フェイスブックは4日、過去1カ月間にフェイスブックにログインするなどした利用者が「世界で10億人に達した」と発表した。国連の昨年の試算によると世界人口は約70億人で、7人に1人が使っていることになり、十億人が繋がっていて、利用者の平均年齢は約22歳という。私は最近「ウォール」というか「タイムライン」を覗くことがしんどくなってきている。全ての「友人」の発言を見ることができない。どうしても読ませたい内容はただ書き込むのではなく直接送ってもらうしかないのかもしれない。申し訳ないが、私からの反応がなくても許してほしい。海やら島やらに行っていたり、缶詰になっていたりすると、とてもじゃないがすべての書き込みをフォローできないのである。残念である。しかし私はツイッターをやらない。やっている人は「個人」の時間を私以上に失っているはずである。日常生活は大丈夫なのだろうか。……熊本・川辺川ダムを巡るたたかいは、日本の運動史の中でも特異である。大滝秀治さんの舞台出演の遺作となった拙作『帰還』が、私が思うほどには世間の注目を集められなかったことは残念だが、これは僻み根性でも何でもなく、「運動」そのものへの偏見というものが日本社会のみならず劇の世界の内外にもいやな感じで存在していることが大きいと思っている。「3.11」以前に書いたこの劇に、放射能汚染の時代を生き延びるためのこれからの課題が詰まっていることも確かで、まだまだ効力を持つこの戯曲じたいをこれから何らかの形で活かしていければと思っている。付け加えると、私は『帰還』にラブシーンを書いた。それに大滝さんと相手役の中地美佐子さんが身体ごとで応えてくれた。そして演出の山下悟さんがおおらかにすべてを受け入れてくれた。それだけでもじゅうぶんありがたいことである。山下さんによれば、彼の義父にもあたる大滝さんは病床で「あの歳で『帰還』を最後までやり通せたのは僕の誇りだ」と言っていたという。そうした思いを未来に繋ぎたいと思う。……眠れず中途半端に起きる。いちにち机に向かい仕事する。沖縄のことは気になるが、ほんとうにヤマトのマスコミは沖縄へのオスプレイ配備についてちゃんと報道しない。ひどいものだ。ニューヨークタイムスの方がよほど正確である。……写真は米軍の沖縄北部演習場、高江のメインゲート。今回の沖縄行きで私も抗議行動をしてきた。『帰還』では大滝さんに1950年代、共産党の五全協・六全協の間の時代に青春時代を過ごしたという設定を生きてもらった。このメインゲートの前に立っていると、その時代と今がどうしようもなく繋がっていることが、まざまざとわかる。実感として。昔話なんかじゃない。「太平洋戦争」が「昔のこと」だなんて思ってる人は、明らかに「世界を生きる感覚」が麻痺している。逃げも隠れもできない。私たちは「同時代」を生きているのだ。
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