最高裁判所裁判官の暴走を許さない

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子どものビル転落事件の捜査資料は個人情報保護の対象か?→行政事件訴訟法はどれだけ厳密さが求められるか

2016-04-07 21:19:55 | 日記
平成27(行ヒ)221  個人情報一部不開示決定処分取消等請求事件
平成28年3月10日  最高裁判所第一小法廷  判決  破棄自判  大阪高等裁判所

個人情報の一部を不開示とする決定の取消しを求める訴えが行政事件訴訟法14条1項本文の定める出訴期間を経過した後に提起されたものであり,出訴期間を経過した後に提起されたことにつき同項ただし書にいう「正当な理由」があるとはいえないとされた事例

ある子供がビルから転落死しました。その親が、捜査状況について知りたいとして、京都府個人情報保護条例に基づいてて京都府警察田辺警察署において作成又は取得した書類等一式の開示請求を行いました。それに対して京都府警が開示を拒否したために起こされた裁判です。
ここでの論点は、捜査資料は個人情報に当たるとして開示を拒めるかです。

事実前提としては、
1 平成23年12月20日,細川治弁護士を代理人として,本件条例12条に基づき,処分行政庁に対し,本件各文書に記録されている個人情報の開示請求(以下「本件開示請求」という。)をした。
2 平成24年3月8日,本件開示請求に対し,被上告人の子の個人情報はその遺族である被上告人の「自己の個人情報」に当たらないとしてはんだんした。
3 同年10月3日,細川弁護士の申出を受けて,本件開示請求に対する応答とは別に,本件条例5条1項6号及び2項に基づき,同弁護士に対し,上記イの公文書を除く本件各文書の写しを一部塗りつぶした上で交付した。
4 処分行政庁は,京都地方裁判所において同年9月21日に言い渡された別件訴訟の判決を受けて,被上告人の子の個人情報が被上告人にとっても本件条例にいう「自己の個人情報」に当たるとして,同年10月12日,改めて本件処分を行った。

公開請求をしてから、何だかんだと10カ月かかっています。これだけでも行政の感覚の異常性を感じます。

5 京都府警察本部の担当者は,同日,細川弁護士に対し,本件処分によって交付されることとなる本件各文書の写しであって不開示部分を塗りつぶしたもの(以下「本件各開示文書」という。)と本件各任意提供文書とが同一内容のものである旨を電話で伝えた。

同じものを出したからいいよねという感じでしょうか。しかし黒塗りの部分が重要なので見せろということで、

6 同月22日,本件各開示文書が到達した。

しかしもっと厄介なのはここからです。
行政事件訴訟法14条1項本文は,取消訴訟について,処分があったことを知った日から6か月を経過したときは,提起することができない旨規定しているのです。
平成24年10月15日に本件通知書が被上告人を代理弁護士の下に到達した時点で効力が生じていたものであり,上記時点で「処分があった」というべきである。

従って裁判所は、被上告人は,本件通知書が同人を代理する細川弁護士の下に到達た平成24年10月15日をもって本件処分のあったことを現実に知ったものということができ,同25年4月19日に提起された本件取消しの訴えは,本件処分のあったことを知った日から6か月の出訴期間を経過した後に提起されたものというべきである。

として開示すべきではないと判断しました。純粋に法律的に見ればそうなんでしょうけど・・・
他の判決では、1週間ぐらいは誤差の範囲と言わんばかりのものも出ているのに、これは別なのでしょうか???だったら、他の判断について期限を区切られているもの全て厳密にやっていただきたいものです。

第一小法廷
今回の裁判官
裁判長裁判官 櫻井龍子
裁判官 山浦善樹
裁判官 池上政幸
裁判官 大谷直人
裁判官 小池 裕

しかし、辛いですね。自分の子供が死んだ背景を知ることができないなんて。裏で誰がいたのか、何をしたのか、どんな調査をしたのか、全く分からない訳です。ちなみに加害者がいた場合、その加害者は地裁で裁判を受ければ別ですが、家裁での審判になった場合は一切公開されませんから、裁判所から漏れてこない限り何も知りようがないのです。
やるとすれば民事で訴えて知るしかないのですが、それですらも取調資料は重要な証拠となります。これは、法の整備をもう少しすべきでしょう。裁判官も、形式主義にならずに実態を見て欲しいところです。

その一方で、ここでは明記はしていませんが、裏返して言えば代理人がもう少し早く行動していれば開示を認めますよという事ですよね


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