世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

長からむ 心も知らず黒髪の…

2009年12月07日 | Weblog
昨夜は久々によく眠れた。ノンストップゴーゴーで目覚まし時計の音に辿り着けた。珍しい。
眠れたのは良いが、寝相が悪かったせいか、朝起きたら頭に酷い寝癖がもれなく刻印されていた。
寝癖を撃退するべく、髪を水で濡らしながら、百人一首の歌を口づさむ。

長からむ 心も知らず 黒髪の
乱れて今朝は ものをこそ思へ
(待賢門院堀河)

→末長く変わらないという、あなたのお心もはかりがたく、お逢いして別れた今朝は、黒髪が乱れるように心が乱れて、あれこれともの思いすることです。

まあ、なんて官能的な歌なんだろう。
背丈よりも長い黒髪がしどけなく乱れ、艶やかにうねっている。
そのあやしいまでの美しさが、同時に女の千々に思い乱れる心をも言い表している。殿方が立ち去った朝、一人で過ごす時間が経つにつれて、恋するがゆえの疑いと不安を悶々と反芻しているのである。


この歌は私の中で、寝癖の歌と位置付けている。
共通点は乱れた黒髪のみ。

私には恋心もへったくれもない。
まして、後朝の相手はクマ数匹である。
乱れた髪とリンクするのは「今日は雑費の予算、完成できるのかなー…」という色気もくそもない心情だ。

でも、寝癖を直す朝は、この歌の世界にどっぷりと浸かってしまう。
妄想のみでここまで多幸感を味わえるだなんて、我ながらお得な性格だと思う。


歌を回想しながらの雅な朝を過ごしていたら、出掛ける時間ぎりぎりになってしまった。
…嗚呼。

長からむ 心も知らず 黒髪の
乱れて今朝は 朝食抜きだよ

グ~…(空腹)

コメント (2)

壊れかけ

2009年12月07日 | Weblog
後輩女子Cちゃんの電話機が新しくなった。
たまたま在庫があったそうだ。
いーなー。

私の電話機は、超機嫌が悪いと仕事を拒否する。与えられたミッションを遂行してくれない時があるんである。内線が鳴り、受話器を取っても通じないことが多々してある。

「え?無言電話?社内にストーカーがいるのかしらん?きゃーどーしよー!ふふん」
とドキドキしていたのも束の間。
単なる電話機の故障だと知ったとき、ちょっとだけがっかりしたことはここだけのヒ・ミ・ツ。

だいたい6回中1回は無言電話状態。裏返しにして電話線を抜いたり、ふーふーしたり(ファミコン経験者ならば分かるはず)、騙し騙し使用している。
こんな状態でも、なかなか「新しい電話機が欲しいです」とは言えない雰囲気が当社にはひしひしと漂っている。経費削減のもと、「贅沢は敵だ」という戦中思想がどことなく漂流しているからだ。

「きっさまー!電話機ぐらいでガタガタ言うな!この非国民め!歯を食いしばれ!」
と副社長(昭和一桁生まれ)あたりから殴られることは多分ないと思うが、なんだか言えない。

でも、これはチャンスかも。Cちゃんに便乗して私の電話機も交換してくれるかもしれない。そんな希望的観測を胸に抱きつつ、私は言った。

「実は私の電話機も壊れかけなんですよ。ちょっとしたレディオ…みたいな。あは」


すると…

「使っている人も壊れかけですからね」
と、後輩男子タイスケくん。

「いや、〇〇さん(私)はもう壊れてるだろ」
と、吉熊上司。

「ブロークン!」
と、後輩女子Cちゃん。あなたまで!


もう~!

もう少し、我慢するか。あの電話機で。
…欲しがりません、勝つまでは。

月月火水木金金…。
コメント (4)