リキデンタルオフィス 医療関係者向けブログ

オリジナルHP: http://rikidental.client.jp/

2018年最初の記事は、症例からの問題提起

2018-01-05 07:50:07 | Weblog
新年あけましておめでとうございます
今年も皆様にとってよき一年となりますように祈念申し上げます。

さて 新年最初は顎機能障害における治療について

症例は顎機能障害を何年にもわたり患っている患者。
咬合治療も行う矯正専門医の所で3年程、スプリント治療や
咬合治療を受けるも全く症状が改善しないということであった。

初診時所見では、一見正中離開がみられる程度の歯列だが、
顎機能やレントゲン画像診断の診査から、
病的咬合であることはすぐわかる。(病的咬合に至った病因も考える必要がある)
そこで私は、顎機能回復のための処置を2カ月ほど行ったところ
機能障害の改善と不定愁訴がなくなり、その時の顆頭安定位での上下顎歯列関係と
顎関節部のレントゲン画像所見は写真で示す。

では、ここで問題提起
顎機能及び神経筋機構との調和をめざす咬合治療はよく掲げられているが
実際このような症例の場合、機能回復を行うためにどのようにアプローチするべきか考えてもらいたい
写真で示す顆頭安定位での咬合関係を
・補綴的に咬合再構成するのか
・矯正治療によって咬合位を構築するのか
ほとんどのDrは矯正治療を考えるであろう。
しかし、このような事例の場合、矯正治療をどのように行うのか。
例えば矯正専門医が、GPからこの位置関係になるよう動的治療を
行ってほしいと委託された場合、実際どのように矯正治療を行うのか考えてもらいたい。
治療ゴールのイメージは分かるはずだが、よく考えてみれば困難な矯正であることに気づくと思う。
先生方ならどう処置します?

ちなみにこの症例、東京の矯正専門の先生が、似たような症例でいままで悩んでいたらしく
このような事例に対する私の手法が理にかなった方法であると驚ろかれ、
自分にこの症例の矯正をぜひ任せてほしいとのことだった。
大阪から来ている患者なので、東京まで矯正治療で通院してもらうことに悩んだが、
患者は私が紹介する矯正医ならどこにでも行くよということだったので、結局
一般処置は愛知、矯正治療は東京という治療になった。
通院だけでも時間と費用がかさむのに、
治療の意義が見える通院は苦ではないという言葉を患者からもらうと、いつも身が引きしまる。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。