3月6日、東京電力福島第一原子力発電所の事故で、原発から海に流出した放射性セシウム137の総量は最大で5600テラ・ベクレルに上るとの試算を、海洋研究開発機構がまとめたという。1テラの単位は1兆。5600テラ・ベクレルは東電の推計量の約6倍にあたる。同機構では、福島県の沿岸など約500地点で採取した海水のセシウム濃度や、潮の流れなどをもとに、昨年5月7日までにセシウムが移動した経路を模擬計算し、その結果から、海に流出した高濃度汚染水のセシウムの総量は、4200~5600テラ・ベクレルと算出。このほか、同原発から大気中に放出され、雨などによって海に沈着したセシウムは1200~1500テラ・ベクレルとなっている。それを入れたらもっと多いわけだ。海はすっかり汚れてしまった。今も汚染値は落ちていない。流出し続けていることを当局は否定しているが、信ずるに足る根拠はない。……『ALL UNDER THE WORLD』は、海、そして地球についての劇だ。昨年十二月下旬から長い間、本人にとっても未知の領域に踏み込んだというリアン・イングルスルード演出、そして演出補の相澤明子両氏による構築作業を、じっくりと継続してきた。今日の稽古より主導権をバトンタッチされたわけだが、もう大枠は出来上がっている。そしてこの劇は即興のための究極のメソッドと言うべき「VIEWPOINTS」に基づいて、俳優たち自身が手探りで作ってきたものでもある。それらの方向性を尊重しつつ、「上演」に向けて磨き上げてゆくことになる。そう簡単には手に負えぬ仕事だ! だが、迷わずこの共同作業を楽しむことこそが、何よりも近道であると思う。信頼と実践。……かねてから観たかったのに果たせずにいた、震災被災地でその後一ヶ月以内に撮影したというドキュメンタリー映画『大津波のあとに』『槌音』をようやく観る。やはり思ったことは、海、そして地球についてだ。そしてそこに、人は生きている。撮影者である森元監督らの息遣いも伝わってくる。この二本は3月10日(土)~16日(金)、オーディトリウム渋谷でも上映されます。この映画、詳細はまだわからないが、直近に何か賞をもらったらしい。
http://farthe~n.soragoto.net/
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