Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

「いつもと同じ夏」ではない

2013-08-01 | Weblog
東電福1原発の放射能汚染水増加の件。原子力規制委員会の田中俊一委員長は「かなり深刻で、切迫している」「汚染されていない水を捨てる了解をいただかないと、原発の後始末は不可能」「(東電が)必死になって頼む姿勢が足りない」「(海へ)捨てさせてくださいと言うのは私たちの仕事ではない」という。なんという無責任。
東電は、福1原発敷地内にある観測用井戸の水位が上昇している原因として、岸壁沿いで工事を進めている地中に水ガラスを注入して地盤を固めた、地下1・8メートルよりも深い部分に設置されている「土の壁」を越え、汚染水が海に流出する可能性があるとの見方を初めて示した。井戸では、工事が始まった7月上旬から水位が上がり始め、30日時点で地表まで約1メートルの所に上昇した。土の壁が地下水をせき止めたのが原因とみられる。
この放射性汚染水海洋流出問題では、東電は、2号機海側のトレンチ(配管用トンネル)内などにある高濃度汚染水を抜き取るなどの対策をとっていれば、現在の海への流出リスクを減らせた可能性が高いと認識していたという。
てことは、人為的な原因だったということだ。そりゃ、水が増え続けていれば、どこかを遮れば、別などこかで漏れるだろう。専門家も責任者もいないのか。東電に任せず政府が実力行使できる実行部隊でも持たなければ、誰も責任を取らなくていい状態は続くだろう。とにかく上層部に真剣さが感じられない。現場の人間が無駄に被曝を重ねていく現実だけがあるということか。
そして、状況と、ヨウ素値の増加からして、福島原発3号機が再臨界しているようだ。さらに、観測用の井戸から約300メートル離れた場所で、海水から放射性ストロンチウムが検出されたともいう。別な場所の海水からは、1リットル当たり3100ベクレルの放射性トリチウムも検出されている。
ハリウッドスターは大平洋汚染を避けてヨーロッパ、なぜかイタリアに移住するのがブームになっているらしい。アメリカは脱原発にシフトしている。日本だけが孤立していく構図は明らかだ。

今月訪日予定のマケイン米上院議員(共和党)は、ワシントンで江渡防衛副大臣と会談、在沖米海兵隊のグアム移転計画について「非現実的で実行不可能」という従来の主張を強調し、予算凍結を継続する姿勢を示したという。マケイン氏は「巨費を要し、地元の反対も強い辺野古への代替施設建設計画の実現性は疑問だ」と指摘しつつ「米国防総省は、議会が再三要請してきたマスタープランを提出しておらず、われわれは同計画の実現性に疑問を深めている」と述べ、グアム移転費の計上を認めない方針を強調。つまり「普天間のままでいい」と言っているのだ。

麻生財務相は、憲法改正論議に絡んでナチス政権を例示したことについて、「撤回したい」とするコメントを発表したという。馬鹿だなあ。撤回したって、なかったことにはできないんだよ。

日本に住む者たちは、あえて自らを鈍感にして、この現実を見まい見まいとしているのか。
ついに八月になってしまった。夏まっさかりだが、「いつもと同じ夏」と思って迎えることには、もう無理がある。認めることから始めなければ。
コメント
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