香が散る

本を読むのが大好き、少し前からノロノロですが走るのも好き
そんな、代わり映えのしない、でも大切な日々を書き綴っています

満月

2011-04-18 21:36:08 | 本のこと
今日は満月

まん丸の満月が、今は写真よりもっと高い位置
パワーが降り注いでいる感じ

一気に読まないで、枕元に置いたり
ちょっと外出するときに、鞄に入れて
電車の中で読んでいる本がいま2冊ある

白州正子さんのエッセー『金平糖の味』

自分の色をみつけること――。“韋駄天お正”が実らせた人生観。
「生誕100年記念刊行」卓越したユーモアによる名エッセイ。

 家のおやじは金平糖のおやじ、甘いなかから角が出る──。
 亡くしてから知った親孝行の意味。本物以上に多くのことを
 教えてくれた贋物の骨董。初めて拝むということを体験した
 十三歳の伊勢詣で。「自分の色」を見つけることの難しさ。
 数々の失敗の末に実らせた“韋駄天お正”の人生観とは。忘れ
 得ぬ人々や旅の思い出、惚れこんだものを深い洞察で捉えた
 ユーモアあふれる名エッセイ。

白州正子さんの文章は初めて読むのだけどとても心地好い
ドラマで中谷美紀さんが演じた白州正子さんはエキセントリックだったけど
このエッセイからはそういうふうには感じられない
年を重ねてから書いた文章だからかな

そして、吉行理恵さんの『湯ぶねに落ちた猫』

 雲、蜻蛉、猫の名前である。「蜻蛉はすこし離れた場所に座り、
 邪気のない目でそっと見ていた。薄い緑に茶の線が交差した
 蜻蛉の翅のような目差しだった。彼女は部屋の中の一番静かな
 場所で息を引き取った。干潮の刻だった」と微妙な独特の距離
 感で猫を映し出す理恵。愛する猫たちを題材にした小説、随筆、
 詩を中心に編む、猫と詩人の優しい空間。

ずっと昔に吉行理恵さんの『小さな貴婦人』を読んで
独特の世界観にはまって、何回か繰り返しよんだのだけど
何故かその1冊しか読まなかった
この本は短いエッセイで、猫との生活のことばかりなんだけど
読んでいてふわっとやさしい気持ちになる

父が生きていた頃、「本当にあんたたちだったら本ばかり読んで」と
わたしと父のことを変わり者扱いしていた母が
この頃、父が遺した本棚の中から本を読み出した
重松清さんがお気に入りらしく、一生懸命どこがいいか語る
母の妹にも貸して、2人で感動して語り合っているらしい
でも、読み始めると疲れるまで集中して長時間読んでしまうらしく、
疲れた、疲れたと言う・・・なんか、親ながら可愛らしい人だわ