旧聞どころかもう7年ぐらい前になります。NHKBS‐2(←このチャンネル自体すでに無くなってしまった!)で『怪奇大作戦 セカンド・ファイル』が放送されていた2007年春頃、シリーズ第3話『人喰い樹(じゅ)』を見ていて思い出した1985年のスペシャルドラマ『受胎の森』について、ここで1エントリ書いたことがありました。
自分で自分のブログの記事を検索して確認するのも間抜けなので大体の記憶で言うと、「脚本の市川森一さんは最近はワイドショーのスタジオコメンテーター(←当然この番組も終了して久しい)としてのほうが顔と名を知られているが、月河はオリジナル『怪奇大作戦』の第8話“光る通り魔”と、この『受胎』と、2作の脚本をもって、市川さんの存在を正当としてあげてもいい」ぐらいのクソ生意気なことを吹いたんじゃないかと。なんかそんな気がします。違ったかな。
その『受胎の森』が、BSCSのTBSチャンネルで今月22日(木)と来月6月14日(土)とに再放送されるとの情報がどこからともなく入ってきました。
ともにPM9:00~の1時間50分枠なので前後編に分けてではなく、フル放送を2回やってくれるようです。
きゃー贅沢。本放送は1985年の、確か新年度の歓送迎会・新プロジェクト立ち上げ壮行会ラッシュや、北国の遅いお花見などの“バブル期リーマン夜の生活”が一段落して、帰宅後ゆっくりTVを見られるようになった5月の、ちょうど今頃だったような記憶があるのですが、放送データを調べると6月だったようですね。
再放送がかなうとなったら、当時のVHS録画、どうにかして保存しておきたかったなぁと、ますます切実に思います。いまのHDレコーダーのようにCMカット編集などはできない相談でしたが、当時はまだ元気だったSAISONグループの1社提供スペシャルでしたからCMの入れ方も纏まっていて、再生するたび早送りするのも簡単でした。
最後のほうに新番組として桃井かおりさんと原田芳雄さん、名高達郎さんや佐藤友美さんらがご出演でバブリー感たっぷりな『夫婦生活』なんてドラマの番宣も入っていたのを覚えています。あぁ何故保存できなかったのだろう。
しかもさらに悲しい事に、うちはCS環境にないので、TBSチャンネルが見られないのでした。30年近い歳月を超えて、やっと訪れた再視聴のチャンスなのになんということでしょう。
前のエントリを書いてからの7年間に、ときたま“受胎の森”という検索ワードでうちのブログに飛んできてくれるかたもおられるようなので、可能なかたはぜひ忘れず視聴&録画してください。5月22日と6月14日ですぞ。保険として両方に録画セットしておくのだよ。天災、事件、訃報、TV放送界、何があるかわかりませんからね。
前のエントリで記憶をたどってあらすじを書いてから、「VHSを処分してから年数がたっているので、妙な脳内リメイク・脳内編集をしている可能性もあるから、保存しているかたは“そうじゃなくてこうだよ”と遠慮なく指摘してください」と書いた記憶もあります。今般はさらにさらにご指摘のほどよろしく。
とにかく本放送当時31歳の“元祖お嫁さんにしたい女優”竹下景子さんが美しい。“リケジョ”なんて言葉は当時はもちろんなかったのですが、「こんなに美しい人が独身で研究一筋なんて、絶対、相当なんかあっただろ」と登場即視聴者の心を揺らします。
さらに同じく本放送当時36歳、1983年の『スチュワーデス物語』でプチブームを起こして以来バンドを率いて歌手活動もする絶好調、この85年にはNHK大河ドラマ『春の波濤』で準主役もつとめていた風間杜夫さんの、得意の“身勝手男”役ぶりも必見です。
この二人の名前並びを見てピンときた、そう『ゲゲゲの女房』のイトツ&イカル夫妻贔屓のあなたも、絶対見なきゃ損しますよ。
山岡久乃さん、緒形拳さん、故人となられた名優の、決して主役とテーマの邪魔をしない抑制のきいた助演ぶりも見どころです。この時代は本当にドラマがいろんな意味で本気でした。
なんだかTBSとCSの回し者みたいな記事になってしまいましたが、これでこのドラマの視聴経験者が増えるかと思うと、自分が見られなくてもなんだか妙に嬉しくなったもので。市川森一さんも彼岸で喜んでくれていると思います。