Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

一年が過ぎた

2012-10-12 | Weblog
三田文学No.111(2012年秋季号 定価950円)が発売された。ようやく情報がHPに掲示される。「無秩序な小さな水のコメディー」連作として『入り海のクジラ』『利き水』『じらいくじら』の三作が載る。この雑誌に戯曲が載るのは初めてだという関係者もいたらしい。そんなはずはないんじゃないかと思うが。……本日は斎藤憐さんの一周忌である。志磨真実さんの命日でもある。『じらいくじら』は、憐さん真実さんと一緒に滞在したシンガポールの「ランドマイン(地雷)・プロジェクト」合宿で書いた。その時肝臓を病んで最後の入院をされていたのが今座高円寺で上演中の『霊戯』を書いたシンガポールの劇作家クォ・パオクンさんだ。見舞いに行った後の憐さんのことを振り返ってみる。十年。……パオクンさんが梅ヶ丘BOXを訪ねてくださり、お話ししたのはもっと前のことだ。……今は戯曲を書きながら、(現在のことを扱っている部分も半分はあるのだが)、後は過去にトリップする日々が続いているので、どうしても意識が垂直に動く。……「垂直」? 具体であり抽象として。それが何を意味しているかは、やがて丁寧に語ろう。おそらく、舞台上でだ。
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「いいね!」とは言えない

2012-10-12 | Weblog
SNS最大手のFacebookには、書き込みや紹介された記事に対して「いいね!」というボタンを押すシステムがある。内容に対して同意できる、評価できる、という時に押し、複数の人が押せば、その「いいね!」を押した数が表示される。私はツイッターはやらないがFacebookはやるわけであるが、この「いいね!」システムはいちいち言葉を書き込まなくて良いので、賛意を示す時に便利である。「読みましたよ」ということでもある。しかし、「悲惨な事象」や「否定すべき意見」やらを紹介された時にはさすがに「いいね!」は押しにくい。そういう時には「いいね!」ではない別な言い方が必要なのではないかと思っている。「同感!」「そのとおり!」「まったく!」というようなものだと思うが、何がいいのかわからないでいる。そもそも私が思いついたからといって、Facebookが採用してくれるわけではないのだが。……それにしてもこの間のオスプレイ配備問題はとくに、内容的には「いいね!」と言えるものがまったくない。ひどい話ばかりだ。とくに高江にオスプレイが行き来している映像に決して「いいね!」はつけられない。……夜になって、仙台で活躍されていたTheatreGroup「OCT/PASS」、前身「十月劇場」主宰の、石川裕人さんの訃報が届く。もう二十年以上のおつきあいであった。新橋でのテント公演のアフタートークに呼ばれたのももう十数年前だろう。今年、坂本長利さんと五大路子さんで東北を舞台にした秋浜悟史作『冬眠まんざい』リーディングを演出することになったので、青森美術館で同作品を演出したばかりという石川さんに、長時間いろいろとお話を聞いた。独自の解釈が聴けた。楽しくお話ししたし、ご病気のことはご本人からも聞いていたが、お元気そうだった……。私がイタリアの仕事のため行けなかった燐光群『宇宙みそ汁』仙台10-BOX公演には、差し入れを持ってきてくださったのだ。……これからのこと、東北のこと、率直に話し合える、だいじな方でした。声と語り口は今でも聞こえてくる気がするくらいに印象的だ。ほんとうに残念である。心よりご冥福をお祈りする。
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