錆鉄人と天女の感動人生

幸福度日本一の福井で一番幸せな夫婦の登山や温泉旅行、ガーデニング・Doit等の楽しい日々の記録です。

豚コレラ騒動記

2019-09-02 08:07:13 | 防獣・防鳥
去年、岐阜県で豚コレラに感染しているイノシシが見つかった時、錆鉄人は喝采をあげたものです。

錆鉄人だけでなく、中山間地に住むすべての住民が同じ考えだったと思います。

「これは必ず福井県にも伝染してきてイノシシが全滅するはず!」

冬の間は雪深い県境の山を越せないにしても、

春になったら福井県でも豚コレラにかかったイノシシが出て来るはずと思いました。


期待して待っていましたが、

なかなか豚コレラに罹ったイノシシが発見されたニュースはなかったのですが、

7月になって遂に大野で発見され、すぐに錆鉄人の住む越前市旧今立町で発見されました。

このニュースが出た途端、錆鉄人は市に電話して

絶対にワクチン入りのエサを撒かないよう要望し、

もし播くならそれ以降に発生する町内の被害は市で全部保証してくれと要求しました。


中山間地に住む住民は金額は小さいかもしれませんがほとんどみんながイノシシの被害に遭っていて

イノシシに食べられたり、荒らされてしまうので畑での野菜作りを諦めてしまった家も少なくありません。

諦めずに畑をする家は、イノシシに入られないように畑を鉄筋メッシュで囲ったり、電気柵を設置したりしています。

鉄筋メッシュは突進されて突破されてしまう事があるので電気柵が主流ですが

電気柵は設置したままだと雪が降ると支柱が折れてしまうので、

秋には撤去して春にまた設置する作業を繰り返す必要があるばかりではなく

電気柵の下の草が伸びて電線に接触すると「アース」されてしまう事になり

電圧が低下してイノシシの侵入を許してしまうので年間4~5回の草刈りが必要です。


全ての家の畑や田圃にこの費用・手間を掛ける事を考えれば、

局所的な養豚場を豚コレラの汚染から守る事はたやすい筈です。

イノシシの接触ではなく、ネズミや鳥、あるいは人間を介して豚コレラが感染するともいわれていますが

何れにしても養豚場を防御するほうがはるかにたやすく、費用もかからないはずです。

しかしながら、一般住民の被害や対策にかかる費用は見捨てられているのが現状です。

農政省の統計にも数字は全く上がっていないものと思われますが、

もっと重要な事は東京に住んでいるおバカな評論家、コメンテーターがその事実を全く知らない事でしょう。


養豚場への防染対策をどのようにしていたかは分かりませんが

7月中旬に旧今立町のN養豚場で豚が豚コレラに感染しているのが発見され、全頭殺処分され、

さらには8月中旬、天女さんちから1km程しか離れていない隣集落のSさんの養豚場でも豚コレラに罹った豚が発見され

約700頭が殺処分され、近くの田圃に埋められました。

発見された日は娘と孫を羽田空港まで送り東名に入ったばかりの所で市から電話が掛かり、

説明会を夜行うから出席してくれとの事でした。

高速はお盆帰省の渋滞がひどかったのですが、渋滞が終わったらぶっ飛ばして走り、説明会に出席しました。


説明会の趣旨は、

豚コレラは人間には感染しないので何ら問題はないとの事と

養豚場の豚は全数殺処分を行い、近くの田圃に埋めるとの事でした。

埋める場所は川のすぐ横であり、死体から流れ出る駅で皮が汚染されないかとの質問がありましたが、

ブルーシートを敷き、豚は袋に詰めて埋めるから心配ないとの説明でした。

誰も信じる者はいなかったと思いますが、

すぐ下流の集落の田圃ではその川の水は使わないので、区長や農家組合長も認めるしかなかったようでした。


この殺処分は豚コレラに罹った豚を人間が扱う為に防染対策として白い服を二重に着て作業する為

(この作業服は毎回焼却又は埋設処分されるのだと思われます。)

日中は暑くて作業できない為に、夜間に100人体制✖2交代で4~5日かかって行われました。

ざっと見積もって1か所5000万円から1億円の処理費用と思われます。

福井県知事は豚にワクチンを打つように政府に要求しましたが、

ワクチンを打つと汚染地域と国際的に認定されて「輸出が出来なくなる」為に

ワクチンを打たないとの事ですが・・・いったい金額にしてどれだけ輸出されているのか?

