Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

ブラックホールに投げ出されたような矛盾と虚しさ

2013-10-17 | Weblog
台風で、「外出は控えるようにしてください」と繰り返し放送されていた夜が明けた。
そしてさらに翌日。秋の空気。北海道は雪だと?

二十年前、駐インドネシア公使だった高須国連事務次長が、旧日本軍の慰安婦らの苦難を記録するインドネシア人作家の著作が発行されれば、両国関係に影響が出るとの懸念をインドネシア側に伝え、「発禁」を促していたという。ノーベル賞候補だった作家のプラムディア・アナンタ・トゥール氏が、ジャワ島から1400キロ離れた島に戦時中に多数の少女が慰安婦として連れて行かれたと知り、取材を重ねて数百ページにまとめた内容だと推定されている。本当だろうか。当時のスハルト独裁政権の言論弾圧に加担したのか。
こういう情報をどう取るか。少なくとも「個人の責任」にしようとする、何かの力を感じる。

今度の新作ではなんと「中学三年生」が登場する、というか中心の一部なのである。で、一学年違いの中学二年生の名前を冠した「中二病」という言葉があって、まあ、「子供じみていて空気が読めない」というくらいの意味だろうと思っていたが、いろいろ聞いてみると、もうちょっとニュアンスが微妙なようだ。「思春期」の意味も昔と違うかもしれないし、用途はもっと自虐的なようだ。

で、やはり今回の劇にちょっと関わってくるイタリアのマカロニ・ウエスタンで有名な俳優ジュリアーノ・ジェンマが今月1日、死去していたことがわかった。交通事故だという。

映画といえば、飛行機の中で観た『クロニクル』や『幸せのジンクス』といった映画は、日本国内では劇場公開されなかったが、最近公開されたり放映されたりしているようだ。いわゆる「青春映画」に人気がないのではないか。
いずれにせよ、ソフトが増えすぎてきている時代のようだ。

情報過多。なのに、十代、二十代では、いまや新聞読むヤツは8人に1人だという。

山形大学は、授業を3日連続で休んだ学生に電話をかけて欠席理由などを確認する取り組みを始めるという。一年生の生活習慣を整えさせるためで、欠席の理由が曖昧な場合には、悩みなどを聞いて、必要に応じてカウンセラーも紹介、親に連絡する場合もあるそうな。なんじゃそりゃ。
「過保護」というコトバももはや当てはまらない。異常だ。

安倍首相は「積極的平和主義」を謳う。「戦争したい」という宣言に「平和」という言葉を入れるな。

公明党が特定秘密保護法案の修正案に大筋合意しようとしている。「知る権利」「取材の自由」を明記、取材活動を「著しく違法・不当でない限り、正当な業務行為と位置づける」との趣旨の文言を盛り込むことで妥協の見込み。これで本当に「知る権利」が担保されるのか。
自民党石破幹事長は「国家の安全保障に重大な支障を与える情報まですべて国民が知る権利にあたるか、というとそうでもない」「知らしめたことで、国家の存立、国民の生命、財産、公の秩序が揺らいでしまうものに対しては、国家は国民に対して秘密は守る義務を負っている」。
「違法・不当」と判断するのは何者なのか。「国家は国民に対して秘密は守る義務を負っている」というのは、異常だ。国民が知ることもできなければ判断することもできないものについて、いったい誰がどんな「義務」を負っているというのだ。その「国家」とは、いったい誰のものなのだ。
NHK世論調査では、「特定秘密保護法案」の内容を「知っている」と答えた人は23%、「知らない」と答えた人は74%。国民は既に自ら「埒外」にいるのか。
ブラックホールに投げ出されたような矛盾と虚しさ。
政権は来週にも法案を閣議決定・国会提出する見通し。
今国会成立はなんとしても阻止しなければならない。

風営法によるダンス営業規制は、クラブ摘発どころか公共施設から社交ダンスサークルを締め出すような不気味な広がり。タンゴなどの男女ペアで踊るダンスは、「享楽的雰囲気が過度にわたる可能性がある」という、警察庁の見解。
その警察庁担当者によると「規制を法律から外すと、ダンス教室と称して『水着の女子高生と抱き合って踊れる』といった営業をされる可能性がある」そうだ。
だからダンスをするな? いったい何を考えているのだ。

夥しい「転倒」が、「論理」を破壊している。

守るべき自由と豊かさを見失って、どこに民主主義があるというのだ。

転々。
これだけ世の中がひっくり返っていると、小泉元首相が脱原発を訴えていることにも、何か裏があるとしか思われない。
コメント
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