ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

スティーヴン・ウィルソンのソロ新作 Hand.Cannot.Erase.

2015年03月07日 | プログレ
 本日スティーヴン・ウィルソンの新作が届いた。彼はイエスやクリムズンの過去作の5.1サラウンド・リミックスを一手に引き受けていることから知ったミュージシャンである。しかしバンドやソロ作を聞くと独特のプログレ世界を展開しており、ずっと気になる存在であった。そして今回新作を初めてBlu-rayで購入。まずは第一印象を。

  この2年ぶりの新作ソロはコンセプトアルバムである。SWの言葉によるとJoyce Carol Vincentというイギリス人女性が家族や友人がいるにもかかわらず都会で3年間見つからない孤独死を遂げた実話からヒントを得たとのこと。そんな予備情報があったため冒頭の数曲は情念を感じる作品に思えた。しかし後半はプログレ風バンドサウンドが炸裂。シンセやギターが大暴れでソロを奏で、メタル・クリムズン風サウンドの合間にメロウな美しいフレーズが入り込むところがウィルソンらしい。美しさと荒々しさを併せ持つ、いつもどおりの妖しいサウンドで、特に13分に及ぶ9曲目のANCESTRALが聞き所である。

 Blu-ray盤での購入は始めてであるが、リーフレットがCDと比べると大きめで目によい。また本編を再生すると画像がシンクロし、視覚にも訴えてくる。サラウンド処理は全編にわたり立体感を醸し出してるが、強調しすぎということもなく音空間に自然に身を任せることができる。その他Blu-rayには、レコーディング風景の映像や数曲のヴァージョン違いが収録されている。さらにうれしいことにDLコードが封入されており、リリース元のサイトからflacとmp3ファイルの両方がダウンロードできる。

 リーフレットには各曲の演奏パーソネルが記載されているが、ほぼ全編にわたりSWが「メロトロンM4000」という楽器を使用している。現代に蘇った新しいメロトロンとのことだが、プログレ大好き人間としてとっても共感できるところである。

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