CザンヌのナチュラルチークN 14 ラベンダーピンクを昨夏、店頭で出合いがしらに衝動買い、それから、その少し後だったと思いますがまた気になる“色モノ”を見つけてしまいました。
CャンメイクのパウダーチークスPW39 スミレパープルと、同じくPW38 プラムピンク。
Cャンメイクはだいぶ前から“色モノの新しいの欲しい欲しいマインド”になったときに、すごくツボに来る色を多数展開してくれる行きつけブランドになっています。当地の大手のドラッグ&コスメストアではなぜか壁面の狭いところにみっちり並べられていることが多いのですが、埋蔵宝箱を発掘するような気分でサンプルを物色するのもまた楽しからずや。
PW39は、CザンヌのN14にぱっと見、似ていますがもう少し青み優勢にした、ライラックっぽいパープルピンク、PW38のほうはプラムと言えばプラムだけどどっちかというと葡萄酒の原液のような紅紫色に、さらっと牡丹鼠(ぼたんねず)を混ぜたような、華やかさと渋みのある、一種、和風な雰囲気もある色です。
どちらも、ケース越しの製品色はそれはお洒落な色ではあるけれど、アイシャドウとして目周りにちょろっとじゃなく、頬っぺたにドワッとつけたらどんなんなるんだコレ?と一瞬ためらうような、いやそうであるがゆえに“色モノ心”に火をつけ闘争心をかき立てるようなお色。
見つけたときは「こないだCザンヌの14を買ったからいいや」と素通りしたのですが、 この14が思っていた以上に“使える”色だったので、「チークの“青み含み、紫寄り”はポジティヴにとらえるべし」と認識を新たにしたところで、先日、購入チャレンジ。
まずPW39 スミレパープル。意外に、Cザンヌの14ラベンダーピンクよりも、肌につけるとライトでブライトで、青ざめ感はまったくありません。これは、製品色ではほとんどわからないけれど、しっかり粉体に含まれている白パールの効果だと思います。粒子が細かいのでお星さまのようなキラキラ感ではありませんがかなりツヤ肌仕立てになります。
Cザンヌの14を“肌の内部から灯をともしたようにほわんと明るくなる”と前のエントリで書きましたが、こちらCャンメイクのPW39はその灯をマット乳白色のシェードから、クリスタルカットのライトにしたようです。
Cザンヌ14が「自前の肌のコンディションが良好なとき向き」とも書きましたが、こちらは、自肌の張りツヤがいまいちなときのレスキューにも向きそう。
月河はそういうニーズからは遠ざかっているのですが、“より華やかに、夜の照明映えするように見せたい”向きには、もっと彩度の高いピンクのチークの上に重ね付けして、セミハイライトとして使うのもアリではないかと思います。
注意すべきは、底映えのするパール効果のため、赤みは少ないにもかかわらず基本的に“膨張色”ですコレ。月河もそうですが頬の面積が広めで肉付きもふっくらめで、日頃から「もうチョットほっそり顔になりたいな」と思っている向きは、用心して“だだっ広く”つけないこと。クリスタルライトをポッと照らしたいところ“だけ”に、楕円形にシュッとつけて終了にしたほうが照明効果があります。指のハラであらためて頬の骨格をたしかめて、頬骨より下に広げないよう、頬骨の“尾根”より上で完結するように塗るのがコツ。頬骨の下に入ると、むくんだように見えることがあるんですよ。
さて一方、PW38 プラムピンク。こちらは、とにかく特筆すべきはその発色の良さです。ケース越しの製品色だけ見て、黒ずんでる?DVされたあとのアザみたいな顔になるのでは?なんて尻込みする必要はまったくなかった。肌にのせると、牡丹色に近いきれいな薔薇色になります。
PW38の最大の課題は“つけ過ぎない、乗せ過ぎない、塗り過ぎない”こと。これはいくら強調しても強調しすぎにならない。ブラシでサッと取って、手の甲でサッと落として、あらかじめ頬の塗りたい場所を左手でポイントしておいて、迷わずそこにササッ。「もうちょっとつけたいな」と思う所できっぱりやめておく、なんだか“お酒と上手につきあうコツ”みたいですが、こういうパワーのある色を、逃げ腰で最初っから恐る恐る、ちょこちょこ何タッチもつけていたら、みるみる面白いほど厚塗りのコント頬紅になります。
チークは発色の良い製品ほど、大胆かつ抑制的に。今度はなんだか安全保障政策のような。安倍さん、小野寺さんわかってますか。大胆かつ抑制的に。災害救援は迅速かつ太っ腹に。飲み会の写真は内輪だけに。だんだんずれてくるな。
先に“和風”“渋み”とも書きましたが、製品付属のブラシよりもう少し小ぶりのブラシを用意して、目尻にもシュッとつけて頬との“連係感”を出すのもアリです。これがうまくいくと、顔に求心力が生まれて小顔化効果があります。紅色系やローズピンク系など、パッと見が突出してくる系の色を目尻にからませるとピエロ風になったり、舞妓さん風になったり、さらにやりすぎると昔懐かしい竹の子族チックになったりしますが、このPW38ぐらい抑えめ彩度なら成功率高いと思います。
Cャンメイクのこのパウダーチークスシリーズは、ケース付属のブラシのクォリティもなかなかのものがあります。単色チークの中では各社総合でもトップクラスではないでしょうか。毛量と柔らかさがちょうどいいし、何より、毛部分の幅が製品トレイの幅からはみ出さないので、粉を無駄に散らさずにサッと取るという基本動作がとてもしやすい。
ただ、柄の部分が短いので持ち辛いという人は多いかも。ケースに収まり切って持ち運び可能なサイズの範囲内で、毛部分サイズを優先した結果でしょうが、ちょっと惜しいですね。