ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

宅録:メロトロン・サウンドを求めて2

2013年07月23日 | 音楽制作
 「宮殿」でキング・クリムズンにはまり、プログレに夢中になってしまった私にとって、メロトロンという楽器はとても魅力的だった。クリムズンの2作目「ポセイドン」や3作目「リザード」でもその重厚なサウンドが聞かれ、ますますのめり込んだ。当時はシンセサイザーもエマーソンや冨田勲「月の光」等によりかなり注目される楽器だったが、私としてはメロトロンに強い関心があった。だからそれが使われているアルバムをいろいろ探したものだった。クリアーライト・シンフォニーのようなマイナーなグループも含めていくつか聞いたのだが、結果としてより効果的に使っているバンドは、ジェネシスとPFMに落ち着くものと思う。強烈な印象として残っているのは前述のクリムズン初期3作なのだが。

 一度、秋葉原のラオックスだったと思うが、楽器売り場に本物のメロトロンが置かれているのに遭遇したことがある。実際に手を触れ、鳴らすことができたのだが、言葉では表現できないほどの感動であった。と同時に、弾くのが難しそうな楽器だなとも感じた。音が不安定で(それが売りでもあるのだが)、鍵盤はテープ再生装置のようなものなので、早弾きにはなじまなくて、音の持続も最大7秒。その辺を考えながら弾くには慣れが必要だと思った。しかし、あの白い箱形の憧れの楽器に触ることができたのは本当に幸運だった。(写真はKeyboard magazine 1987年6月号でのメロトロン紹介記事。再生されるテープが所狭しと並んでいる。)

 今、iPhoneで再生可能なMANETRONというアプリがある。これも往年のサウンドを手元で弾くことができ感動モノである。そして遡ること7年前、メロトロンがソフトシンセ化されたのを知り購入した。それがM-Tronという製品である。今年になってようやくそれを使いこなすようになった。ずいぶん時間がたってしまった。(今まで仕事が忙しすぎたのである…。)とはいえ、自宅であのメロトロン・サウンドを奏でることができるとは感慨深いものがある。次回はそれについて述べたい。(続く)