『海賊戦隊ゴーカイジャー』最終話の興奮もさめやらぬうちに本日(26日)スタートした『特命戦隊ゴーバスターズ』、いやー毎年思うんですけど、スーパー戦隊はこの、「1月は逸す、2月は逃げる、3月は去る」という語呂合わせくらい何だかんだあわただしい時期に、ずわーーっと盛り上がってズバッと終わって、翌週さくっと新シリーズが始まるという若々しい手際のよさ、足取りの乱れなさが気持ち良いんですよねえ。つまらん改編期スペシャルや、録りためた通常回録画か、来たるべき特典映像付きDVDをくまなく見りゃすむような、ヘタクソ編集の総集編など1週も挟まない。ゴーカイジャー諸君諸姉が先週宇宙に派手に行っちゃったら、今週はもうレディゴー!なのです。
これから夜、編集した録画を舐めるように鑑賞する至福の時間帯を待つわけですが、朝の仕事の片手間にさらっと流していると、まずは紅一点=イエローバスターの宇佐見ヨーコちゃん(小宮有紗さん)がほとんど反則的にかわいいじゃありませんか。何だあの、この世のものとは思われない顔の小ささと、嘲笑うかのごとくその好対照をなすピン張り太ももの豊かさは。
2008年『炎神戦隊ゴーオンジャー』で楼山早輝=ゴーオンイエローの逢沢りなさんも、初見でいきなり「こんなにベタに全方位かわいい女の子を子供のヒーロー番組にって、贅沢だろ日本国、バチ当たんぞ、天災くんぞそのうち」と憤ったり不安になったりしたものですが(←大袈裟だし)(しかもちょっと的中したし)、今作も本当にヒロインが大当たりの予感です。
設定16歳(演じる小宮さんも今月16歳になりたて)。お子さんたちにとっての、“強くて頼りになって、一緒に遊んでくれそうなお姉ちゃん”であり、ちょっと大きめのお友達にとっての“応援して、守ってあげて、ちょっとカツ入れてもほしい勝ち気な妹”であり、そんな子らのお父さん族にとっては“めっきりオンナノコらしくなってきて目が細まるが、男友達とか連れてきたらどうしよう…な愛娘”であるとともに、最近の“1チャイルドに5ポケット”(=子供ひとりに、共働きの両親と、両親のそのまた両親=祖父母、総計5人の財布がつぎ込まれる)時代を考えると“お菓子とかねだられたら果てしなく買ってあげちゃう理想の孫娘”と思って見ている早起きシニア世代も、全国のお茶の間に多そうです。
最年長の兄貴格=ブルーバスター岩崎リュウジくん(馬場良馬さん。←この名前で、競馬番組のレポーターのひとつもやってないのはもったいない)の、“ハードな営業の合間に遊歩道ベンチでドリンク飲んでそうな、世慣れこなれた社会人”ぽいさりげない世俗性もいいし、もちろん新召集のレッドバスター桜田ヒロムくん(鈴木勝大さん)のやんちゃ弟キャラも、ハズレなくお子さんたちの仲間意識を呼びそうで好感度大。ヒロムくんの美人のお姉さんリカさん(吉木りささん)は、最終話までに病気が治って、ブルーとレッドが義兄弟になったり…は、ないか。
敵役悪役好きの月河としては、敵集団ヴァグラスの地球潜入高等工作員?プログラマー?らしきエンター(陣内将さん)が最大注目ですね。慇懃無礼、上から目線、ヌメッとした感じは、『獣拳戦隊ゲキレンジャー』のロンを思い出させるところもありますが、金属的に無機質なようでもあり、両性的で、植物っぽくもあり、生身アクションの機動性も今後ますます期待できそう。
演じる陣内さんは『ゲキレンジャー』のゲキレッド鈴木裕樹さんや同じく理央さま荒木宏文さん、『ゴーオンジャー』のゴーオングリーン碓井将大さんらと同じD‐BOYSで、ヒーローを輩出する下地はあるんですね。それも悪側で、理央さまのような、“原点はヒーロー側と一緒だったが何処からか道を誤って行った”改心協働の余地のある悪じゃなく、かなり“人工的に鍛え上げられ精錬された”、高純度な悪な感じ。末頼もしや。
長いシリーズで悪役を鑑賞する楽しみに、“行く末、プロセス、末路を想像する”楽しみがあります。正義のヒーローものドラマなんだから最終的にヒーローが勝つことは自明ですが、どんな風に倒され、滅ぼされるのか、あるいはどんな風に“悪であることをやめる”のか。向こう一年間、毎日曜朝ボンジュール、シルヴプレ。