昨年12月の衆院選は「1票の格差」が最大2.43倍だった。既にそれを「違憲状態」とした最高裁判決があった。その状況をわかっていながら不平等な区割りが是正されず実施されたこの選挙を「違憲」であるとして、弁護士グループらが「選挙無効」を求め、全国14の高裁・高裁支部で計16件の訴訟が起こした。結果として、戦後初の「違憲・無効」が2件、「違憲」が12件、「違憲状態」は2件、出ていた。最高裁第2小法廷は18日、審理を大法廷に回付することを決め、関係者に通知。早ければ年内にも統一判断を示すとみられている。最高裁には「衆院選やり直し」の大英断を期待したい。
アメリカ中西部ミシガン州は、財政難にあえぐ同州デトロイト市について財政非常事態を宣言していたが、ついに18日、デトロイト市が同州連邦裁判所に連邦破産法9条の適用を申請。米国内の地方自治体の財政破綻としては過去最大規模となるという。米自動車産業の中心地デトロイトは、産業規模の縮小や治安悪化に伴って居住者が流出。最盛期に180万人を超えた人口は70万以下に減少、税収の落ち込みに悩まされていたという。
それでもリセットしようとする健全さを「さすがアメリカ」と感心している場合ではない。アメリカは自ら誇ってきた「自動車の街」の失墜を、どう乗り越えるつもりなのか。TPPに決まっている。日本の最後にして唯一の牙城とも言われる自動車産業は、相当な揺さぶりを掛けられるであろう。
今月露見しかけた著作権の保護延長・非親告罪化問題などに限らず、TPPに関わる重要事案について、十分な討議を経ず、交渉前にさえアメリカの提示に対して受諾方針を決めかねない主体性なき政府のあり方には、疑念を持たれて当然である。いざ参入した後も、国民を代表する議会の総意をこの交渉に反映する余地がないことも予想される。それをわかっていながらアメリカの言いなりにただただTPP推進を受け入れることは、政府自ら、国民の自己決定権を保証する憲法を、ないがしろにしていることになる。
ともあれ、私が会長を勤める日本劇作家協会も、既に協会内で準備を進めていること通知していたとおり、正式にTPPに反対することにした。文をまとめたのは、協会過去二十年の蓄積を経た最強メンバーによる「言論表現委員会」である。2013年7月17日付けで、下記アピール本文をTPP政府対策本部に意見として提出した。対象分野は『知的財産』である。参院選前に間にあってよかった。
TPPに反対する緊急アピール
日本政府は、参院選後すぐ、7月中に、TPPの交渉会合入りするとの報道がありますが、事前交渉の内容や、リークされた情報によると、日本国民の利益や安全を侵害する条項があり、表現者にとっても、知的財産の分野で賛否の分かれた問題が、国内議論も反映されないまま、押し進められようとしています。
私達は、次の点が改められない限り、TPPの参加に反対を表明いたします。
まず、TPPは、交渉内容を公表しない合意があり、交渉文書は協定発効後4年間秘匿されることが、ニュージーランドのTPP首席交渉官の発表で判明しています。米国で交渉の中身を詳しく知っているのは、米通商部代表と、TPP推進派企業の600人の企業顧問だけ、とも言われています。
日本の国会議員にも、国民にも、参加のメリット・デメリットが判るような全ての情報が、交渉の早期に、必ず、開示されなければいけません。
そして、開示された情報を元に、国民議論を行う、十分な期間と機会も保証されなければいけません。現在、政府は、国民からのパブリックコメントの募集すら行っていません。具体的に内容の判る情報もなく、政府に白紙委任するわけにはいきません。
また、不利益が後で判った場合も、その時点で、速やかに、脱退する権利も保証されなければいけません。
知的財産の分野では、著作権の保護を、日本の現行の50年から70年に延長し、著作権侵害の親告罪を、被害者の告訴無しに起訴・処罰出来る非親告罪に変えるとのリーク報道があります(7月9日の日本経済新聞朝刊一面では、上記について政府は交渉前に既に受諾方針を決めたとすら報じられ、直後に甘利TPP担当大臣が否定する混乱を見せています)。この問題は、日本国内でも、ここ数年、活発な議論がされており、そこで問題とされたデメリットやリスクを、TPPでは、どう解決する予定なのか、関係団体や国民との公開討論会を、早急に行い、デメリットやリスクを回避する手段がない場合は、日本の利益に基づき、アメリカの要求を拒否する交渉を行うべきです。
また、国内法より多国籍企業の利益を優先させることが可能なISD条項(投資家対国家紛争)は、主権者である国民の利益や安全が侵害される恐れがあり、この条項が削除されない限り、交渉にも参加すべきではありません。非関税障壁に関しても、日本国民の生命・財産・安全を守るため、国内法や国民保護政策を優先させるべきです。
2013年7月17日
一般社団法人 日本劇作家協会
さて、報道によれば、防衛省は自衛隊の運用について、文官(背広組)からなる内部部局の運用企画局を廃止し、幹部自衛官(制服組)からなる統合幕僚監部に一元化する方針を固めたという。これはただただ制服組の権限のみを強めるもので、来年度の実施を目指すらしい。なぜ、文民統制を勝手にやめることを決める権利が防衛省にあるのだ。軍法会議復活を唱える石破発言を始め、無法な「右傾化」が放置されている現実はひどい。マスコミも政治家もしっかりたたかってほしい。というか、最低限、その機能を果たしてほしい。
