タロットカードの勉強している過程で存在を知った“オラクルカード”、こちらにもちょっと一時、寄り道しました。
タロットカードは大アルカナ22枚、4スート各14枚からなる小アルカナ56枚、計78枚とフォーマットががっつり決まっていて微動だにしませんが、オラクル(=“神託”、天からのお告げ、くらいの意味)カードというのは作りが自由で、デッキによって30枚のもあれば、70枚のもあります。一枚ずつテーマに沿った絵柄に、単語やメッセージフレーズがついていて、カード本体に印刷してある場合もありますが、デッキ一体の解説ガイダンスブックにまとめて載っている場合もあります。
月河はタロットの勉強を始めるときに、「タロット=占いツール、と固定してとらえないように」を念頭におくようにしていました。占いグッズとしてだけ眺めちゃうと、絵の意味取りとか、読んだストーリ―の組み立てとかどうしても狭くなってしまうからなんですね。
もともとは占い専用に企画発祥したものじゃないというところがタロットのおもしろさ、奥深さですから。
なもんで、シャッフルして任意の一枚を引いてメッセージを受け取る専用のオラクルカードはどうも性に合わないというか、自分とは別の世界のアイテムだと思って、あえて踏み込まないつもりだったんですけど、上述のようにフォーマットが自由なので、作家さん画家さん、あるいは写真家さんの思想性やアイディアが濃く、鮮明に出ます。
これが面白いんですよね。民話、神話、伝説、天文学、植物学、鳥類学、鉱物学、古美術、ファッションやミュージックシーン、シネマ、テレビドラマシリーズなど、いろんな世界の切り口がある。
タロットのように、2枚から10~12枚、複数枚引いて、質問ごとに配置するポジションを決めて、めくって開示する順番も決めて読んでいく、“約束ごと”に縛られないので、何か決めたいときにササッと出してシャッフルしてスッと引いて読める敷居の低さもあります。
タロットのように、天地さかさま=“逆位置(リバース)”で出たら意味が変わってきたりネガティヴになったりという事もありません。うん、これはストレスがない。占いとして見ようとすると、だいたいみんなあのリバースってやつで頓挫するんだよね。
月河が贔屓になった、古代の夢占いをベースにした或るオラクルカードデッキの画家さんは「(ダ・ヴィンチの)『モナ・リザ』はさかさまでも、誰もが『モナ・リザ』とわかる。」(大意)と解説ブックの前書きで書いておられました。・・確かに。
とはいえ、毎度毎度メッセージを受け取ると依存しちゃって、本来の勉強が進まなくなるので、いまはオラクルカードは“テーマ画集”“写真集”として、眺めて気分転換する用に特化させてます。
メッセージを受け取るつもりはなくても、眺めている中で或るカードだけ手触りが違って感じられたり、ほかより色が鮮明に見えたりすることもあり。
そういう時はこっちが疲れているだけかもしれませんが、意識せずとも日々、いろんなものからいろんな“お告げ”を雨のように浴びながら人間、生きているのかもしれない。オラクルカードも、占い用として臨むときのタロットカードも、人間のそういう無意識の知覚を、昔の人がどうにかしてシステマタイズしようとして編み出し、コンニチに至っているのでしょう。
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