
毎年札幌ではSapporo City Jazzというイベントが行われている。中心部の大通公園2丁目にテント方式の会場が特設され、様々なアーティストが演奏をする。ここでは過去にジャズ・ヴァイオリンの寺井尚子、昨年はサリナ・ジョーンズのライブを見た。そして今年小野リサが来るということで、ボサノバ好きの私は早々にチケットを購入。彼女のライブはたぶん5度目になる。過去のライブはすべてコンサートホール・キタラで行われたもの(クラシック専用の大きなホール)。今回は会場が小さいので、できれば最前列をということで行動に出た。
今日の札幌はとても良い天気で、日中太陽の日差しがとても厳しかった。その中、良い席を取ろうと早めに並んだ。City Jazzのライブでは、チケットは前売りで買っても座席指定がされていない。当日開場の1時間前から会場にて受け付け、自分の好きな席を選ぶ仕組みとなっている。従って早く行けば行くほど良い席が取れるのである。もっとも、そのためには並んで待たねばならない。今日は炎天下だったので大変だったが、何とか最前列中央のテーブルの一角を取ることができた。

私が見たのは昼の公演。メンバーはピアノ、ベース、ドラムそして小野リサのギター&ヴォーカルとシンプルな編成。ほんの5メートルくらい先に、リサさんがギターを抱え座った。こんな間近にみられるとは、暑い中並んで苦労した甲斐があった。セットリストも1曲目が「イパネマの娘」と実にうれしいスタート。サマーサンバやワン・ノート・サンバ、3月の水などボサノバの有名曲も多数演奏されたが、世界各国の曲も盛り込まれ、フランス語、イタリア語、英語そして日本語などジャズやポップスも含めた多彩な選曲である。フランス語による「男と女」は実にうれしかったし、「ワインレッドの心」のボサノバのアレンジとポルトガル語のヴォーカルも良かった。(これは自分でも試す価値ありと見た)。
MCによると、札幌に来たのは2年半ぶりで、昨日札幌入りしてからメンバーとジンギスカンを大食いしたそうだ。驚いたのは、リサさんの祖母が小樽出身だと言っていたこと。実は北海道とも関係があったとは。こうして時は過ぎ、盛り上がりながら1時間40分のライブは終了。日本の曲を集めた最新アルバムJapao2に収録されている「いのちの歌」をアンコールで披露したが、心にジーンと来るとても良い歌だった。高めの年齢層のお客も皆満足そうな顔で会場を後にした。もちろん、私もその一人である。静かに余韻が残る、とても良質なライブであった。City Jazzでは毎回出演するアーティストが何人かいるので、小野リサ次回公演、切に期待したい。