最近は自分のふだんのペースからすると、ブログを書きすぎ、フェイスブックにも記事を上げすぎなのであるが、「ネット選挙解禁」ということで、とにかく参院選までは無理をしてでも、ネット発言を続けます。
アメリカ中西部ミシガン州は、財政難にあえぐ同州デトロイト市について財政非常事態を宣言していたが、ついに18日、デトロイト市が同州連邦裁判所に連邦破産法9条の適用を申請。米国内の地方自治体の財政破綻としては過去最大規模となるという。米自動車産業の中心地デトロイトは、産業規模の縮小や治安悪化に伴って居住者が流出。最盛期に180万人を超えた人口は70万以下に減少、税収の落ち込みに悩まされていたという。
それでもリセットしようとする健全さを「さすがアメリカ」と感心している場合ではない。アメリカは自ら誇ってきた「自動車の街」の失墜を、どう乗り越えるつもりなのか。TPPに決まっている。日本の最後にして唯一の牙城とも言われる自動車産業は、相当な揺さぶりを掛けられるであろう。
今月露見しかけた著作権の保護延長・非親告罪化問題などに限らず、TPPに関わる重要事案について、十分な討議を経ず、交渉前にさえアメリカの提示に対して受諾方針を決めかねない主体性なき政府のあり方には、疑念を持たれて当然である。いざ参入した後も、国民を代表する議会の総意をこの交渉に反映する余地がないことも予想される。それをわかっていながらアメリカの言いなりにただただTPP推進を受け入れることは、政府自ら、国民の自己決定権を保証する憲法を、ないがしろにしていることになる。
ともあれ、私が会長を勤める日本劇作家協会も、既に協会内で準備を進めていること通知していたとおり、正式にTPPに反対することにした。文をまとめたのは、協会過去二十年の蓄積を経た最強メンバーによる「言論表現委員会」である。2013年7月17日付けで、下記アピール本文をTPP政府対策本部に意見として提出した。対象分野は『知的財産』である。参院選前に間にあってよかった。
TPPに反対する緊急アピール
日本政府は、参院選後すぐ、7月中に、TPPの交渉会合入りするとの報道がありますが、事前交渉の内容や、リークされた情報によると、日本国民の利益や安全を侵害する条項があり、表現者にとっても、知的財産の分野で賛否の分かれた問題が、国内議論も反映されないまま、押し進められようとしています。
私達は、次の点が改められない限り、TPPの参加に反対を表明いたします。
まず、TPPは、交渉内容を公表しない合意があり、交渉文書は協定発効後4年間秘匿されることが、ニュージーランドのTPP首席交渉官の発表で判明しています。米国で交渉の中身を詳しく知っているのは、米通商部代表と、TPP推進派企業の600人の企業顧問だけ、とも言われています。
日本の国会議員にも、国民にも、参加のメリット・デメリットが判るような全ての情報が、交渉の早期に、必ず、開示されなければいけません。
そして、開示された情報を元に、国民議論を行う、十分な期間と機会も保証されなければいけません。現在、政府は、国民からのパブリックコメントの募集すら行っていません。具体的に内容の判る情報もなく、政府に白紙委任するわけにはいきません。
また、不利益が後で判った場合も、その時点で、速やかに、脱退する権利も保証されなければいけません。
知的財産の分野では、著作権の保護を、日本の現行の50年から70年に延長し、著作権侵害の親告罪を、被害者の告訴無しに起訴・処罰出来る非親告罪に変えるとのリーク報道があります(7月9日の日本経済新聞朝刊一面では、上記について政府は交渉前に既に受諾方針を決めたとすら報じられ、直後に甘利TPP担当大臣が否定する混乱を見せています)。この問題は、日本国内でも、ここ数年、活発な議論がされており、そこで問題とされたデメリットやリスクを、TPPでは、どう解決する予定なのか、関係団体や国民との公開討論会を、早急に行い、デメリットやリスクを回避する手段がない場合は、日本の利益に基づき、アメリカの要求を拒否する交渉を行うべきです。
また、国内法より多国籍企業の利益を優先させることが可能なISD条項(投資家対国家紛争)は、主権者である国民の利益や安全が侵害される恐れがあり、この条項が削除されない限り、交渉にも参加すべきではありません。非関税障壁に関しても、日本国民の生命・財産・安全を守るため、国内法や国民保護政策を優先させるべきです。
2013年7月17日
一般社団法人 日本劇作家協会
さて、報道によれば、防衛省は自衛隊の運用について、文官(背広組)からなる内部部局の運用企画局を廃止し、幹部自衛官(制服組)からなる統合幕僚監部に一元化する方針を固めたという。これはただただ制服組の権限のみを強めるもので、来年度の実施を目指すらしい。なぜ、文民統制を勝手にやめることを決める権利が防衛省にあるのだ。軍法会議復活を唱える石破発言を始め、無法な「右傾化」が放置されている現実はひどい。マスコミも政治家もしっかりたたかってほしい。というか、最低限、その機能を果たしてほしい。
最近は自分のふだんのペースからすると、ブログを書きすぎ、フェイスブックにも記事を上げすぎなのであるが、「ネット選挙解禁」ということで、とにかく参院選までは無理をしてでも、ネット発言を続けます。