世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

カラスの女房

2007年08月29日 | Weblog
残業中、外線電話が鳴った。
社長からだ。
彼の、猛烈な怒りを含んだ声が受話器を通して伝わってきた。

で、その矛先はどうやら私らしい。

これがいわゆる聖水というものか。
にゃ~るほど。
ついに、私もこれを直に浴びる時が来たのね。
私の先輩や上司が受けてきたこの洗礼。
いつもは吉熊上司が守ってくれたり、また他人事だと鼻白んでいたんだが、いざ自分が直撃すると…けっこうなダメージを受ける。

内容は、私からのホウレンソウ(報告連絡相談)が無かったこと。

「この件については、吉熊くん(吉熊上司)と〇〇さん(私)しか頼れません。
だからね、これからはね、一つお願いしますね」

ガチャンッ!

と、電話は一方的に切られた。

こえー…。

トホホ、と受話器を置く。

でも、なぜか…すっげー嬉しかった。
こんな私でも頼りにしてくれる社長の気持ちを、奇跡のように感じられた。

まるで、
散々罵声と暴力を振るわれた挙げ句、最後は「俺にはお前しかいない」と甘く囁かれて、奈落の底に堕ちてゆく
…昔の日活映画に出てくる女性のような自分。

まあ、いいさ。
仕方がない。
惚れたもん負けだ。

受話器を握りながら、ドリンキングバードのように頭を上下運動させ、ひたすら「気を付けます」「申し訳ございません」を繰り返すのも悪くない。

社長は飴と鞭の使用方法を極めている。
だからこうして、カラスの女房みたいな社員を育てることができるのだ。

明日からはストーカーのようにホウレンソウしちゃうYO!


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