中部各県でこれらの殺処分で使われた費用は数十億円になると思われますが・・・


実は、Sさんの養豚場で豚コレラが発見される数日前に

市からワクチン入りのエサを撒かせてくれと電話があったのですが、

前回と同じように、

「住民の被害を全て負担してくれると約束してくれるのならOKするけど、断固拒否します!」と答えました。

もしイノシシを生かす為にワクチン入りのエサを撒く事を許可したと言ったら、町内の人から袋叩きにされそうです。


しかしながら、近隣の集落の区長はどう答えたのか?

恐らくワクチン入りのエサを撒くことを容認して、イノシシはのうのうと生き延びているに違いありません。

S養豚場の下流の集落に一番姉が住んでいて、一昨日庭木を伐りに行ったのですが

切った枝を捨てる為に横の山際に持って行くと、イノシシが掘り返したまだ新しい穴がありました。

きっとワクチンで死ななかったイノシシの仕業です。


天女さんちの集落では最近はイノシシの被害を訴える人がいません。

昨日、ミョウガを取る為に山に行くと・・・



イノシシの骨と思われます。

胴体部分



頭の部分



ふーん、イノシシも虫歯があるんだ!


という事で、この付近のイノシシは死滅したのかもしれません。

この死体から300m程離れた所に檻を設置しているのですが、

イノシシが捕まらないばかりか周辺に掘り返した跡もありませんから。


しかしながら、25日にはお寺の横をウリ坊主(イノシシの子供)が通ったのを見たという事です。

天女さんちの集落だけワクチンを撒かなかった為に死滅したとしても、

すぐに近隣から移動してきてしまうので効果は一時的でしかないと思います。


国はなんという錯誤した対策を行っているのか!

もともとイノシシもサルもこの近辺には住んでいませんでした。

そういう状況に戻れる千載一遇のチャンスだったのに、未来永劫イノシシに悩まされる事になりそうです。

まさに「大山鳴動してイノシシ一匹」です。


そして、もっと怖いのはこういった獣が病原菌やダニなどを山にまき散らし、人間が感染する事です。

我々中山間地の住民は何十年も前に山の木が何の価値もなくなって以来、

山に行かなくなり、今でも山にはまず行きませんが

そうなった時、登山する人や山菜を取りに山に入る都会の人が被害を受ける事になると思われます。

日本人が何千年も掛けてこういう有害鳥獣を退治してきて安心に暮らせるようになっていたのに、

大昔の「恐ろしい国」になってしまったのです。


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2 コメント

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Re: (錆鉄人)
2019-09-03 08:11:12
国や県の役人は都会のコンクリートの中にいるだけで
中山間地や山の実態を知らないからだと思います。

報告として挙がって来るのは、
豚が豚コレラになったとか
田圃が荒らされたとか統計に出るような事だけで
(今はイノシシが田圃に入らないように集落ぐるみで電気柵をしているので、
被害はないと認識している可能性もあります。)

今の法律では我々に対応する手段が全くないのが事実で
もう取り返しの付かない状況になっているのは間違いなく、
都会にもサル「軍団」が進出するのは間近ではないかと思います。

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Unknown (のりまき)
2019-09-03 02:10:27
毎度この記事を読むと思うのですが、本当に深刻な問題ですね。
国は猪や猿がいなくなると、何か困る事があるのでしょうか?
行政の人間に聡明な人はいないのでしょうかね???
返信する

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