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7月から函館博物館で開催されていた「北の昆布展~昆布が支える日本の文化~」だが、前回出掛けたら休館日だった。その後行きそびれていたが、今日が最終日なので、慌てて観に行った。
昆布といえば、江戸時代から北海道を代表する海産物だが、店頭に並べば高いのに、地味な食材という点ではNo.1かも知れない。決して主菜になることなく、和風料理の出汁のイメージが強い。
そのような昆布の価値を認識し、興味を抱くようになったのは、日本一の昆布産地である、今は合併して函館市に含まれた南茅部に2度も勤め、合計7年間住んだことが大きい。
天然昆布漁や昆布養殖に携わる人々に接し、子供たちも亡妻もその乾燥作業や加工のアルバイトに従事した。それ以来、我が家では毎日のみそ汁に昆布を欠かすことはなく、お歳暮やおつかいものにも、昆布漁家から卸し価格で分けてもらっている昆布を使っている。しかし、昆布料理はあまりすることはない。
特に南茅部の真昆布は、江戸時代から北前船で京都・大阪方面へ運ばれ、京料理などに欠くことのできない存在となっていた。また、北前線の経由地である富山藩と手を組んだ薩摩藩が琉球王国を経由する中国(清)との密貿易に利用した「昆布ロード」の存在や、その財源が倒幕運動へ繋がったいう面白い話まである。
そのような歴史からなのか、北海道は単なる原料供給地でしかなく、関西方面を初めとする道外でその価値が認められ、向こうの業者がいろいろな昆布製品が開発し、付加価値を高めて来た。
多くの昆布製品を扱っている七飯町にある「昆布館」も、地元ではなく福井の業者であることが悔しい。
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昆布がぶら下がる展示場の入口
展示場は、次の3章で構成されていた。
第1章 昆布とは何か
第2章 昆布はどのようにして広まったのか
第3章 昆布はどのように利用されているのか
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入口に展示されている、「南かやべ白口浜真昆布」のポスター
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北海道で獲れる昆布の種類
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昆布の種類と製品の数々~それぞれに特徴があり、その用途にも違いがある
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昆布採りの船と道具
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江戸時代に昆布等を運んだ北前船の模型
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全国の昆布の都道府県別消費量のグラフ
富山県が突出し、国内の97%を生産している北海道がラスト。
生産地の北海道でその価値が認められていないという現実が悲しい。
富山県の消費量が多いのは、北前船の中継地で栄えたこと、
富山県は北海道への移住者が多いことなどが上げられている。
北海道では、出汁くらいで、消費量の多い地域に比べて、いろいろな料理として食べることは少ないのが、消費量が少ない原因のようだ。
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消費量トップの富山県の正月の鏡餅と昆布
~昆布は「よろこんぶ」に通じ、めでたいものの象徴として神事や行事に広く使われている。
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最近その成分や栄養等で、注目されてきたガゴメ昆布のコーナー。
この昆布の研究や製品開発は函館が中心になっている。
自分にとっては、特別目新しいことはなかったが、昆布の日本文化に及ぼした価値を再認識することができた。
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我が家でおつかいものとして重宝している60㎝の長さに折った昆布