Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

『利き水』マスター 祝結婚!

2016-02-15 | Weblog
『利き水』という戯曲がある。
2011年、東日本大震災の直後に、フランス・パリ郊外マルヌでの「水のフェスティバル」からの依頼で書き下ろした短編である。
〈無秩序な小さな水のコメディー〉というフェスティバルの副題がついていた。
この作品は『入海のクジラ』と共に2012年5月にワールド・プレミア上演されたわけだが、日本版は燐光群により『宇宙みそ汁』と同時上演で、全国ツアーをした。
戯曲は『入海のクジラ』と共に『三田文学』に掲載されている。
『入海のクジラ』は、独立した作品として書き直され、翌年夏、瀬戸内海・犬島で、スケールの大きい野外劇として上演された。
『利き水』も、その後、ほぼ毎年、フランスで上演されている。

『利き水』を、仙台のGin's Bar 井伏銀太郎さんが上演してくれることになった。シニア劇団「赤秋倶楽部」の旗揚げだそうである。
上演は、2016年3月26日(土)~27日(日) クオータースタジオ ということだ。

「水」にまつわる坂手の連作として、『じらいくじら』も同時に上演してくださるそうである。
「詩劇」と銘打たれた『じらいくじら』は、2001年、国際合作「ランドマイン・プロジェクト」シンガポール会議で、その全体をまとめるエピローグとして書き下ろされた。
日本代表として斎藤憐、志磨真実のお二人と三人でシンガポールに行ったのだが、本当に楽しい十日間だったのに、もうお二人は亡くなられていて、ある意味、もう地上では私の記憶の中にしかない日々なのだ。三人でメシを食いに行った場所がだいたい水際のお店だったりして、これも水の記憶の一部となっている。

『利き水』の舞台になっている店と、マスター役の人のモデルが、じつは実在していて、それは、吉祥寺のサリバンズ アイリッシュパブ(Sullivan's Irish Pub)と、そのマスター氏というか、オーナーである。
先日、こんにゃく座『オペラ・マクベス』を観に行った流れで、このマスターの結婚祝賀パーティーに寄った。
一回り若い素敵な奥さんで、既にかなり酔っぱらっていたマスター氏がブログに載せて、というので載せます。
吉祥寺のサリバンズ 、と、その新婚のマスター氏、あらためて、よろしく。
マスター氏の出身は、福島の、いわき市である。

こんにゃく座『オペラ・マクベス』は、なかなか感想がいいにくい。昨年亡くなった高瀬久男さんの台本、ご本人の、内省の重さが、じんわりと伝わってきて、その重さにうちのめされるからだ。同業者ゆえにということもあるだろう。
しかしこんにゃく座は素敵だ。『白墨の輪』が懐かしい。また早く呼んでもらいたい。
コメント
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