昨夜は久々によく眠れた。ノンストップゴーゴーで目覚まし時計の音に辿り着けた。珍しい。
眠れたのは良いが、寝相が悪かったせいか、朝起きたら頭に酷い寝癖がもれなく刻印されていた。
寝癖を撃退するべく、髪を水で濡らしながら、百人一首の歌を口づさむ。
長からむ 心も知らず 黒髪の
乱れて今朝は ものをこそ思へ
(待賢門院堀河)
→末長く変わらないという、あなたのお心もはかりがたく、お逢いして別れた今朝は、黒髪が乱れるように心が乱れて、あれこれともの思いすることです。
まあ、なんて官能的な歌なんだろう。
背丈よりも長い黒髪がしどけなく乱れ、艶やかにうねっている。
そのあやしいまでの美しさが、同時に女の千々に思い乱れる心をも言い表している。殿方が立ち去った朝、一人で過ごす時間が経つにつれて、恋するがゆえの疑いと不安を悶々と反芻しているのである。
この歌は私の中で、寝癖の歌と位置付けている。
共通点は乱れた黒髪のみ。
私には恋心もへったくれもない。
まして、後朝の相手はクマ数匹である。
乱れた髪とリンクするのは「今日は雑費の予算、完成できるのかなー…」という色気もくそもない心情だ。
でも、寝癖を直す朝は、この歌の世界にどっぷりと浸かってしまう。
妄想のみでここまで多幸感を味わえるだなんて、我ながらお得な性格だと思う。
歌を回想しながらの雅な朝を過ごしていたら、出掛ける時間ぎりぎりになってしまった。
…嗚呼。
長からむ 心も知らず 黒髪の
乱れて今朝は 朝食抜きだよ
グ~…(空腹)
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眠れたのは良いが、寝相が悪かったせいか、朝起きたら頭に酷い寝癖がもれなく刻印されていた。
寝癖を撃退するべく、髪を水で濡らしながら、百人一首の歌を口づさむ。
長からむ 心も知らず 黒髪の
乱れて今朝は ものをこそ思へ
(待賢門院堀河)
→末長く変わらないという、あなたのお心もはかりがたく、お逢いして別れた今朝は、黒髪が乱れるように心が乱れて、あれこれともの思いすることです。
まあ、なんて官能的な歌なんだろう。
背丈よりも長い黒髪がしどけなく乱れ、艶やかにうねっている。
そのあやしいまでの美しさが、同時に女の千々に思い乱れる心をも言い表している。殿方が立ち去った朝、一人で過ごす時間が経つにつれて、恋するがゆえの疑いと不安を悶々と反芻しているのである。
この歌は私の中で、寝癖の歌と位置付けている。
共通点は乱れた黒髪のみ。
私には恋心もへったくれもない。
まして、後朝の相手はクマ数匹である。
乱れた髪とリンクするのは「今日は雑費の予算、完成できるのかなー…」という色気もくそもない心情だ。
でも、寝癖を直す朝は、この歌の世界にどっぷりと浸かってしまう。
妄想のみでここまで多幸感を味わえるだなんて、我ながらお得な性格だと思う。
歌を回想しながらの雅な朝を過ごしていたら、出掛ける時間ぎりぎりになってしまった。
…嗚呼。
長からむ 心も知らず 黒髪の
乱れて今朝は 朝食抜きだよ
グ~…(空腹)
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