私もメンバーである日韓演劇交流センターによる「韓国現代戯曲ドラマリーディングVol.8」、演出家募集の詳細をお知らせします。
今回は初めて「座高円寺1」で上演します。
こういう企画で演出家を募集するというのは、あまりないのではないだろうか。その背景には、いろいろな歴史があるのだが、まあそれはまたいずれ。
日韓演劇交流のコアな部分を作ってきたこの企画に、是非ともご参加ください。
「韓国現代戯曲ドラマリーディングVol.8」
演出家募集のお知らせ
日韓演劇交流センターでは、これまで隔年実施してきました韓国現代戯曲ドラマリーディングの8回目を、2017年1月に予定しております。このリーディング公演の演出家を公募することになりました。
今後は、出演者もオーディション形式で募集したいと思っております。
当企画に興味を持つ演出家の方々には、ぜひご応募していただきたいと思います。
なお7月1日以降作品の粗訳もお読みいただけるようになります。
◆応募資格 18歳以上で、これまで演出経験の実績のある方
◆応募方法 郵送、メールのどちらか
郵送 〒177-0051 東京都練馬区関町北4-35-17 東京演劇アンサンブル内 日韓演劇交流センター
メール akira@tee.co.jp
必ず件名に「日韓リーディング演出希望」とお書きください。
◆応募に必要なもの
【書式自由】プロフィール、希望作品志望理由
◆締切 2016年7月20日必着
◆公演までのスケジュール
8月 演出家決定
10月上旬 出演者オーディション・出演者決定
12月顔合わせ
1月上旬~1月中旬 稽古(1週間~10日間)
座・高円寺稽古場 orブレヒトの芝居小屋
◆公演日程 2016年1月24日(火)~29日(日) 座・高円寺1
3作品各2回公演とシンポジウム
◆料金 1500円 通し券3000円 シンポ500円
◆お問合せ akira@tee.co.jp 必ず件名に『2017日韓リーディング』としてください。
◆作家・作品について
公演の順番などは未定です。
■チャン・ウジェ(71年生) 『アメリカの父』(2014年初演) 장우재 <미국아버지>
登場人物:男6、女2
この作品は、2004年国際テロリスト団体アルカイダによってインターネットを通じて公開斬首されたアメリカ人ニック・バーグの父マイケル・バーグがイギリスの戦争阻止連合に送った一通の手紙から始まる。 2000年代初期の実際の事件をモチーフとしているので、基本的にドキュメンタリー的なスタイルを採択している。「戦争とは何の関係もない息子がアルカイダによって殺され、その姿が全世界に生中継された父親は、いったい何を考えたのだろうか?」についての物語だ。 現代の資本主義社会、人種および宗教問題に直面したアメリカ人の父親の姿を通して、観客に現在の韓国、そして世界を考えさせる。
この作品はアメリカを背景として書かれており、韓国人は一人も登場しない。
世界中の人が共感できる素材を選んで、韓国演劇の新しい境地を開いた。
■ユン・ミヒョン(1980年代生?) 『若いフシディン』(2014年初演) 윤미현 <젊은 후시딘>
登場人物:男4、女5
この劇に登場するのは、「若いフシディン」(フシディンは傷口に塗る薬)と彼の両親、そして双子の姉妹「あどけないシンシンパス」と「あどけないマデカソル」、そして家主である「態度がでかい女」などである。 登場人物たちはそれぞれ家に対する不満が頂点に達している。彼らが家賃を払って暮らしている地下室は窓もなく、一日中わずかな光も射さない。雨が降れば常に雨漏りするが、滞納している家賃のせいで、ほとんど毎日大家にいびられている。フシディンの家族がかわす会話は非論理的で互いに会話が通じず、彼らが行う行為は滑稽なほどだ。
それでもフシディンの家族は、肯定的に生きるべきだと言って、現実に順応しろとお互いに諌めあう。雨漏りするから火事になる心配もないし、狭い部屋で死ねば自分の部屋がそのまま棺桶がわりになるから経済的だ、という具合だ。しまいには、近所の公園の屋根つきのベンチで野宿しながら、家を「テイクアウト」したと思い込む。このように、お話にもならない現実を不満なく受けえ入れて生きていく。
■チェ・チオン(70年生) 『狂った劇』(2008年初演) 최치언 <미친극>
登場人物 男6、女3
才能のない劇作家ドヨンは飲み屋で働く妻チャンミのヒモのような生活を送っている。
一方、借金に苦しめられている演出家は新しい作品を執筆している。ドヨンとチャンミは、実は彼の作品の登場人物だったのだ。そこにサラ金業者のハクスが借金取りにやってくる。借金を減額するという条件で、ハクスは演出家が執筆している演劇に投資することにする。ところがハクスgは作品の執筆に口を突っ込み始め、無理やり本人のキャラクターを作品に登場させる。演出家は自分でも気がつかないうちにハクスの注文どおりに作品を書き直し始める。結局ハクスは作品の中に吸い込まれ、戯曲の中の人生と現実の人生を区分することができなくなり、絶望の結末を迎える。『狂った劇』は複雑な劇中劇のスタイルと緻密な構成が評価された。
