(ことぶき)引退、恐竜やスケさんの奥村公延さんはアナザーアースならぬ普通の天国へ旅立ってしまわれました。ゲスト出演のスマイリーキクチさんの、何だっけ?ネット上の組織的風評被害みたいな事件もありましたっけ(ゲスト出演前から続いていた件らしいけど)。

アバレブルー富田(冨田改め)翔さんは一昨年『海賊戦隊ゴーカイジャー』で『アバレン』のレジェンド代表としてえみポン西島未智さんと参戦してくれました。アバレッド西興一朗さんは2009年の『仮面ライダーWのアームズドーパントでぶっぱじけてからは、むしろ悪寄りの役で見かけるほうが多いような。ヒーローOB俳優としては芸の幅が広がったということで、むしろ歓迎すべきかも。アバレキラー田中幸太朗さんが、普通の1話完結ドラマや2サスゲストでいちばん多く露出しているかもしれません。

『アバレン』劇場版のゲストからは、実に逮捕者まで出ていたりする(沈)。

 やはり、
10年と言えばひと昔、ひと昔でも昔は昔です。10年ぶりの恐竜モチーフ戦隊は、じゅうぶん新鮮な完全新作。

それでもつい旧作と比較してしまうのが、積年の情報量を誇る大きなお友達のヤらしいところで、ティラノザウルスモチーフの“ガブティラ”たち獣電竜諸君の造形を見ますと、『アバレン』爆竜の皆さんのそれがなんとなーく積み木のような、レゴブロックのようなアナログな質感だったのに対し、かなりモビルスーツ風と言うか、デバイス然としています。

竜星涼さん(“リューセイ・リョー”って響きがルーシー・リューみたいでエキゾチック)扮する“キング”こと桐生ダイゴ=キョウリュウレッドは久々に屈託なくポジティヴな、自然体レッド。塩野瑛久(あきひさ)さんの立風館ソウジ=グリーンはピュアな青二才くん、斉藤秀翼(しゅうすけ)さんのイアン・ヨークランド=ブラックちょっとオレ様キャラで、今野鮎莉(あゆり)さんのアミィ結月=ピンクはお嬢さま…と概ね王道な設定の中、金城大和(きんじょう・やまと。それにしても今年のキャストは難読芸名揃いで)さんのノッさんこと有働ノブハル=ブルーが“ブルーなのにいちばん暑くるしくてアンチスマート(ガテンユニホ、もしゃもしゃ頭、無精ヒゲ)なルックス”という掟破り。設定年齢32歳と、破格の年長さんな上、妹と妹の幼い娘と3人暮らしで“変則子持ち”ですね。この辺り、先輩恐竜モチーフ戦隊のアバレッド伯亜凌駕とも似ています。2話で早くも「家族は弱みじゃない、力だ」「守りたい家族がいるから強くなれる」というメッセージで設定が活きてきているし、今後いずれ、年くってることを武器に転じるエピも見せてくれるでしょう。

んでもってそのノッさん妹=優子役は2004年の『特捜戦隊デカレンジャー』デカイエロー木下あゆ美さんなんですね。こちらもリアルアラサーですが輝き失せぬクールビューティー。なにげに実生活でも昨年ミセスになっておられる。

10年で恐竜モチーフ再登場のサイクルなら、来年は『デカレン』を継ぐ“刑事”テーマの戦隊が登板してもいい気がしますが、前作『特命戦隊ゴーバスターズ』がサイバー警察的な色彩も持っていたので、あと5年ぐらい持ち越しか。代わりに4話でイアンの回想シーンの元相棒役として2008『炎神戦隊ゴーオンジャー』ゴーオンブラック海老澤健次さんが参加。元・刑事になりたい交番巡査の軍平。あだ名“フケメン刑事”。本人は認めなかったが。

背伸びツンデレでイジられキャラの軍平がはまり役と見えた海老澤さんも、5年経ってすっかり“心の先輩”ポジションの似合う落ち着きが出ている。やはり歳月はあららららーーんで平坦じゃいけません。生きとし生けるもの皆、前を向いて登り坂下り坂、前に進みませんと。今年一年はブレイブな諸君と期す成長。

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