日米の外務・防衛閣僚協議「2+2」が東京で開かれ、日本側から岸田外務大臣と小野寺防衛大臣、アメリカ側からケリー国務長官とヘーゲル国防長官が出席。発表された共同文書の内容は、日米防衛協力ガイドラインの見直し、その背景には、日本政府の集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈の見直しなど安全保障の法的基盤の再検討や国家安全保障戦略の策定、それに防衛予算の増額などの取り組みがあるわけだが、それらについて「アメリカは歓迎し、日本と緊密に連携していく」という。
日本政府は、国内で決定していないことなのに、なぜ勝手に外国と話しているのだ。
さらに「沖縄の基地負担の軽減策」として、米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイについて、訓練の県外・国外移転を増やし、沖縄県内での訓練・駐留時間を減らすというが、具体的な予定を明らかにしていないので、あてにはならない。6月と8月に「クラスA」の事故が発生しているのにオスプレイの安全性を強調するのも、異常だ。
海兵隊のグアム移転を、2020年代の前半に始めると言っているが、米国内での予算審議は本当に通るのか。これまでは結局いつも日本政府が「出ていってもらいたくない」という態度に出ている。
加えて普天間基地の名護市辺野古移設について、それが基地の継続的な使用を回避するための「運用上、政治上、財政上及び戦略上の懸念」に対処する「唯一の解決策」だとしているが、新たな基地を作らないほうがお金はかからないに決まっている。普天間基地駐留部隊が全て引き揚げ撤退するのが、一番簡単な解決法だ。
安倍首相は5月の訪米時、靖国神社を「アーリントン国立墓地同様に、命をささげた人々を慰霊する施設」とし、「靖国参拝に日本の指導者が参拝するのは極めて自然で、世界のどの国でも行っていること」と発言したが、来日中のケリー国務長官とヘーゲル国防長官らは、靖国神社には行かず、千鳥ヶ淵戦没者墓苑を訪れ、献花した。千鳥ヶ淵戦没者墓苑は、第二次世界大戦で死亡した日本軍人・一般人のうち、身元不明の遺骨や引き取り手のない遺骨が安置されている。
同行した米国防総省高官は記者団に対し、千鳥ヶ淵戦没者墓苑はアーリントン国立墓地に「最も近い存在」と説明。この訪問は日本の招待ではなく米国側の意向によるものという。アメリカの軍事に関わる重鎮たちは「A級戦犯」が祀られている靖国神社は、一般的な戦死者の墓地とは違う、という認識を示したことになる。
財団法人「日本傷痍軍人会」が会員の減少と高齢化で創立60周年記念式典の後に解散。最も多いときで約35万人いた会員は約5千人に減り、平均年齢も92歳になったという。彼らからの戦争についての聞き取り調査を急いでいる人たちもいる。
しかし、体験者がいなくなってゆくことが、「戦争」が「遠くなった」こととはならないのが、現実だ。
そしてそれが「どのような戦争であったか」という認識は、後に残された者たちにとっても、重大な問題だ。
徹底した「非戦」の「平和主義」は、「正しい戦争」と「誤った戦争」、「正しい兵士」と「誤った兵士」があったという考え方を、あえて取らないできた。それを「甘い」「現実的でない」とする声が増し、今や「戦争そのものに対する拒絶」を、押し潰そうとしている。
「戦争をする準備」を進める者たちが、「正しい戦争」と「誤った戦争」があると思っているらしいことについてもいろいろ言いたいことはあるが、「戦争」が何ごとかを「解決」する「方法」だという考え方を持っている人たちの言動は、常に矛盾に満ちている。それが「戦争そのものに対する拒絶」よりも「論理的」であると、本当に思っているのか。
日本政府は、国内で決定していないことなのに、なぜ勝手に外国と話しているのだ。
さらに「沖縄の基地負担の軽減策」として、米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイについて、訓練の県外・国外移転を増やし、沖縄県内での訓練・駐留時間を減らすというが、具体的な予定を明らかにしていないので、あてにはならない。6月と8月に「クラスA」の事故が発生しているのにオスプレイの安全性を強調するのも、異常だ。
海兵隊のグアム移転を、2020年代の前半に始めると言っているが、米国内での予算審議は本当に通るのか。これまでは結局いつも日本政府が「出ていってもらいたくない」という態度に出ている。
加えて普天間基地の名護市辺野古移設について、それが基地の継続的な使用を回避するための「運用上、政治上、財政上及び戦略上の懸念」に対処する「唯一の解決策」だとしているが、新たな基地を作らないほうがお金はかからないに決まっている。普天間基地駐留部隊が全て引き揚げ撤退するのが、一番簡単な解決法だ。
安倍首相は5月の訪米時、靖国神社を「アーリントン国立墓地同様に、命をささげた人々を慰霊する施設」とし、「靖国参拝に日本の指導者が参拝するのは極めて自然で、世界のどの国でも行っていること」と発言したが、来日中のケリー国務長官とヘーゲル国防長官らは、靖国神社には行かず、千鳥ヶ淵戦没者墓苑を訪れ、献花した。千鳥ヶ淵戦没者墓苑は、第二次世界大戦で死亡した日本軍人・一般人のうち、身元不明の遺骨や引き取り手のない遺骨が安置されている。
同行した米国防総省高官は記者団に対し、千鳥ヶ淵戦没者墓苑はアーリントン国立墓地に「最も近い存在」と説明。この訪問は日本の招待ではなく米国側の意向によるものという。アメリカの軍事に関わる重鎮たちは「A級戦犯」が祀られている靖国神社は、一般的な戦死者の墓地とは違う、という認識を示したことになる。
財団法人「日本傷痍軍人会」が会員の減少と高齢化で創立60周年記念式典の後に解散。最も多いときで約35万人いた会員は約5千人に減り、平均年齢も92歳になったという。彼らからの戦争についての聞き取り調査を急いでいる人たちもいる。
しかし、体験者がいなくなってゆくことが、「戦争」が「遠くなった」こととはならないのが、現実だ。
そしてそれが「どのような戦争であったか」という認識は、後に残された者たちにとっても、重大な問題だ。
徹底した「非戦」の「平和主義」は、「正しい戦争」と「誤った戦争」、「正しい兵士」と「誤った兵士」があったという考え方を、あえて取らないできた。それを「甘い」「現実的でない」とする声が増し、今や「戦争そのものに対する拒絶」を、押し潰そうとしている。
「戦争をする準備」を進める者たちが、「正しい戦争」と「誤った戦争」があると思っているらしいことについてもいろいろ言いたいことはあるが、「戦争」が何ごとかを「解決」する「方法」だという考え方を持っている人たちの言動は、常に矛盾に満ちている。それが「戦争そのものに対する拒絶」よりも「論理的」であると、本当に思っているのか。