(2008年初演。2011年再演。)
今回は初めて「座高円寺1」で上演します。
こういう企画で演出家を募集するというのは、あまりないのではないだろうか。その背景には、いろいろな歴史があるのだが、まあそれはまたいずれ。
日韓演劇交流のコアな部分を作ってきたこの企画に、是非ともご参加ください。
「韓国現代戯曲ドラマリーディングVol.8」
演出家募集のお知らせ
日韓演劇交流センターでは、これまで隔年実施してきました韓国現代戯曲ドラマリーディングの8回目を、2017年1月に予定しております。このリーディング公演の演出家を公募することになりました。
今後は、出演者もオーディション形式で募集したいと思っております。
当企画に興味を持つ演出家の方々には、ぜひご応募していただきたいと思います。
なお7月1日以降作品の粗訳もお読みいただけるようになります。
◆応募資格 18歳以上で、これまで演出経験の実績のある方
◆応募方法 郵送、メールのどちらか
郵送 〒177-0051 東京都練馬区関町北4-35-17 東京演劇アンサンブル内 日韓演劇交流センター
メール akira@tee.co.jp
必ず件名に「日韓リーディング演出希望」とお書きください。
◆応募に必要なもの
【書式自由】プロフィール、希望作品志望理由
◆締切 2016年7月20日必着
◆公演までのスケジュール
8月 演出家決定
10月上旬 出演者オーディション・出演者決定
12月顔合わせ
1月上旬~1月中旬 稽古(1週間~10日間)
座・高円寺稽古場 orブレヒトの芝居小屋
◆公演日程 2016年1月24日(火)~29日(日) 座・高円寺1
3作品各2回公演とシンポジウム
◆料金 1500円 通し券3000円 シンポ500円
◆お問合せ akira@tee.co.jp 必ず件名に『2017日韓リーディング』としてください。
◆作家・作品について
公演の順番などは未定です。
■チャン・ウジェ(71年生) 『アメリカの父』(2014年初演) 장우재 <미국아버지>
登場人物:男6、女2
この作品は、2004年国際テロリスト団体アルカイダによってインターネットを通じて公開斬首されたアメリカ人ニック・バーグの父マイケル・バーグがイギリスの戦争阻止連合に送った一通の手紙から始まる。 2000年代初期の実際の事件をモチーフとしているので、基本的にドキュメンタリー的なスタイルを採択している。「戦争とは何の関係もない息子がアルカイダによって殺され、その姿が全世界に生中継された父親は、いったい何を考えたのだろうか?」についての物語だ。 現代の資本主義社会、人種および宗教問題に直面したアメリカ人の父親の姿を通して、観客に現在の韓国、そして世界を考えさせる。
この作品はアメリカを背景として書かれており、韓国人は一人も登場しない。
世界中の人が共感できる素材を選んで、韓国演劇の新しい境地を開いた。
■ユン・ミヒョン(1980年代生?) 『若いフシディン』(2014年初演) 윤미현 <젊은 후시딘>
登場人物:男4、女5
この劇に登場するのは、「若いフシディン」(フシディンは傷口に塗る薬)と彼の両親、そして双子の姉妹「あどけないシンシンパス」と「あどけないマデカソル」、そして家主である「態度がでかい女」などである。 登場人物たちはそれぞれ家に対する不満が頂点に達している。彼らが家賃を払って暮らしている地下室は窓もなく、一日中わずかな光も射さない。雨が降れば常に雨漏りするが、滞納している家賃のせいで、ほとんど毎日大家にいびられている。フシディンの家族がかわす会話は非論理的で互いに会話が通じず、彼らが行う行為は滑稽なほどだ。
それでもフシディンの家族は、肯定的に生きるべきだと言って、現実に順応しろとお互いに諌めあう。雨漏りするから火事になる心配もないし、狭い部屋で死ねば自分の部屋がそのまま棺桶がわりになるから経済的だ、という具合だ。しまいには、近所の公園の屋根つきのベンチで野宿しながら、家を「テイクアウト」したと思い込む。このように、お話にもならない現実を不満なく受けえ入れて生きていく。
■チェ・チオン(70年生) 『狂った劇』(2008年初演) 최치언 <미친극>
登場人物 男6、女3
才能のない劇作家ドヨンは飲み屋で働く妻チャンミのヒモのような生活を送っている。
一方、借金に苦しめられている演出家は新しい作品を執筆している。ドヨンとチャンミは、実は彼の作品の登場人物だったのだ。そこにサラ金業者のハクスが借金取りにやってくる。借金を減額するという条件で、ハクスは演出家が執筆している演劇に投資することにする。ところがハクスgは作品の執筆に口を突っ込み始め、無理やり本人のキャラクターを作品に登場させる。演出家は自分でも気がつかないうちにハクスの注文どおりに作品を書き直し始める。結局ハクスは作品の中に吸い込まれ、戯曲の中の人生と現実の人生を区分することができなくなり、絶望の結末を迎える。『狂った劇』は複雑な劇中劇のスタイルと緻密な構成が評価された。
(2008年初演。2011年再演。)