平成30(受)1563 土地明渡等請求本訴,所有権移転登記手続請求反訴事件
令和元年7月18日 最高裁判所第一小法廷 判決 破棄差戻 大阪高等裁判所
都市計画区域内にある公園について,湖南市地域ふれあい公園条例(平成17年湖南市条例第35号)に基づく公告がされたことをもって,都市公園法2条の2に基づく公告がされたとはいえない
ニュースでは出てこなかったので、面倒ですが判決文から事実認定を見ていきます。
公園の敷地として占有する被上告人に対し,本件土地につき上告人が所有権を有することの確認並びに所有権に基づく本件土地の明渡し及び賃料相当損害金の支払を求めるものである。
厄介な感じが見えてきますね。公園に勝手に建物を建てたのでしょうか。たまに、測量が雑で道路にかぶっている建物もありますが。
都市公園を構成する土地物件については私権を行使することができない(都市公園法32条)と規定していることから,上告人の本件土地の明渡請求及び賃料相当損害金の支払請求の可否に関して,本件土地を敷地とする公園(以下「本件公園」という。)が同法に基づいて設置された都市公園に当たるか否かが争われている。
そんなことがあるんですね。誰かから寄付でも受けてなし崩しに公園になってしまったのでしょうか。
(1)A社は宅地開発のため,滋賀県知事から都市計画法所定の開発行為の許可を受け,当該許可に係る開発行為に関する工事を完了し,昭和60年6月21日,当該工事が完了した旨の公告がされた。
バブルの走りですね。県知事の許可を受けて建物を建てたとなると、行政側が確認しないでやらかしてしまったのでしょうか。
A社が所有していたところ,上記開発行為に関する工事により公園として整備されたことから,同月22日,その所有権が本件公園を管理すべき者である旧石部町に帰属した(都市計画法40条2項)が,旧石部町への所有権移転登記はされなかった。
おいおい、行政が肝心の登記をしなかったと。
(3) 被上告人は,要旨次のとおり規定した「湖南市地域ふれあい公園条例」(平成17年湖南市条例第35号。以下「本件条例」という。)を制定し,本件条例は,平成17年12月22日に公布,施行された。
登記をせず20年間過ぎたわけですね。
ア 本件条例は,湖南市地域ふれあい公園を設置することにより,市民の福祉の増進及び地域のコミュニティ活動の推進を図ることを目的とし(1条),市長は,上記公園を設置するときは,その名称,位置及び利用開始の期日を公告する(2条)。
イ 本件条例の施行に伴う経過措置として,本件条例の施行の際に現に設置している公園で,2条の公告がされていないものは,同条の規定にかかわらず,本件条例の施行の日において本件条例の公園となるものとし(付則2項),市長は,本件条例の施行の日から遅滞なく,同項の公園について同条に定める事項を公告しなければならない(付則3項)。
なお,本件公園については,都市公園法2条の2に基づく公告はされていない。
思いっきり行政の不作為ですね。
(5) 本件会社は,平成27年3月2日,破産手続開始の決定を受け,破産管財人が選任された。上告人は,同年12月24日,本件土地を本件会社の破産管財人から買い受け,その所有権移転登記を受けた。
これって、破産管財人はちゃんと調べなかったのでしょうか。買った方は善意の第三者ですよ。
原審は,自治体の本訴請求のうち本件土地の明渡請求及び賃料相当損害金の支払請求に係る部分を棄却すべきものとした。
私もこの原審が妥当だと思いますね。
ところが最高裁は、
都市公園法2条の2は,都市公園は,その管理をすることとなる者が,当該都市公園の供用を開始するに当たり都市公園の区域その他政令で定める事項を公告することにより設置されるものと規定し,都市公園法施行令9条は,上記の政令で定める事項は,都市公園の名称及び位置並びに供用開始の期日とすると規定している。・・これに対し,本件条例に基づく公告は,都市公園としての供用開始ではなく,湖南市地域ふれあい公園としての利用開始を明らかにするだけのものであり,その区域を公告することは予定されていない(前記2(3)アの本件条例2条参照)。
看板なりなんなり出していたのでしょうか?明らかに公園とわかるようにしてあったならまだしも、その点が一切かかれていません。ということは、完全に行政の不作為ですよね。
そして,上告人の本件土地の明渡請求及び賃料相当損害金の支払請求が権利濫用に当たるか否か等について,更に審理を尽くさせるため,同部分につき本件を原審に差し戻すこととする。
また中途半端な逃げ口上を!事実認定が今一つなのか法令解釈が今一つなのかよくわかりませんが、行政の不作為について一切触れていないのはどういう事なんでしょうか?
