このブログの親サイトである「一人歩きの北海道山紀行」の開設日が、1998年9月29日なので、今日で20周年を迎えたことになる。
PCを始めたのが1998年5月である。長男が大学を卒業して仕送りが半分になったのを機に、自分の生涯学習のためにと、当時プリンターも含めて25万円ほどの投資であった。
そのころは一人歩きの山ばかりだったので、インターネットを通しての山の情報収集が主な狙いだった。
他人のサイトを見ているうちに、自分の記録の蓄積も兼ねて発信する側に回ったら、もっと楽しいのではないかと思うようになった。
ほぼ独学で、HP作りの学習をして、8月にはその準備に取り掛った。まずはHP作成ソフトの購入だった。当時、国内で一番人気のソフトは、札幌市厚別区下野幌テクノパークにあるDBソフトウェア製作会社のHOTALL(ホタル)というソフトだった。注文してもすぐに手に入らなくてしばらく待った。
その会社は2003年で閉鎖したが、こちらは今でもそのHOTALLを使用している。このソフトを使っている人は全国でもまれな絶滅危惧種だろう。windows7に変わるときにピンチだったが、いろいろ検索してみたら、windows7で使っている人がいて、その方々に教えてもらってインストールでき、こうしてまだ使えている。
最初のサイト名は、当時の目標だった一人歩きの北海道百名山完登にちなみ、「一人歩きの北海道百名山」として開設した。最初の1年は、それまでの6年間の記録を、少しずつアップして行った。
それ以来、このHPの存在が、自分の人生を大きく変えたと言っても過言ではない。
まず、HPを媒介とした山仲間がどんどん増え、いろいろな方々とのお付き合いも増えた。道内はもちろんだが、道外にまで多くの読者がいて、山で挨拶されたり、「いつもお世話になっています」と言われることも多かった。
また、翌99年には、このHPの読者に呼び掛けて、北海道の山の情報交流のためのHYML(北海道の山メーリングリスト)の開設にもかかわった。今では、登録会員が700名を超えている。その仲間のお陰で、同行者も増え、夏山の登山道オンリーの山から冬山も、さらには、沢登りと薮山へとどんどんステップアップしていった。
その後、数年して登った山が300山を超えたころ、「300山もアップしているのだから北海道百名山はおかしいだろう」という読書の声で、現在の「一人歩きの北海道山紀行」に変えた。
これまでに、大変なプロバイダーの引っ越しを4回経験したが、止めたいと思ったことは一度もない。
特に退職後の14年で、北海道の山だけでなく、「日本三百名山+道外の山」「四国遍路」「海外トレッキング」「歩き旅」などのコンテンツが増え、ブログ「癌春日記」とも連動し、どんどん充実してきた。いわば、自分のここ20年間の遊びの記録であるが、豊かな人生の大きな糧となっていることは間違いない。
特筆すべきは、現在330万件を超えているアクセス数である。個人のサイトで、アクセス数300万件以上などという数字はほとんど目にすることがない。それだけに、このサイトを利用してくださっている方々への感謝の念が強い。
山岳雑誌への執筆依頼も、北海道新聞への連載依頼も、拙著「ほっかいどう山楽紀行」の発刊も、すべてこのHPのお陰である。記憶ではなく記録が残っているので、最初のその山の感動でも、古い山行でも、臨場感たっぷりに、記述することができたつもりである。
最近は、主だった山は登りつくしているので、特に北海道の山の新しい情報提供が少なくなっていることや、読者の側も、ブログやツイッターなどのほかに、山関係ではヤマレコやヤマップなどを利用している人が多くなっている。いろいろな情報収集先が増えたようで、こちらへのアクセス数が減ってきていることも事実である。
しかし、基本的には、自分の記録である。それがほかの方々の参考になって来たのはうれしい限りである。これからも、「登っては書く」「歩いては書く」を可能な限り踏襲するつもりである。自分の財産として充実したものになり、さらには、少しでもほかの方のお役に立てれば幸いである。
これからも、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。