雪国の苦難を思えばたいしたことない

雪の朝から吉祥寺で『宇宙みそ汁』の清中愛子と打合せ。彼女は愛媛出身なので昼は讃岐うどんを食べる。詩人が戯曲と出会うのである。……マチネの『荷』観る。キャンセルもあったというが、雪の中、多くの観客。ありがたい。……『荷』はさいわい高評価のようだが、一部の日本の人たちの韓国へのステレオタイプの偏見というのは、今回も感じる。韓国人の役や韓国の俳優に「荒々しさ」を勝手に要求して、思っているのと違うなどという人も相変わらずいる。韓国には抑制力も精度もある俳優が多くいる。日韓が向き合うというコンセプトにかってに「対立」の文脈だけを取り出して思い込み、他者と融和するということの可能性を認識できない者もいる。融和することのできる資質を持っていてさえ困難なコミュニケーションがあるのだ。それにしてもこの国は、強制連行という過去の事実への責任はおろか、認識そのものがあまりにも薄弱ではないかと思う。……息子に靴を買う。店員君は親が一緒だと高い物を勧めようとする。残念ながら買い物は合理精神を教える場でもある。……夕刻、森下の稽古へ。……蓄積睡眠不足。一番眠い瞬間には寝られないものである。……地震多発。どうでもいいけど（よくないけど）富士山から湯気が出ているそうな。気象庁が成分を分析したが、硫黄など火山性物質などは検出されなかった。気象庁は「ただちに噴火に結びつくものではない」ですと。