全員一致で補足意見もありません。
裁判長裁判官 山口 厚 今一つ
裁判官 池上政幸 今一つ
裁判官 小池 裕 今一つ
裁判官 木澤克之 今一つ
裁判官 深山卓也 今一つ
令和元年7月18日 最高裁判所第一小法廷 判決 破棄差戻 大阪高等裁判所
都市計画区域内にある公園について,湖南市地域ふれあい公園条例(平成17年湖南市条例第35号)に基づく公告がされたことをもって,都市公園法2条の2に基づく公告がされたとはいえない
ニュースでは出てこなかったので、面倒ですが判決文から事実認定を見ていきます。
公園の敷地として占有する被上告人に対し,本件土地につき上告人が所有権を有することの確認並びに所有権に基づく本件土地の明渡し及び賃料相当損害金の支払を求めるものである。
厄介な感じが見えてきますね。公園に勝手に建物を建てたのでしょうか。たまに、測量が雑で道路にかぶっている建物もありますが。
都市公園を構成する土地物件については私権を行使することができない(都市公園法32条)と規定していることから,上告人の本件土地の明渡請求及び賃料相当損害金の支払請求の可否に関して,本件土地を敷地とする公園(以下「本件公園」という。)が同法に基づいて設置された都市公園に当たるか否かが争われている。
そんなことがあるんですね。誰かから寄付でも受けてなし崩しに公園になってしまったのでしょうか。
(1)A社は宅地開発のため,滋賀県知事から都市計画法所定の開発行為の許可を受け,当該許可に係る開発行為に関する工事を完了し,昭和60年6月21日,当該工事が完了した旨の公告がされた。
バブルの走りですね。県知事の許可を受けて建物を建てたとなると、行政側が確認しないでやらかしてしまったのでしょうか。
A社が所有していたところ,上記開発行為に関する工事により公園として整備されたことから,同月22日,その所有権が本件公園を管理すべき者である旧石部町に帰属した(都市計画法40条2項)が,旧石部町への所有権移転登記はされなかった。
おいおい、行政が肝心の登記をしなかったと。
(3) 被上告人は,要旨次のとおり規定した「湖南市地域ふれあい公園条例」(平成17年湖南市条例第35号。以下「本件条例」という。)を制定し,本件条例は,平成17年12月22日に公布,施行された。
登記をせず20年間過ぎたわけですね。
ア 本件条例は,湖南市地域ふれあい公園を設置することにより,市民の福祉の増進及び地域のコミュニティ活動の推進を図ることを目的とし(1条),市長は,上記公園を設置するときは,その名称,位置及び利用開始の期日を公告する(2条)。
イ 本件条例の施行に伴う経過措置として,本件条例の施行の際に現に設置している公園で,2条の公告がされていないものは,同条の規定にかかわらず,本件条例の施行の日において本件条例の公園となるものとし(付則2項),市長は,本件条例の施行の日から遅滞なく,同項の公園について同条に定める事項を公告しなければならない(付則3項)。
なお,本件公園については,都市公園法2条の2に基づく公告はされていない。
思いっきり行政の不作為ですね。
(5) 本件会社は,平成27年3月2日,破産手続開始の決定を受け,破産管財人が選任された。上告人は,同年12月24日,本件土地を本件会社の破産管財人から買い受け,その所有権移転登記を受けた。
これって、破産管財人はちゃんと調べなかったのでしょうか。買った方は善意の第三者ですよ。
原審は,自治体の本訴請求のうち本件土地の明渡請求及び賃料相当損害金の支払請求に係る部分を棄却すべきものとした。
私もこの原審が妥当だと思いますね。
ところが最高裁は、
都市公園法2条の2は,都市公園は,その管理をすることとなる者が,当該都市公園の供用を開始するに当たり都市公園の区域その他政令で定める事項を公告することにより設置されるものと規定し,都市公園法施行令9条は,上記の政令で定める事項は,都市公園の名称及び位置並びに供用開始の期日とすると規定している。・・これに対し,本件条例に基づく公告は,都市公園としての供用開始ではなく,湖南市地域ふれあい公園としての利用開始を明らかにするだけのものであり,その区域を公告することは予定されていない(前記2(3)アの本件条例2条参照)。
看板なりなんなり出していたのでしょうか?明らかに公園とわかるようにしてあったならまだしも、その点が一切かかれていません。ということは、完全に行政の不作為ですよね。
そして,上告人の本件土地の明渡請求及び賃料相当損害金の支払請求が権利濫用に当たるか否か等について,更に審理を尽くさせるため,同部分につき本件を原審に差し戻すこととする。
また中途半端な逃げ口上を!事実認定が今一つなのか法令解釈が今一つなのかよくわかりませんが、行政の不作為について一切触れていないのはどういう事なんでしょうか?
全員一致で補足意見もありません。
裁判長裁判官 山口 厚 今一つ
裁判官 池上政幸 今一つ
裁判官 小池 裕 今一つ
裁判官 木澤克之 今一つ
裁判官 深山卓也 今一つ
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