最高裁判所裁判官の暴走を許さない

最高裁判所裁判官の国民審査は、衆議院選挙の時の「ついでに」ならないようにしましょう。辞めさせるのは国民の権利です。

採用時に仕事内容が決まっているのに、同意なしに変更は駄目よ

2024-06-15 07:39:49 | 日記
令和5(受)604  損害賠償等請求事件
令和6年4月26日  最高裁判所第二小法廷  判決  破棄差戻  大阪高等裁判所
労働者と使用者との間に当該労働者の職種等を特定のものに限定する旨の合意がある場合において、使用者が当該労働者に対してした異なる職種等への配置転換命令につき、配置転換命令権の濫用に当たらないとした原審の判断に違法があるとされた事例

毎日新聞の報道です
職種限定の配置転換訴訟 「同意なしで命令できない」最高裁が初判断
勤務する職種を限定する労使合意があった場合に、雇用者が労働者を配置転換できるかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(草野耕一裁判長)は26日、「労働者の同意なしに、配置転換は命令できない」との初判断を示した。原告の労働者側の主張を退けた2審・大阪高裁判決(2022年11月)を破棄し、審理を高裁に差し戻した。

一方的な配置転換は違法 最高裁、働き方の労使合意重視
最高裁が前提としたのが08年施行の労働契約法だ。同法は労働者と使用者は対等な立場と強調し、労働契約の締結や変更には合意が必要と定める。労働基準法が守られるべき労働条件を示しているのに対し、個別契約を巡る基本的なルールとされる。
労働契約法が制定された背景には、就業形態の多様化や労働紛争の増加があった。労使の同意を重視したのは立場の弱い労働者の保護を図りつつ、トラブルを未然に防ぎ労働環境を安定させる狙いがある。
最高裁はこの日の判決で、労働契約で職種限定の合意があった場合、使用者には労働者の同意なしで配置転換する権限がないと明確に示した。ベテラン裁判官は「職種だけでなく勤務地などを限定した場合にも同じ考え方が当てはまる」とみる。


事実認定を見ていきます。
(1)公の施設で、福祉用具について、その展示及び普及、利用者からの相談に基づく改造及び製作並びに技術の開発等の業務を行うものとされており、福祉用具センターが開設されてから平成15年3月までは財団法人が、同年4月以降は上記財団法人の権利義務を承継した被上告人が、指定管理者等として上記業務を行っていた。

別に公務員という訳ではないようです。施設運営の指定管理者の従業員みたいです。

(2)上告人は、平成13年3月、上記財団法人に、福祉用具センターにおける上記の改造及び製作並びに技術の開発に係る技術職として雇用されて以降、上記技術職として勤務していた。上告人と被上告人令和5年(受)第604号 損害賠償等請求事件令和6年4月26日 第二小法廷判決との間には、上告人の職種及び業務内容を上記技術職に限定する旨の合意があった。

どういう仕事をするのか、事前に取り決めがあったようですね。

(3)被上告人は、上告人に対し、その同意を得ることなく、平成31年4月1日付けでの総務課施設管理担当への配置転換を命じた。

雇い主が労働者に、(2)の約束を無視して同意なしに他の業務を愛じたようです。これは職務記述がしっかりした会社であれば、こういうことは起きえません。諸外国であれば即裁判です。日本はこの点があまりにもいい加減で問題があるところです。なので従業員がいる事業所は本当に注意したほうがいいですよ。
二審は「そんな細かいこと言うなよ」という判断だったようですが、最高裁は違いました。

労働者と使用者との間に当該労働者の職種や業務内容を特定のものに限定する旨の合意がある場合には、使用者は、当該労働者に対し、その個別的同意なしに当該合意に反する配置転換を命ずる権限を有しないと解される。上記事実関係等によれば、上告人と被上告人との間には、上告人の職種及び業務内容を本件業務に係る技術職に限定する旨の本件合意があったというのであるから、被上告人は、上告人に対し、その同意を得ることなく総務課施設管理担当への配置転換を命ずる権限をそもそも有していなかったものというほかない。

その通りだと思います。慣習的には融通を聞かせて雇用を守るという風に言われますが、事業所は雇用を守る目的ではありません。

裁判長裁判官 草野耕一  当然
裁判官 三浦 守  当然
裁判官 岡村和美  当然
裁判官 尾島 明 当然

ただね、どうしても気になることがあります。労働者は契約通り自分の仕事をするのでOKです。ただその仕事がなくなった、あるいはその仕事を十分にやれないというのであれば、解雇ももっと自由にできるようにすべきです。

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