Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

だらしない「裸の王様」

2012-11-03 | Weblog
「あってはならないことが起こってしまった」としゃあしゃあと言う野田総理。おまえは何か努力をしたのか、一つでも。そして謝るべきだろう! 手をこまねいて何もしない日本政府のおかげで、どんどんひどい事態が起きているのだ。これ、あえてどの事件か特定しないでいるけど、ほとんど全ての事項に当てはまる。何もしない総理、口だけ総理である。……情報の世界で一挙手一投足が他者に晒されている人間は、「裸の王様」状態に慣れず、常に自身の言動が他者にとってどうであるかを確かめ、そのことにより客観性を獲得し、同時に誠実でいようとすることもできるはずである。「他者の目」を気にする、というコトバはふだんいい意味で使われないが、想像力の中で、その人自身の行動を律するものにもできる。こうした「トップ」の位置の人間は、逆に、無神経さ・傲慢さを持つものなのか。……例えば、川勝静岡県知事、御殿場市の若林市長。オスプレイの「日米同盟を支援するための飛行訓練」の今月からの米軍キャンプ富士(御殿場市)での実施について、森本防衛相が言及。低空飛行や空中給油、後方支援など訓練拠点として岩国基地とキャンプ富士を挙げた。この発言に対して、川勝知事は「いきなりキャンプ富士の名を出されて驚愕した。地元無視で一方的」、若林市長も「前触れのない突然の発言については、耳を疑うものであり、信頼関係を損なうものと考える」と反発。「仮に、キャンプ富士への飛行訓練が示された場合は、第10次東富士演習場使用協定にのっとり、2市1町の関係行政と地元権利者団体などと一体になり、協議を進めざるを得ない。突然オスプレイが飛来してくる事態は、あってはならないものと考える」という。ごもっともだ。しかしこの二人の首長は、オスプレイ配備と訓練の開始について、とうに知っていたはずだ。計画はきちんと発表・報道もされている。本土が訓練予定ルートに入っているのだから基地がある以上どこでも当然起こり得る事態だ。そして沖縄で訓練が始まったこともご存じだろう。自分の場所でやらなければ放置しておいて、いざ矛先が自分に向いたら慌てて「うちではやらないで」と言うのか。そもそもやるのは仕方がないと黙認していて、一応反発した姿だけを見せておこうという作戦か。彼らは沖縄の現実と怒りを見ても、手をこまねいて何もしないでいた。なぜはじめから「沖縄と一緒にたたかう」と言っていなかったのか。今からでも言おうとしないのか。「地元の問題」ではないことに、ほんとうに気づいていないのか。もしも沖縄の人間の前で今更それを言うとしたら、それがいかに恥ずかしいことか、気がつかないのか。「同じ問題を抱えている」と考えるなら、仲井真沖縄県知事にもっとしっかりするように言い、今からでも普天間ゲート前や高江に行って一緒に阻止行動をすればいい。……情報の世界で一挙手一投足が他者に晒されている人間といえば、マスコミ関係者もそうであろう。例の『ハシシタ』記事の佐野眞一氏のその後の沈黙が解せない。謹慎しているわけではないだろう。私が知らないだけでどこかで発言しているのか。近辺で「あれは週刊朝日が悪いので佐野さんじゃないんだよね」という言い方も出てきていたりする。それは違う。自分に責任の所在がある問題に対して、ほとぼりが冷めるのを待っているような者は、ジャーナリストではない。
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