旦那は、あまり夢を見ません。
見ても、現実的な内容が多いようです。
一方、私はというと…。
「内容はともかく、夢を見る回数を分けて欲しい」
──と、旦那に言われるほど、よく夢を見ます。
私的には、夢を見ない方が熟睡できている旦那の方が羨ましいのですが…。
しかも、非現実的な内容が多いというのが、“内容はともかく”と言われる理由なんですけどね。
まぁ、非現実的といっても、夢ゆえに、よくある事は“普通”かもしれません。
思いっきり走って逃げたいのに、スローモーションのように体が重くて動かなかったり、空を飛んだり、芸能人が出てきたり、それから…一生懸命 何かを読もうとしても、何故か周りが真っ暗で、見えたとしても針の先ほどの視界しかなく、なかなか読めない…とか。
え…それはない?
いや、まぁ…それくらいはよくあるかな、と。
起きてみたらそれほど悲しくない事でも、夢の中ではすっごく悲しくて──涙は流しませんが──泣きながら起きたとか、溺れる夢を見て、苦しくて起きたとか…。
あとは…誰かと誰かが戦っているようなシーンを、第三者の立場で見ていたのに、まるで映画やドラマで画面が切り替わった途端、戦っているのが自分になってたり…とか、ないですか?
私的には、よくある普通の“非現実的な事”なんですが…。
20代の頃に見た“非現実的な夢”で印象に残っているのは、風呂の中にいたドジョウが腹から真っ二つになって、「いやぁ~、大変 なんとか生き返らさなきゃ」と、人工呼吸をしたり心臓マッサージをしたり…。
挙句の果てには、お風呂の蓋を半分ほど丸め、その丸めた所にドジョウの上半身(?)をもたれさせ、切断された部分をくっつけるように、下半身部分(?)を平らなお風呂の部分に寝かせたら、息を吹き返したので、もの凄く嬉しい思いをして起きた…なんてものもありました。
人に話す時には既に笑い話で、一緒に働いていた後輩は「お腹が痛い…」というほど、笑ったものでした。
そんな夢で済むなら、まだ良かった…。
夢の中で済むものならね。
──というのも、最近の夢は“起こされる”んですよ。
誰にって…自分の声にですよ。
ある時は、洪水で水があふれた川の橋を、何故か旦那が歩いていくんですよ。
「危ないって…」
──と言っても、
「大丈夫だ」
──と言いながら突き進んで、しかも、橋から身を乗り出すもんだから、落ちちまった…。
川の流れはすごく、絶対に助からない…と思ったら、何故か土砂が溜まったような隆起した所に旦那が乗り上げ(足場はとても狭い)、近くに木があったので掴まってたんですが…。
ならば、救助隊なんかを呼んで助けてもらおうと思っていたのに、旦那は自らその木を使って川から上がろうとするんですよ。
川の流れは急で、ちょっと動いたらすぐに足を取られる、そんな状況ですよ。
もちろん、叫びましたよ。
「動くなっ」
あれ?
声が出ない…?
「動くなって」
何とか振り絞りますが、聞こえてるのか否か、それでも旦那は動こうとする。
だーかーらー
「動くなっ」
うわっ
声が出た。
声は出たけど、夢じゃなく、実際に声が出たので自分の声で起きちゃいましたよ。
しかも、隣で寝ていたコビトも…。
それから数か月ほど経った、先日のこと。
何故かスノボーで二人乗りをして(旦那が前、私が後ろ)、雪の上ではなく道路を滑っていた旦那。
誰かを探していたんですけどね、この際、それはどうでもいい。
問題は、カーブに差し掛かったところで“ガガガガガガガッ”という音を立て、転んだこと。
現実的に考えれば、当然の結果でしょう。
でも、夢の中は旦那はそれが気にくわなかったらしく、えらく不機嫌になりました。
「これくらいで“ガガガガガガ”っていうのはおかしい(おかしくない)」
──と。
そこで、腹を立てながら転ぶ時にぶつかった、道路のわきにあった切り株を抜こうとしたんです。
「そんなに怒らんのー。ってか、抜けないって…」
──と私が言っても、腹の立った旦那は無視して切り株を引っ張りました。
でも、その勢いよく引っ張った途端、木ではなく自分の手が滑って、後ろの崖から落ちてしまいました。
しかも、高さはウン十メートルもあり、落ちていくさまが、私にも見えます。
一番下では両足で着地するような形になりましたが、
「ひぎゃっ」
──という悲鳴が聞こえた直後、前のめりに倒れ込み、それからピクリとも動きません。
ヤバイ、ヤバイ…この高さでは絶対に助からない…と、私も気が動転しながらも、助けを呼ばなきゃ…と叫びました。
「誰かっ…」
うわぁっ
またまた自分の声で起きちゃいました。
もちろん、コビトも起きて、しばらく眠れないようでした…。
あぁ~…。
自分の声で起きるなんて…。
これも、年のせいですかね…~