Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

「住居侵入」の許し難さ

2012-11-08 | Weblog
ひどい事件がまた起きた。読谷村で発生した米軍嘉手納基地所属の空軍兵(24)による住居侵入傷害事件である。空軍兵は2日午前1時前、酒に酔って読谷村古堅のアパート3階の一室に侵入し、テレビを壊し、この部屋に住む男子中学生を殴ったという。空軍兵は1日、数軒の飲食店でビールやウイスキーを飲み、うち現場となったアパート1階にある居酒屋を2度訪れた。別の店に行き、さらに居酒屋に戻って以降の記憶がないと話しているという。事件後、消防により容疑者であるこの空軍兵が基地内病院に搬送されたため、容疑者の身柄が米軍の手中に置かれることになった。警察は米兵がけがを負わず現場に残っていたら「現行犯逮捕も考えられた」とする。結局、身柄を求めないと判断した県警だが、一方で早々に政治家から「身柄不要」の言葉が出たことに、疑問の声も上がっている。米軍人の起訴前身柄引き渡しに関しては、1995年の米兵暴行事件をきっかけに、日米合同委員会で米側が「殺人、強姦(ごうかん)などの凶悪事件のみ、好意的考慮を払う」と日米地位協定の運用を改善することで合意している。今回県警は「凶悪犯罪」には当たらないと判断。米軍の捜査協力が得られていることや、男が取り調べに素直に応じていることから身柄を拘束せずに任意で取り調べる方針を決めたという。藤村修官房長官がの事件当日の夜、5日には沖縄防衛局の武田博史局長が「起訴前の身柄の引き渡しを米側に要請する必要はない」と明言したのは不可解だ。正確な事態の調査、事情聴取も始まっていない段階でなぜそんなことを言えるのか。結局事情聴取された空軍兵は「飲み屋に行ったことまでは覚えているが、その後は酒に酔って覚えていない」として、このまま逃れるつもりだ。今回のと事件が「凶悪犯罪」ではない、という判断が罷り通るなら、米兵は泥酔して暴力行使を行い器物を破損しても許されることになる。日本人が行ったことなら考えられないことではないか。あまりにもひどい。被害に遭った中学生の感じたであろう恐怖を思うと、ひどい処置だと思う。……戯曲『普天間』には、米兵が沖縄で住居に侵入して犯罪を行った過去のシチュエーションがある。泥酔した兵士による「住居侵入」はなかなか表沙汰にならない場合も含めて、件数は少なくないと聞いている。あらためて戦慄する。
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